表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/32

6.桃缶と揺らぐ決意

ブルーシートの上に転がる3つの缶。


キャンプでおつまみの缶を食べながらビールを飲む。うん、そのシチュエーションは確かにご褒美だ。

ビールは神様なビールのお高い奴。親戚の集まりみたいなので飲んで美味しかった記憶がある。

しかもしっかり冷えた状態で出てきた。


缶詰という枠の広さについては置いておこう。下手なこと言ってビールが無くなっても困る。

元一般男性としてそれなりにお酒は飲んでたし、晩酌はいつもビールだった。

死んだときは車の運転もあったから買わなかったけど。


あと何故桃缶。白桃のちょっと高級そうな見た目の桃缶。Why。女神様セレクトなのかランダムなのか。

トマト缶とかのサイズじゃなくて…これなんのサイズだ。あれ、スイートコーンとか小分けにされてる握りこぶしくらいのサイズ。

好きだけど。小さい頃何故かやけに憧れめいたものがあったけど。


桃缶ってそんな日々買うようなものでもないからなぁ。とりあえずそのまま食うくらいしか用途が思いつかない。

たまに食べると美味しいよね桃缶。そう考えるとちょっとしたご褒美感覚で買う人もいそうだ。

ただあんまりキャンプで桃缶ってイメージがあんまりない。

子供連れとかだとスイーツ代わりに持ってったりするのかな?


日替わりな以上明日は別のものなんだろうけど、今日のところは凄いご褒美っぽい感じ。


しかし……日替わりとは言うものの、俺にはクソデカ魔力とアイテムボックスがある。

つまり俺はこの缶詰たちを大量生産アンド大量保管できる訳だ。


それが示す先は……今後一生ビール飲み放題焼き鳥桃缶食べ放題…!?

浴びるように桃缶を食べる…?なんかすごい背徳感。


しかも日替わりだから毎日事実上のラインナップが追加されていく。

世の中にそんな何万種類も缶詰があると思えないからダブりとかも普通に発生するんだろうけど、そんだけあれば缶詰に飽きることはないはずだ。

無限缶詰生活…?



い、いや惑わされるな俺。いいのかそんなことで。その先は堕落しか待ってないぞ。

ゆったり生きるのは決めたけど、目指すのはそんな食っちゃ寝の生活ではなかったはずだ。



しばらく誘惑と戦っていたけれど、決心がついた。


そうだ。無駄な生成はしないって決めたじゃないか。

食べ切れるかわからない量の食べ物を生成するのは無駄なことなはずだ。

そういうことにしよう。


ということで、缶詰セットの作り置きはしないことにした。

生成したらちゃんと使う。無駄に置いとくことはしない。

なので、日替わりのものはその日のうちにしか食べられない。日替わり的にはその方が自然だろ。


逆に言えば今日一日ビール焼き鳥桃缶は食べ放題。

もともとご褒美なんだし、そんくらいは許されてもいいよね。


◇◇◇


せっかくなので朝ごはんは桃缶にした。

ビールは流石に夜までお預け……いやお昼くらいから飲んでもいいかな……


コーヒーと桃缶。主食は…まあいいか。おにぎりとカップ麺しかないし。合わん。


コーヒーのお湯を沸かしながらもう桃缶開けてしまう。

無くても手で開けられるタイプで良かった。こんな直前に開けられませんでお預けじゃ泣いちゃう。


初使用ofクッカーの上。フォークなんて無いので割り箸で移す。

残ったシロップは…なんかに使うかもしれないしアイテムボックスに取っとく。

これは無駄な生成ではない。断じて。マイルールだからその辺適当だ。


箸でパクつく。甘っ。


お湯沸く前に一缶全部食べちゃった……


足りるとは思ってなかったけどそんなパクパク食うなんて。自分で驚いてる。

性別によって味覚違うとか聞いたことあるしそれかもしれない。甘いの美味しい。

もう一個出しちゃえ。

あ、そうだわセットで出てくるからビールと焼き鳥が余るわ。

まあしょうがないか。このくらいの量なら食べきるだろうし、大量生成したわけでもない。


苦いコーヒーで口の中リセットして食べる。うん甘い。


結局3缶も食べてしまった。こんなにおいしいとは。

まずい一瞬さっきの決意がゆらぎかけた。乱されるな乱されるな……



3つ目の桃缶を生成した時、クリエイト君からの通知を感じた。

前回と比べて随分と早い。


食べ終わってから確認。

左手をズボッとすると新しい物が増えてた。

あれ、女神様ボイスないんだ。多分テントセットが特別だったんだな。


増えてたのは食パン。6枚切り。

おにぎりとカップ麺しかないとか考えてたからかな…そんなシンプルなのじゃなくて惣菜パンとかでも良かったのよ。


朝ごはん終わった後に来てもちょっと困る。

というか食パン単品だけあっても食べづらくないか。

日替わりでツナ缶でも出れば…ジャム缶ってあるのかな。


ん?ジャム?桃缶って煮詰めたらジャムになったりしないかな。

桃ジャム…甘美な響き……欲しいな。

ついさっき持ち直した決意が再び揺らいだ。


ジャム…加工品なら良くないか?

