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5.テントとお手紙

『「テントセット」を開放しました、なのじゃ!』


お、おう…あんだけ切望してたとはいえ、そんなすぐ来ちゃうのか。

てっきりしばらく別の物が出てから満を持して出てくると思ってたのに。

これなら今日だけ野宿で良かったな。いや結果論結果論。


望んだものが来やすいとかあるんだろうか?サンプル1個じゃわかんないか。


というか女神様の声なんだ。半日ぶりののじゃボイス。

ありがちなシステムメッセージっぽい無機質な声、とかじゃないんだね。

わざわざ収録したのかな。それとも今本人が喋ったのかな。いえ~い女神様見てる~?

あ、開放されるものは女神様が要りそうなもの選んでくれてる可能性もあるか。感謝。



さてテントセットの内容を確認。

セットっていうからには何個かまとまって開放されたんだろうけどどうかな。


左手をズボッ。

新しい物にラベルが付いてるような感覚。

どれどれ…新しいものは……


・テント(new!)

・寝袋(new!)

・枕(new!)

・ポール(new!)

・タープ(new!)


わぁい寝袋らぁ!

ブルーシートに包まって寝る美少女の構図は回避された!

枕のことなんて考えてなかったな。女神様気が利く。


早速テントを出してみたいところではあるんだけど、残念ながらこの焚き火の小さな明かりだけでテントを組み立てられるほど器用じゃない。てか怖い。


ということで今夜一晩だけこのテントもどきこと青カマボコにお世話になる。

よろしくな青カマボコ。



寝袋を生成してみる。

焚き火の光だと黒っぽく見えるけど多分紺色で薄手な感じ。

多分前世で持ってたけど壊れて生成出来なかった奴だろう。見覚えがある。

真冬には使えないタイプだな。

成人男性が入れる大きさだから今の俺にはちょっと大きいかもしれないけど、まあ大丈夫だろう。


ちょうど良く焚き火も小さくなってきたし、そろそろ寝ようかな。

試しにドレスアップ使ってみたらパジャマっぽい暖かい服になった。


ちゃんと寝巻き設定なのかバフッと結ばれてた髪が解かれて降りてくる。

そういえば自分の髪の長さ把握してなかった。結構長い。前世では髪なんか伸ばしたことなかったからなぁ。うわサラサラツヤツヤでふわふわ。

こりゃ結ばないと落ち着いてアウトドア出来ないわ。ちなみに今まではポニーテールだったよ。

魔法少女の時はツインテールです。


寝袋と、枕も生成して座ってたコットに乗せる。

枕は…これ車に積んでたクッションだな。クッションだと思って使ってたけど、あれ枕だったんだ。


コットをカマボコに搬入。ロープを踏んで冷や汗が出た。やめろ寝れなくなるだろ。

本当は焚き火をちゃんと消すべきなんだろうけど、消したらテントまでたどり着けなくなりかねないので許してください。


カマボコの中は真っ暗。かろうじて両端のあたりは見えるのでコットを設置。


寝袋に入る。やっぱ大きい。しっかり入ると頭まですっぽりだ。

足ズルズルして近寄ってからコットに横になる。ちょっと硬い。そういえばマットの類がないのか。


結構早い時間だったと思うんだけど、なんだかんだ疲れてたのか横になってすぐ寝入った。


◇◇◇


異世界二日目の朝。

慣れない寝床なせいか怪しい実験の実験台にされるひどい悪夢を見たような気もするけど、清々しい朝には変わりない。


鳥の鳴き声とかそんな可愛らしいものでは無く、顔に全力の朝日を浴びて目が覚めた。

なんで俺は足をカマボコの内側に入れて寝たんだ。

あの赤い太陽、暑くない割に朝からパワーが高い。お陰でお目々パッチリ。


そんなに寒くなかったせいで寝汗がすごい。自分にピュアをかける。

ドレスアップは…朝ごはんのあとでいいか。


カマボコから這い出て来て伸びをする。

う〜〜ん気持ちがいい。


焚き火は無事鎮火したらしい。起きたら山火事とかじゃなくて良かった。

あれ、焚き火の前になんか落ちてる。封筒?あ、女神様マークついてる。

てことは女神様からの手紙だろうか。


