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3,スキル

「それで勇者樣はどんな【能力(スキル)】をお持ちで?」

「【能力(スキル)】……?」


 しばらく小説内ではほのぼのを書いていたため、少し頭にはてなマークが浮かんだが思い出し手を打った。

 確かにそんな機能あったな。

 確か此処で主人公はスキルを測って……【転生者(リーンカーネイター)】と【正義の剣(ライトソード)】、そして【治癒(ヒール)】。この3つを手に入れる。

 たしかスキルは1人1つまでで、2つでも珍しいのに3つ持っている私……彷徨か。彷徨は凄い設定だったんだよな。流石勇者様。万歳。


 【治癒(ヒール)】に関しては後々ヒーラーが仲間になるモノの、それまで自分で回復して生きてくため入れた気がする。まあヒーラーが使う回復には遠く及ばないけど、基本の……骨折でもしなければ切り傷や魔物に着けられた傷は治せる。


「勇者様?」

「あ……」


 やばい、考え事をしていて少しぼーっとしていた。


「大丈夫ですよ、勇者様。【能力(スキル)】が分からないのも当然のことです。今から計測に参りましょう……といいたいところですが」

「じいさん」

「嗚呼、分かってるよ、エイラ。今日は魔物が出る日だね」

「まも、の……」


 確か此処で長の家が狙われて、エイラが助けてくれるの。

 此処で怪我はおわない。まだ。……そう、まだ。


 嗚呼、叫び声がする。

 魔物が、此方へ向かってきたんだ。


「今宵は此処が狙いか……!?」

「っ……じいさん!」

「そうじゃな、エイラ! 勇者樣、此方へ」


 通されたのは、多分長の部屋。


「此処なら安心です。此処でしばしお待ちを」

「長さんは……? それに、エイラくんも」

「大丈夫です。この村には勇者様程ではないにせよ、力を持っているものは沢山います。

 エイラもその1人です。必ずや、勇者樣に被害が降る前に魔物を倒してくれます」


 よっぽど信頼しているんだな。

 長さんは自信に満ち溢れた表情をしていた。

 小説内ではこんなに詳しく書かなかったから……。

 こんな、表情をしていたんだな。



 その後は、魔物を皆で倒し食料とした。

 吃驚。美味しそうなステーキになってたよ。この世界にもステーキっていうのはあるんだ……。



 ✽



 次の日。

 朝早く起こされた私は眠い目を擦りながら用意された服を着て、多分リビングであろう昨日長さんと話した場所へと来ていた。


「おはようございます、勇者樣」

「おはようございましゅ、長さん……」

「……ふっ」


 まってエイラに笑われた。

 私が心外、といったような表情で見るとさらに鼻で笑ってエイラはこう言った。


「おはようございま"しゅ"。勇者さん」

「……? ……っ!!??」


 寝ぼけて言い間違えた言葉をリピートされて、多分私の顔は真っ赤だろう。


「こらエイラ。勇者樣の事を虐めない」

「虐めてねぇよ、じいさん」

「うぅ……」


 恥ずかしいです。

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