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4.尊厳とお茶漬け

ほんのちょっと短めです。

無事焚き火が起こせたことに安堵し落ち着いたせいで、己の中の大変な欲望に気づいてしまった。


トイレに行きたい。


今日はそこまで水分を取ってないとはいえ、昼にコーヒーまで飲んでいるのだ。

今まで尿意を感じなかった方がおかしい。


転生直後は生まれたてだから膀胱が空だったりとかするの?それとも膀胱もちょっとチートだったりするの?

まあ女の子は我慢がしづらいとか言うよね。うんうん。


余計なこと考えてる場合じゃなかった。やばいやばい。

自覚したせいか体のせいか既に限界が近い。こんなTSモノの定番を気づかなかっただなんて。なんてこった。


トイレなんてないので野に返すのはしょうがないとして、流石に拠点の真横ではしたくない。

つまり近くの茂みに駆け込みたいんだけど、なにせ暗い。怖い。原始的な恐怖が俺を邪魔する。


それに、行ってる間に焚き火が消えたりなんかしたらどうしよう。マッピングスキルでどうにかなるか…?そもそも帰ってこれても真っ暗な中で1から火をつけるなんて出来るか?

い、いや流石にそんな直ぐ消えたりしないだろ。うん大丈夫大丈夫。


あ駄目だ考える前に行動しないと間に合わない。

焚き火に追加で枝を放り込んでから、拠点横の木の裏までダッシュ。


コケなくて良かった。ひぃ木の陰暗い!焚き火が光ってるのが見えない!

ズボンを下ろして…あれ?おい頼む降りてくれ新人乙女の尊厳の危機なんだ。


ひ、紐…?誰だよこんな固く縛ったやつ!解けない!全然解けない!あっ余計なとこ引っ張った気がするこれやばいって。

こうなったら無理やりズボンを下に降ろして…あぁ!男にはなかった出るとこ出てる体型が仇に!


待って待って無理無理尊厳が死んじゃう。1日も持たずに死んじゃうって!

ほんとに無理だって!幼稚園以来なんだって!あっあっ、も、もう限界……


◇◇◇


……

ぐすん……


俺の異世界尊厳は生まれたその日に死んだ。

メンタルも体にちょっと引っ張られてるのかすごい泣きそう。

逆に元の体でも泣いてたかもしれない。プライド的な意味で。


うう…早く戻らないと火が消えちゃう…

トボトボ歩いて焚き火のところに戻りながらピュアとドレスアップをかける。


「ドレスア~~~ップ!」


めっちゃ笑顔と元気な声を作らされた。

待って。今魔法少女になれる気分じゃないの。ハートが黒くなっちゃうよ。あと夜中に叫ばないで。

もうこの服でもいいかと一瞬思ったけど、あまりにヒラヒラしてて燃えそうなのでもう一回ドレスアップを使った。


◇◇◇


何もなかったことにした。うん。

尊厳ちゃんは生き返りました。死んでません。


焚き火は全然余裕だった。結果的に時間はほぼかかってないからね……


せっかく焚き火眺めてちょっとうつらうつらしてたのに完全に目が覚めてしまった。

どうしよう。お昼だと思っていた時間が遅かったのか、日が暮れるのが早かったのか、まだちょっとご飯には早い感じだ。


何しようかな…今はとても無気力だ。自分の情けなさに打ちひしがれてる。

いや何もなかったんだけどね、うん。


まあいいか。異世界とはいえせっかくのキャンプだ。何もせずゆっくりしたっていいだろう。


地面にシート敷いて座っててお尻が痛くなってきたので、コットを持ってきて座る。うわテント側真っ暗。半分手探りだった。


火の粉さん飛ばないでね。黒ずむくらいならともかく穴空きはピュアで直せないからね。

女神様印ついてるからなんとなく大丈夫なような気がするけど。


バーナーでお湯を沸かしてコーヒーを飲む。チルですチル。

焚き火でやるのも楽しそうだけど、クッカー倒して火が消える未来が見える。せめて網とか欲しい。



◇◇◇◇◇◇



いい加減お腹が空いてきたのでご飯にする。


とは言え選択肢はほぼ無い訳なんだけど。

あ、そうだ。緑茶があるからおにぎりバラしてお茶漬けにしよう。


今回はちゃんと自分にピュアをかけた。え?さっきもかけた?かけてないですよ?

そもそもついさっき枝放り込んだし。


再びお湯を沸かす。んでもう一つのクッカーにピュアかけてからおにぎり入れてほぐす。お昼で懲りたのでとりあえず一個だけ。ちなみにシャケ。


生成した緑茶のティーバッグをお湯に入れて放置。

覗き込んでも暗くて全然色が見えねえ。これちゃんとお茶出てる?


木が燃える匂いに混じってお茶のいい匂いがしてきたので多分大丈夫でしょう。

おにぎりを入れたクッカーに注ぐ。完成。


ふー。ふー。

熱そう。でも掻き込んじゃう。ズズッ。ズズズッ。ハフッ…


やっぱり熱い。ちょっと上顎火傷した。味はさすがにちょっと薄い。醤油とか欲しいな。調味料もいずれ出せるようにしたいね。

シャケを巻き込むようにして口に入れる。これはおいしい。


はぁ~……

思わず息が漏れる。


一瞬で食べ終わってしまった。上顎は犠牲になったのだ。

もう一個行けるかな、行っちゃおうかな。うん行こう。


今度は梅干しおにぎりをほぐす。水も無くなってたので生成。んでまたお湯を沸かす。

水飲もうと思ったけど、クッカーは既に2つ使ってたのでもう一個生成した。

こいつクッカーの蓋部分一回も使ってないのに同じクッカー3つも出したぞ。


クッカー取り出してから何かクリエイト君が言いたいことがあるようにしている気がするが、今はお茶漬けだ。


うん。梅もうまい。やっぱり具無しの部分は味が薄い。でも満足。


森の中焚き火を見ながら温かいごはん。最高だね。


◇◇◇


ふう、満腹。また限界ギリギリまで食べてしまった。反省はしない。


きちんと使った道具全部にピュアをかけてからアイテムボックスにしまう。

クッカー3つもしまったよ。使ったんだから無駄な生成ではないけど、ちょっと雑過ぎたかもしれない。


おにぎりのゴミと使った割り箸はゴミ区画に安置。安らかに眠れ。


そうだ、キュアを試してみよう。

上顎やけどしただけだけなのに即死以外なら全回復出来るような魔法を使うのはちょっと気が引けるけど、積極的に怪我をする気にはなれない。


自分にキュアを使う。一瞬自分を中心に強く光ってすぐ消えた。

上顎の痛みは消えてる。すごい。魔法すごい。

ようやく魔法っぽいエフェクトが出たのでちょっと興奮。


これ結構光るから使い続ければ簡単なライト代わりになるんじゃね?


なりませんでした。

どうやら全身健康の健康人間にはそもそも使えないらしい。熱いもの口の中に入れたままにしてやけどし続けてればいけるか?えっ何その拷問。

というか魔法の無駄遣いもはなはだしいしいな。せめてライトの魔法が欲しい。


◇◇◇


んでようやくクリエイト君の話を聞くことにする。

あんまり放っといてたからちょっと拗ねてるような気配すらある。

は~い構ってあげるからね~隠れてないで出ておいで~


しっかし今までになかった新しい感覚。良い予感がしますよこれは。


左手をズボッってする。すると、頭の中に女神様の声が鳴り響いた。


『「テントセット」を開放しました、なのじゃ!』

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