加工品置いとくのをOKにしないと缶詰使った時点で料理の作り置きも出来なくなるしな。うんうん。

何よりジャムを作るなんてすごいスローライフ感が出て良くない?


キャンプでジャム作らないだろとか2日目でやることじゃないとか思わんでもないけど、俺は今ジャム欲を耐えられない。

よし。しょうがないので今日ジャムは作る。作ります。

流石に出せる日に加工してしまうくらいのことはしないと、決意の意味が無くなるからな。


でも流石にテント張ってから。


1時間もしないうちに方針を何度も修正。

こんなぐっだぐだでいいのか、俺の決意。


◇◇◇


なんか色々有ったような気がするけど、やったこととしては朝ごはん食べただけだ。

ピュアとアイテムボックスでお片付け。

ドレスアップで着替えて気合も十分。

今日とて山ガールスタイル。


じゃあ早速テントを張りたいわけなんだが、その前にこの青カマボコに別れを告げないといけない。


昨日結構頑張って作ったカマボコ。

一晩俺を包み込んで守ってくれたカマボコ。


なんか大して思い入れ無かったな。

とっとと片付けてしまおう。



ゼェ…て、手こずらせやがって……

誰だよこんな簡易な拠点の癖にガッツリペグ打ち込んだ奴……


最初はアイテムボックスに放り込んでいくだけだと思ってたんだけど、どうやらアイテムボックスは物全体が穴に入らないとしまえないらしい。穴が閉じなくなる。


つまりカマボコを固定してた4つのペグを全部抜く必要があった。素手で。

なまじ石を使って深く打ち込んであったから延々とグニグニ揺らして抜いた。

疲労感で危うくビールに手が伸びるところだった。


木に結んでたロープも邪魔なので一旦解く。

地面に敷いてたブルーシートはそのまま敷いておいても大丈夫かな。


ようやくテントを出せる。


ただでさえ疲れていたけど、テントを生成したらさらにちょっと肩が重くなったような気がした。

そういえば魔力による生成は疲れるとかそんな設定あったね。いままで忘れてた。


ちょっとひと休憩。

テントを取り出したことでLEDのランタンが開放された。これで夜暗くなっても安心。

やっぱり消費した魔力の量に応じて経験値的なものが貰えているんだろうか。



テントの見た目は前世で買った奴だ。おなじみになってきた女神様マークが多分本来メーカーのロゴがあったであろう部分についてる。

一人用のなんというか普通な奴。よかった説明書入ってた。正直張り方わかんなかったから助かる。


テントにもペグが付属してたけど…ちょっと頼りない感じなのでもともと出せた方を使おう。

あとロープが何本か。これはどっちでもいいか。似たような色だし。


ポールを伸ばして十字に置いてカーブさせて端っこを挿して本体をフックとマジックテープで繋いで~~……

あれもうなんとなく形になった。

ガッツリ説明書とにらめっこしながらゆっくり作ったのに、ここまで30分かかってない。

あとはカバー的なものを被せたら基本の形は完成らしい。

テントって一人で張るのすごい大変なイメージがあったんだけどそうでもないんかな。

それとも最近の技術の賜なんだろうか。何にしても楽で良い。


ただ、中に入ってみたけどちょっと小さい気がする。青かまぼこの2/3くらいな感じ。

これで一人用にしても大きめのサイズだったはずなので、やっぱり青かまぼこが欲張りすぎだった模様。


ブルーシートはサイズ的に邪魔だったので一旦外して半分に折ってからテントの下に敷く。ペグが抜けねえ。

ハドメが無いから片側しか固定出来ないけど上にテント乗るし大丈夫だろ。


んでブルーシートを覆うようにテントを設置。

軽くてちょっと不安になったけど、7本もペグ打つらしいので安心。


ペグ用ハンマーは付属してなかったので結局石でベシベシ。

カバーもポールとペグで固定するのか。またベシベシ。打ち終わったら完成。


あ、あれ?なんか達成感も何もないままきれいなテントが出来てしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

拙作を気に入ってくださった方は
いいね・ブクマ・☆5評価など
お願いします

あなたの評価で
救われる作者がいます!

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