27.パテとハの字
感謝オブリアクション!
これからもよろしくお願いします。
次の日。
今日何日目だっけ?昨日があれでその前が一週間でのお休みで……たぶん9日目!
今日も今日とて、すのこのためのためのためのための作業。
の前に朝ごはん。……のさらに前にやることがある。
昨日の夕飯の準備中に開放されたものと、新しいご褒美の確認。
いや、昨日はご飯食べたらお腹いっぱいで眠くて、確認せずにそのまま寝ちゃったんだよね。
今回のご褒美は普通に作れるもの解放系らしい。
作れるものリストに増えていたのは、牛乳と、パテ。
牛乳はうれしい。
これで苦いブラックコーヒーをそのまま飲まなくてもいい。
そして……パテ。ご褒美らしきパテ。
はて?
取り出してみると女神様印のハンドクリームみたいな容器が出てきた。
>>強力接着<<>>瞬間接着<<なんて言葉が並んでいる。
万能接着パテがこれの正式名称らしい。
なんだこの凝ったパッケージ。女神様こんなんわざわざ作ったの?
接着だなんだってことは糊みたいなものなのかな。
開けると半透明でベタベタ目なスライムみたいな物体。なんこれ。
あ、側面に使い方が書いてある。
えーと何々?
1.使いたい量を手に取ります。
はい。手に取ります。手には引っ付かないんだ、凄いなこれ。
2.完全に白くなるまで練り込みます。
はい。ネリネリ。これ楽しい。おっちゃんと白くなってきた。
3.対象に強く押し付けます。
対象?まあいいや両手を合わせてギュっと。はいギュ~~~。
4.完成!水でもテコでも取れない、まるで元々一つだったかのような仕上がり!
……?
完成?
うん……うん?
なんだっけ。強力接着だっけ。瞬間接着だっけ。
なんか冷や汗が出てきた。
最初に手にはつかなくって凄いって思ったじゃないか。大丈夫大丈夫。
……どうしよう取れない。
取れる気配が無い。
完全に両手がお祈りポーズでくっついてしまった。
フ、フフ……大丈夫大丈夫。こういうのは端っこからペリペリしていけば取れるもんだ。
うわすっごい。ペリペリのペの字すら出来そうにないくらいぴったりくっついてる。
そもそもペリペリしようにも指全部キレイにくっついてたわガハハ。
引っ張っ……いや無理。これ多分皮膚より接着力の方が強い。
おお神よ。これがあなたが与えたもう試練だというのですか。
それっぽいポーズ。せっかくなので正座しとこう。
いやただの俺の不注意なんだけどさ。
安全装置を兼ねてるであろう結構複雑なプロセスがあったにも関わらず、両手をくっつけてしまった。アホ。
まぬけエピソードで死を覚悟するのは何回目だ俺。
女神様ツールなんだから多分大丈夫なはず。落ち着け落ち着け。
救いを求めて容器を見る。
容器を回せないから自分でテーブルの周りをグルグル。絵面がひどい。惨めだ。
反対側に救いを発見。
良かった~。どうやらくっつけたものを剥がす手段があるらしい。
魔力を込めながら引っ張ると簡単に剥がれます!とのこと。
ま、魔力を込める……?魔力を込めるってなんだ?
魔石に念じるときみたいにやればいいのか?はずれろ~~~~。
その瞬間ポロッとパテが落ちた。
お、おう。そんなサラッと解決されると拍子抜けする。
うん。接着力は証明されたか。いろいろ使えるだろう。
はぁ……とりあえずご飯にしよう。
◇
朝から無駄に気疲れしてしまったので簡単にお茶漬けにした。
お茶漬けの素は調味料でいいんだろうか?
前世の家の調味料BOXに入れてたからそういう判定なのかもしれない。
さて、今日はこそは橋を架けよう。もう9時過ぎだけど。
とりあえず木を縦半分に切ってみる……前に昨日落とした枝の掃除からだな。
このままだと枝が邪魔で絶対まっすぐ切れない。
全く作業工程の多いこと。
いちいち拾うのめんどくさいなぁ。
マジックハンドを使ったらどうにかガーッと出来ないかな。
マジックハンドの感覚を無くして大きめにする。
そうしたら木の端っこから水平に動かしつつ、触れたそばからアイテムボックスに収納していって……
木の枝ローラー回収作戦大成功。
これマジックハンドの感覚残してたら枝が刺さりまくってめっちゃ痛そう。
いっぱい取れた葉っぱと枝はアイテムボックスの中の薪を積んである辺りにポイ。
アイテムボックスの中も思考で操作出来るようになってたらしいので整理も楽ちん。
ようやくメインストリームに帰ってきた。
木を縦半分にする作業。
残念ながらまっすぐど真ん中を切るための道具なんて無いので、オールフリーハンドで行く。
幸いエアカッターの切れ味はとんでもないので、俺がよほどミスんなきゃ大丈夫。フラグじゃない。
この木は不自然なほどまっすぐだから要らないかもしれないけど、一応ゴロゴロ転がしていい感じに一番長さが取れそうな面を探す。
うん。変わらん。
というわけで切断の儀。
ミスっても渡れればいいんだから気楽に行こう。
エアカッターを出したステッキを構えて、勇者の剣よろしく木に突き刺して横移動。
た、高さが微妙で腰に負担が……!
ある程度行ったところで自重でそれぞれ倒れようとメリメリ言い出したので、慌てて切断しきった。
ゴロンと2つに転がる木。ええやん。
我ながらいい出来。きれいな半円が2つ。
そのまま曲面を下にした状態で試しに乗ってみたけど、まあ無理。
そういうアスレチックならともかく、俺に必要なのは安定した橋なのだ。
逆に平面を下にして上を木の皮な面にして乗ってみる。
木は安定してる。
でもこの木の表面はわりかしツルツルしてるので、滑って落ちそう。
2つ並べれば大丈夫なような気もする。
そして最後。
昨日切り落として後悔した転がり防止の枝を、自分で作ろうという案。
せっかくパテを貰ったので、というかこのタイミングでくれたってことは今使えってことだと思う。
木の曲面を下にしたら、木がグラつかないよう太めの枝を切ったのをハの字にパテで固定してしまう。
両端やって完成。
試しに乗ってみる。流石に全然揺れない。
端っこでジャンプしてみても接合部が揺らぐ気配はない。
ほんのちょっと調整ミスで揺れるけど許容範囲。
これが一番いい感じなんじゃない?
てかパテすげーな。
「えっ救い……?まさかそんなアホなことするなんて想定しておらんかったのじゃ……便利じゃろうと外せるようにしとっただけで……」




