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22.ドラム缶風呂と妾参上!なのじゃ!

今日も今日とて皆さんのレスポンスが嬉しい作者です。

ご期待に添えるよう、今後も頑張って書いていきます。

湯沸かしの実験を終えてテントに戻ってきた。

せっかく実験にも成功したことだし、今日は明るいうちにドラム缶風呂を楽しむとしよう。

女神様もちょうど見てないしね。


昨日出して雨水を貯めていたドラム缶は、魔石から水が出せるとわかった時点で仕舞ってた。

少し雨水は溜まってるけど……葉っぱとか入ってちょっと汚いから川に流しちゃおう。

というか排水のこと考えたら河原にドラム缶置いたほうが良さそう。


ということで川に出戻り。

雨水をザバーっと流してガタガタしない位置にセット。


横に立ってみて改めて思ったけど、これそのままだとちょっと高くて中に入るのが大変そう。

ついでに入れないってことは出るのも苦労しそうだ。


折りたたみの椅子……はちょっと不安だな。

ちょっと短めに切れてる丸太を出してこいつを足場にすることにした。

おっもい……いつか専用の足場としてくり抜いて軽くしてやる……!


立つところの表面をエアカッターで軽く削ってささくれで怪我しないようにしておく。

風魔法の扱いにも慣れてきてこんなことも出来るようになった。


ドラム缶の中にも同じ加工をしたものを放り込む。

重くて途中で手を離したらガランガランと反響してとても大きな音がした。

ドラム缶に頭を突っ込んでた俺はとんでもない被害を受けた。頭痛い。


出入りを試してみて問題ないことを確認した。

あの重い丸太が浮いてくるってことはないだろう。


水魔石と火魔石もドラム缶に入れてお湯の用意。

ロープを結んでから入れたのでどっかいくってこともないはず。外れないでくれよ。


ロープの在庫が切れたので、新しく取り出したらバスタオルが開放された。

気が利くねえ。これが開放されてなかったら情緒も何もなくピュアとドレスアップで解決するところだった。


物の開放も久々な気がする。最近こっちの世界のものばっかり弄ってたからな。



しばらく放置して湯の量も湯加減もいい感じ。

どうやら魔石にちゃんと念じると想像したものをどうにか再現してくれるらしく、適度な温度のお湯を想像してたらその温度が維持されるし、水が無限に溢れ出してくることもないっぽい。なにこれ便利。


ドラム缶のそばにブルーシートを敷いて、テーブルにランタンとバスタオルを置いておく。

靴を脱いでシートに上がって、風呂に入る準備。石が足の裏のツボに当ってちょっと痛い。


さて。

こっちの世界に来てからトイレ以外で服を脱いでないのでちょっと気恥ずかしい。

これは見てしまっても良いものなのか。

体のサイズ以外にあんまり性差は考えて……ないこともないけど、体のパーツについてはあんまり意識してなかった。


んー……まあいいか。今は俺の体だ。というか多分寒くてまじまじと見る余裕なんてない。

そもそも準備で遅れて既に薄暗いし。見えん。


このアウトドア風の服のきれいな畳み方なんぞ知らないので、大胆に脱ぎ散らかしていく。

案の定寒い。ひえ~~。慌てて風呂に向かってドボン。


「はぁ~~~……」


思わず声が漏れる。なんでお風呂に入ると声が出ちゃうんだろう。

一日外にいて冷えた四肢の先があたたまるのを感じる。


残念ながら足は伸ばせないけど……お?うまいこと丸太に座れば顔だけ外に出た。

肩がちょっと出て寒い。いやお湯足せばいいのか。増えろ~~~。


ちゃんと増えた。


残念ながら、本当に残念ながらか?影になっていてお湯の中の自分の体がはっきりとは見えない。

手首からのラインが細すぎて不安にはなる。


あとシュレディンガーのつるぺたの真実が確定してしまった。

実はほんのちょっと着痩せしていたらしい。重装備だったし。



「ふ~~~……」


ドラム缶風呂って普通に下から火で加熱したらドラム缶自体が熱くなったりしないんだろうか。

その点この魔石風呂ならそういう心配はない。縁に頭を乗せてゆったり。


いつだかのオレンジジュースを取り出して一服。冷たくておいしい。

手元でなんでも出せるって便利だな。これは前世じゃ出来ない。


見上げるとこの時間でも明るく輝く異世界の月。ぱっと見普通だけど、よく見ると欠けている向きがおかしい。

それって物理的にありえることなんだろうか。わからん。


……しばらく空を眺めていたけど、そろそろのぼせる気がする。トイレも行きたい。


魔石を止めて丸太の上に立ち上がり、ドラム缶の縁を跨いだその瞬間、空から強い光が降り注いだ。

呆気にとられる俺。

強い光は一箇所に集まり、人の形を取ると……


「お主と世界を司る、キューティー女神!妾!!参~上、なのじゃ!」


「……は?」

「……え?」


ガッツリ決めポーズをしながら変身口上らしきものと共にご降臨なされた女神様と、風呂から上がろうと裸でドラム缶を跨いでいた俺の視線が交錯する。


一瞬の交錯の後、寒かった俺はとりあえず不審神物を無視して体を拭くことにした。


「ちょ、タイミングが悪かったのは謝るのじゃ!だから!無視は、無視はやめるのじゃあ~!」


◇◇◇


ドレスアップを済ませてからとりあえず女神様をテントまで連行。

椅子をもう一つ取り出して座ってもらう。どぞどぞ。あっどうもどうも……


テーブルを挟んでご対面。


「で、女神様は何用でこんなところに」

「うむ、よく聞いてくれたのじゃ。聞かれたからには答えてやろう、妾がここに至るまでの涙無しには語れないストーリーをのう!」

「は、はぁ……」


そこから女神様は求めてもないのに語り始めた。ノンストップで。

やれ上司が最近同僚の子ばかり優遇するだの、上級の神がセクハラをしてくるだの。


ずいぶんと俗なというか、その辺のOLみたいな生活してんなこの女神。

のじゃロリなのに世界のしがらみに囚われている。週イチ勤務だけど。


というかこれ全部今日の話なんだろうか?

時間の流れがここと同じかわからないけど、ずいぶんと濃い一日を過ごしているようだ。


「それで、女神様は日頃の疲れを癒やしにわざわざここまで降りてきたと」

「そうなのじゃ。せっかくお主も呼んだことだし、妾も少しキャンプ体験、なのじゃ!」

「はぁ」


元コミュ障おじさんの俺と、どうやら一通り語り終えて満足したらしい女神様との間に沈黙が流れる。

女神様よ、何を興奮してフンスフンスしてるんだ。

この世界の人間はもっと複雑な手段で使う魔石だけど、主人公はクソデカ魔力でゴリ押してる模様。

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