数の暴力(改正予定読むな!)
鳥羽の小説は0歳から100歳まで全年齢対象です。
サッカーなんて知らない。
問題です。
校庭に生徒が200人ほどいます。
普通のサッカーの18倍の人数です。
Q.この人数でサッカーをするとどうなるでしょう。
A.試合ができなくなる。
「オラァ!!」
「いってぇ!!」
「押すんじゃねぇ!!」
華麗に猛攻を受け流すサッカー部の選手たち。
次々になぎ倒される一般生徒たち。
横目で眺める水無月。
何も見えない観衆。
【14階のどこかの教室にて】
「あちゃ〜やっぱり無謀だったか〜」
と会長が言う。
「そんなこと言ったって自業自得でしょう。」
つくづく思う。なぜこんなのがこの学校の生徒会長なんかをやっているのか...
「二時限目が終わってサッカー部が押し寄せてきたと思ったら他の生徒会役員に知らせもせず勝手に大人数サッカーの開催にOKを出すなんて...」
すると会長は反省の色も見せずに言った。
「仕方ないでしょ!おもしろそうだったんだから!」
「確かにおもしろそうだけど!!現状がこうなんですよ!!」
僕は窓の外を指差す。
たくさんの生徒がぶつかり合い、何人かが医療科の救急隊に担架で運ばれる光景があった。
しかし僕はそのシュールな光景に笑みを隠せなかった。
「ダッハハハ!!」
だが会長は躊躇せず大声で笑っていた。
「ねぇ見たぐっち〜?ふふ...みんな、みんな担架で...w」
「私が...w私がOKしちゃったからw」
そして会長は見てわかるとおりノンデリである。
「いいから!はやく事態の収束に行きますよ。自分が蒔いた種なんですから。」
【如月一行が来る少し前...】
本当にどうなってんのだろうか...
こんなんでサッカーができるわけがない...
誰だこんなの開催しようって言ってOKしたやつ...
「君!そんなとこ突っ立ってないで俺を抜いてみな!」
さっきの黒髪の男子生徒がボールを蹴りながら走ってきた。
「うっ、てやぁ!」
『スカッ』
僕の全身全霊を込めたキックは空振りに終わった。
「お〜っとー!!サッカー部所属エース山下 秀喜!華麗な動きで敵選手を翻弄する!」
校庭の周りにあるスピーカーから実況がされている。
「はぁ、はぁ。」
いざ運動をしてみるもあまり活躍ができずにヘマばっかしてしまっている。
落ち込んでいても仕方がない。
ああゆう選手たちはフィジカル強化をしているんだから見習わないと!
「あっ、ヤバっ!」
すると目の前にボールが転がってきた。
「...!」
選手がミスをしたようだ。
チャンス!
『ピーーー!!』
全力を込めたキックをしようとした矢先、朝礼台の方からホイッスルの音がした。
「はーいせーとかいです!まともにサッカーできそうにないので100人ぐらい減らしてくださーい!」
見ると朝礼台で如月さんが声をあげていた。
「そうゆうことで一旦ちゅうだ〜ん!」
結局大人数サッカーは一旦幕を閉じた。
【その後...】
「あ〜あ、終わっちゃった〜。楽しそうだと思ったのにー。」
「ちょっと無茶だったね〜。」
同じ部員の高野が微笑しながら言った。
「で?どうだった?見込みのある子はいた?」
高野がそう言った。
そう。今回大人数サッカーをしたのは見込みのある生徒を見つけ、部に勧誘するためだ。
他の部ももうじき始める頃だろう。
「ボール蹴るのは下手だったけれどフィジカルは良さそうなのが何人かいたな。」
額の汗を拭きながら言った。
『ピーーー』
「再開しまーす。」
生徒会長の声が聞こえた。
「あ、笛鳴った。行こ。」
よし、俺も行くか。
さっきの奴いるかなー。
選ばれなかった...
ボール一回も蹴れなかった...
くじ引きもはずれた...
「あ、いたいた水無月くん。明日二時限目終わったら全校集会あるから遅刻しないでね!」
「え、あ、はい...」
げ、遅刻したの知ってたのか...
「りじちょー先生が大事な話があるって言ってたんだ。」
「あと水無月くん、君、生徒会に入らないかい?」
如月さんがふふと言いながらそう言った。そういったのだ。
「...え?」
「さっきのサッカーみたよ。」
「その身体能力はほしい!」
「そ、それにしたってなぜ僕なんか!?」
「ふふ、もちろん君に魅力を感じたからだよ?」
〈本当は生徒会に立候補する人が少なすぎるからなんだけどね♪〉
如月さんはキリッという雰囲気を醸し出していた。
「まぁ明日からたくさん時間あるからゆっくり考えといてね。」
そう言って如月さんは去ってしまった。
...生徒会に入ったら遥さんはどんな反応をしてくれるだろうか。
まぁ他にも色々な専門科があるらしいし、ここで学んでいくうちに自分が本当にしたいことを見つけられるだろう。
次の次がこの作品の最初の山場だ!楽しみに待ってな!うおおおおおおおお