クッションもとい枕を持ってきて座る。どっこい。

朝のコーヒーに向けてお湯を沸かしながら封筒を開けた。



転生者へ


ひとまず1日、お疲れ様なのじゃ。

妾の世界を楽しめているようで何よりなのじゃ。


テントの件はすまんかったのじゃ。

お主が死んだときに周りに有ったものをお主のスキルに紐づけたんじゃがのう、壊れたものはうまく紐づけられんかったようじゃ。

代わりに最初にテントが開放されるように調整をしておいたのじゃが、無事手に入れられたようで何よりなのじゃ。

しかしクリエイトのスキルは望んだ物や前世で所有していた物が開放されやすいようにはなっとるからのう、あれだけ望んでいたのなら調整が無くても最初に開放できたかもしれんのう。


あと、大量にものを生成しようか悩んで結局しなかったようじゃが、その判断、大変助かったのじゃ。

一度に急激に換魔力をすると世界の魔力の流れが乱れて最悪世界が崩壊するらしいのじゃ。

最初は魔力の器は小さめにして、成長補正をかけて徐々に大きく換魔力をさせるのが今のセオリーだって先パイ…お主の元の世界の神に説教されたのじゃ。

昨日くらいでも世界の維持には十分換魔力されるから、今後もゆったりしてって欲しいのじゃ。


とかく、昨日のキャンプ、妾も覗いて楽しませて貰った!

焚き火を眺めるのは妾も好きなのじゃ。今後も毎晩するのじゃ!

この手紙にご褒美を付けておいたからのう、今後もキャンプに励むのじゃ!

どうやらハプニングもあったようじゃがのう…ぐふふ…


いつでもお主を見ている女神より


追伸

転生デフォルトからいじっておらんかったが、よく考えたらお主に言語理解のアセットは要らんかったのじゃ。

代わりに採取のスキルを使えるようにしておいたから、森の恵みを楽しんで欲しいのじゃ!


◇◇◇


読み終わると同時に、


『「日替わり缶詰セット」を開放しました、なのじゃ!』


と頭の中に声が響いた。

これがご褒美かな。


あっお湯沸いた。

コーヒーを飲みながら、手紙の内容を反芻する。


しっかしファンシーなかわいい便箋に可愛らしい丸文字。どっから仕入れてくんだこんなの。

さらっと日本語だし。

達筆系のじゃロリではなかったのはちょっと残念に思わんでもない。


テントは想像通り壊れたから生成出来なかったらしい。壊れてなければ車とか出せたのかな。

神様もアフターケアしてくれてたんだね。文句言ってごめんなさい。


ゆったり行こうぜの方針は辛くも世界を救っていた。危なかった、部屋の中めちゃくちゃになるどころの騒ぎじゃなかった。

神様でも先輩後輩なんてあるんだな。


そして……

み、見られてた…そうだよね神様には暗闇なんて関係ないよね!

元成人男性として失っちゃいけないものを失うところを見られた!

見られてたという事実だけでめっちゃ恥ずかしい。誰も居ないと思ってたから耐えられたのに。

せっかく再建した尊厳が音を立てて崩れた。ここからは次世代強化型尊厳ver 2.0でお送りいたします。


コーヒーが完全に冷めた頃に復活した。一気飲み。にっが。うわ底の方コーヒー粉溜まってた。

今度は緑茶いれよ。


ふぅ。


おまけの採取のスキル。

もしかして悪夢を見たのはこれのせいじゃないだろうな。

ついに言語的に人との交流が出来ない体にされてしまったかわりに、どうやら森の中の食べられる野草とかキノコとかが見分けられるようになったらしい。

異世界の食べられる野草、何色なんだろう。



さて最後にお待ちかね、ご褒美の「日替わり缶詰セット」。


キャンプで缶詰って言ったら結構定番ではあるけど、何が出てくるんだろう。

女神様からの直接のご褒美だからかいつもの直感君でも内容がわからない。

生成してからのお楽しみ。らしいので早速生成してみた。


テントセットと違って一個一個個別に出すことは出来ないらしい。

出てきたのは缶3つ。


缶ビールと、焼鳥の缶詰と、桃缶。

缶ビールって缶詰って扱いでいいのか?

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