裏の顔(改)
鳥羽の小説は0歳から100歳まで全年齢対象です。
ワンチャンなくなるかも...
ゼンカイノアラスジ:如月オタク参戦(参戦してはない)
「で? 何があったん?」
ぐっち先輩が呆れた様子で聞く。
「どーせまたなんか変なことしたんだろ」
「し、してるわけないじゃないですぅかw」
「水無月、見てみろよ。ちょっと変わってるよな?」
見てる。
しっかりと見ている。
如月さんの見た目や喋り方が変わったのはまぁ分かる。
そんなことよりぐっち先輩が青髮になっていることの方が驚きである...!
「まぁぐっちが青髪になってんのはいいとして」
「実は―――――――――――――――」
「あ、この動画面白いな〜」
スマホの画面を延々とスライドさせる。
『ピロン♪』
ん?
通知音が鳴る。
[緒志 都和太:これ面白いですんよ♪( *´﹀` ) _URL]
うへぇ...
てかなぜおるし!おしかつおた!!
そう思いながらも無言でURLを押す。
...誰かから送られたURLってついつい押しちゃうよね
ん?
なにこれ
Vtu○erってやつ?
色々なファッションの人がゲームをしている動画が流れる。
でもあんま興味ないなぁ〜
ダブルタップで5秒ずつ飛ばしていく。
こんなもんかぁ〜
...!
紫と白が混じった髪にチャラそうな感じ!
イケメンだ!!!
カックイイ!!
「それで?最終的にオタクになったと?」
「はぁ〜やれやれ、2次元なんて好きになってどーすんだよ。相手は画面の向こうだぞ?」
ぐっち先輩が呆れた様子で呟く。
「ぐっちも見てみなよ。百聞は一見にしかずだよ?」
「それでもう私やらず嫌いやめるって決心したんだから」
如月さんがぐっち先輩にスマホを渡す。
「...」
「...............」
「如月、ジュースと菓子」
「もうあるで!」
用意周到がすぎる。
「なにが好きなんですか?」
「おい、水無月っ」
止めようとしたが遅かった。
「み、水無月氏もや、やはり興味があるようでw」
コイツ...!
すぐ丸眼鏡をだしてコスプレしやがった。
「こ、こちらなんかはwど、どうでしょうかw」
わくわく!
......
全部男性...
『ピピピピピ』
不意に如月さんのスマホが鳴った。
「はい、もしもし〜?」
「あw如月氏でありますかw?小生ですん♪」
「おお!同志よ!!」
すかさず如月さんは丸眼鏡を出して付けた。
恐らく緒志 都和太君だろう。
「ほうほう?なんですと!?ではさっそくw」
通話が終わったらしい。
「みんな!今からぶいつー部に行くよ!」
「こんちわー!」
大きな声を出しながら如月さんは思い切り[ぶいつー部]という看板が掛けてあるドアを押し飛ばした。
誰もいなかったのが寂しかったのか今やったことをもう一度テキトウなドアを選んで再度実行した。
「配信中だわ!」
「てか入んなや!」
「看板あったろ!」
一気にエルバさんの罵声が部屋に響く。
「わ〜!配信中!?」
「ちょっと見してーーー!!!」
注意されても何事もなかったかのように如月さんはグイグイ押していく。
[え、彼女?]
[萎えたンゴロス泣]
[私たちリスナーはやっぱ二の次ってことだったんだ...]
[コ●ス]
「わーコメント欄が燃えてる!!テメー早くどっか行け!!」
「惺共もコイツどうにかしろ!!」
「ったく、で?なんの用?」
ぶつぶつ文句を言いながらもわざわざ僕らのためにエルバさんは配信を終わらせてくれた。
「実はここに僅か1ヶ月ほどでチャンネル登録者が3.8万人となった期待の新星をーー」
「取材でもしたいと?」
「見に来ただけ!」
「.....」
ちょっと得意げだった表情が如月さんの一言で段々と呆れた様子に変わる。
「リスナーでもねぇじゃねぇか!」
「まぁもうすぐそいつがコラボで来るから待ってな」
それまで俺は準備するからと言い残してエルバはパソコンの世界に戻ってしまった。
マウスを操作して色々なアプリを開いたり、マイクを調節したりなど俺のような凡人にはわからないことをしている。
さすがぶいつー部部員。いつもサボってるだけだが機会類に関しては一流だな
「ん、どした?山口」
エルバは一瞬こちらの方を見てからイヤホンを外して言った。
じっと見ていたからか心配されてしまったのか
「あっ、いや」
PCいいな。今度経費で買おっかな。
「PCカッコイイ!!私も今度買おうかな!?経費で!!」
眼を輝かせながら如月が叫んだ。
コイツと同レベルの知能指数だということを嘆く。
「待たせたね!!」
突如暗かったモニターの画面に光が点った。
「お、きたきた」
「コイツだよ、例の期待の星は」
エルバさんが僕たちに新人さんを紹介し始めた。
見なかった方が良かったかもしれない。
点いた画面の中には最近見た顔がいた。
黄緑の髪にキリッとした見た目。
緒志都和太君!?
「今日の小ネコちゃんは誰だぁ〜いぃ......?」
こちらを2Dの眼がこちらを覗く。
途端、2Dの眼が大きくなる。
そして彼は何も言わずに画面から立ち去った。
クソマロ捌きは芸術ですね。