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17.亀とステーキ

ずしーん、ずしーんという音と共に揺れる地面で目が覚めた。

近所でどっか工事でもしてるのか…?にしたって揺れすぎだろ。

同じマンションでこんな騒音と振動を出すなら挨拶の一つくらい入れてからやってくれよ……


まどろみの中昼寝の二度寝を無理やり敢行しようとして、飛び起きた。

俺そんな状況だっけ!?要約転生探索草原昼寝だったよな俺!?


飛び起きて周りを確認。とりあえず巨大生物が近づいてきてるってことはないらしい。

でも……どうして景色が動いているんでしょうか。


ヒイイイイイ何、天変地異?天変地異なの?

足がすくんで動けない。というか下手にこの揺れる中立ち上がったら丘の下まで転がり落ちそう。


そして丘の麓を見て気づいた。こ、これ俺の乗ってる丘の方が動いてる。

な、なななななななんで!どうしてそんなことになるの!


俺が入ってきたであろう遠くのこの細長い原っぱの端っこを見るに、どうやらこの動く丘も北上をしているらしい。

怖い怖い怖い。速度はそんなに出てないっぽいけど、足場が動いてるこの状況が怖い!


若干の浮遊感と共にずしーんという音。

お、落ち着いた?丘が着地した?丘が着地するってどういう表現なんだ。


恐る恐る立ち上がって周りを見回す。丘が動いた跡らしき原っぱの草が潰れているけど、その他はなんの変哲もない丘。

い、今のうちに駆け下りて…いや今また揺れ始めてこの天変地異に巻き込まれたら大変なことになるんじゃ……ここは落ち着くまで待って……


うじうじしているうちに丘が動いた。着地するんだからフライハイするのか!?

思いの外勢いよく浮き上がった丘。


腰が引けた状態で立っていた俺は、立っていられずに倒れた。

そして俺は、心配した通りにころりんと転がっていくことになった。


「ひゃああああぁぁぁあああああ!!」


俺が転げ落ちていったのは俺が登った面に対しての側面に当たる部分。

ここは俺が登った面よりだいぶ急な坂になっているらしい。

故に、俺は丘の下まで一直線に転げ落ちていった。


「ムギュ」


完全にギャグ調で転がって、木にぶつかって止まった。

目を回しながらも必死で立ち上がってそばの森に駆け込む。


い、胃の中身が全部出そう……

キレイに転がったからか、小柄で体重が軽いからか、どうやら大きな怪我は無いらしい。

ひとまず一安心。でも全身が痛いよう……


自分にキュアをかけつつ、涙目になりながら木の影から丘の方を見やる。

足。丘に足が生えていた。

どうやら丘は浮き上がったのではなく、立ち上がっていたらしい。


ヒエエエェェェまた巨大生物だよ!今日はもう朝見たって!

俺あれの上で呑気に昼寝してたってこと?怖すぎるんですけど!


爬虫類っぽい足だ。またドラゴン…?アースドラゴンとかそういう感じ?

いや、立ち上がった姿を見るにこれは……亀?

そう思って見るとだいぶ亀っぽい。


いやだから亀にしたってデケえんだって。

足だけで小さめの雑居ビルみたいなサイズ。

とっとと逃げてなかったらアレに踏まれかねなかったのでは…?

なんかサラッとガチの命の危機だったのでは…?えっ怖い怖い。


ファンタジーだからって何しても許されると思うなよ。

あ、もしかしてこの草原もこいつが作ったのか?


しばらく観察したところ、亀は体を持ち上げては移動して着陸を繰り返しているらしい。

背中が周りと同化するほど草生えてるってことは多分は普段動いてないんだろう。

普段動いてないクソデカい亀って言ったら定番な感じしてきた。

なんだって今日に限って動いちゃったんだ。運が悪い。


これでドラゴンにフェニックスに亀だろ~?いい加減もう尊厳を耐えることに慣れてきた。

まあ今回は物理的にダメージ食らったけど……

ちくしょう美少女である俺の体に傷をつけるだなんて。


後ろ側と思わしき方にしっぽを見つけた。巨体に対してしっぽはかわいいサイズ。

それでも今の俺の身長くらいはありそう。


そういえばこのクソデカ亀さんのお顔を拝めてない。

しっぽがこれなら可愛い顔してたりしないかな。

いつか見てみたい。遠くから。本当に遠くから。


しばらくすると亀は見えないところまで行ってしまった。

のっっっっそり動いてるように見えて、あの巨体だから移動速度自体はかなり早いらしい。


亀の移動距離的に、どうやら動き始めてすぐ俺は目が覚めたっぽい。

二度寝してたら帰れなくなってたんじゃないか?

道具は全部どうにかなるとはいえ、拠点に帰れなくなるのが一番怖いかもしれない。今の俺の城はあそこだ。


あ、亀の上にブルーシート敷きっぱなしだ。


◇◇◇


結局あの後そのまま最短距離で拠点に帰ってきた。

マッピング様々。

帰り道にもう一箇所ネギネギの群生地を見つけてちょっとホクホク。今日のところはとりあえずそのままにしておいた。


真っ直ぐ帰ってきたとはいえ、亀に乗って移動してしまった分も含めての移動になったから帰るころにはもう日が暮れかけ。


今日はかなり歩いた上に俺さんころりん事件が有ったから、今すぐにでも寝てしまいたい気持ちがある。


しかし!今だからこそ!酷い目にあった今日だからこそ!

自分にご褒美を与えたく思います!


つまりは豪華な夕飯な訳だが、まずは炊飯セットをアイテムボックスから取り出し、炊飯の準備。

手順書の通りにセットアップ。水と米を入れるだけでいいんだって。水蒸気炊飯とかいうらしい。


米に水を吸わせている間に焚き火の準備。もう手慣れたもんだ。

薪に火が燃え移るのを確認したら、今回一番大事な工程に進む。


スーパーのお肉コーナーの、普段は手が出ないお高いお肉。

高級感あふれる牛のステーキを思い浮かべながら……ズボッ!

よっし!想像通りのステーキが生成出来た。


俺の肉への思いに呼応したのか、およそキャンプには持ってこないであろう普通なサイズのフライパンが開放された。

都合がいいので生成。

クッカーしか焼く手段がなかったのに今気づいたぜ。結果オーライ。


浸水の終わったお米を火にかけて放置。

最後の工程。お米の炊けるいい匂いがしてきた頃に、フライパンにサラダ油を広げてステーキに塩コショウを振って焼く。


アルミホイルなんてそもそもないし、もう待ちきれないのでお肉を休ませるなんてことはせず皿にあげちゃう。

炊けたお米もよそって、贅沢ご褒美ご飯の完成!


ナイフすらないので肉に直接かぶりつく。そのままお米をパクリ。

う~ん……おいしい。

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