14.牛丼とトーチ
おゆはんのお時間。
魔法をずっと使ってたおかげでお腹が空いたのでちょっと早め。
魔法に夢中で気づかなかったのか通知がなかったのか、詫びご褒美の他に通常のご褒美が増えてた。
その名も炊飯セット。飯ごうに無洗米、おまけにどっかのWebサイトの印刷と思しきご飯の炊き方の説明の紙まである。
これは…女神様そういう動画見たな?んで俺にやって欲しくてまとめてご褒美に入れてきたな?欲望に忠実。
通知がなかったのはこのせいか。そんなさり気なく入れなくても。
ご飯が具入りのおにぎりしかなかったからうれしいけれど、今日のところはご期待に添えそうにない。
今日は朝から牛丼缶を夕飯にすると決めていたのだ。
お米も入っているらしいので、ご飯を炊く必要はない。
おでん缶は前世でも知ってたけど、牛丼缶は存在すら知らなかったからちょっとワクワク。
非常用でもあるから常温で食べれるらしいものの、流石に湯煎して温めて食べたほうがおいしいでしょ。
ということでクッカーにどん。2つ目もどん。はい加熱。
◇
熱くて持てない缶詰には、斧と一緒に出てきたグローブが使えるということに気づいた。
俺は学ぶ生き物なのだ。すまん斧。お前の相方は貰っていくぞ……
んで牛丼缶のお味。
しょ~~~じき、微妙だった。
全体的にベチャベチャしてるし、お米の食感は逆にプツプツしててなんとも。
保存食らしいしこんなもんなのかもしれない。ワクワクしすぎた俺が悪い。
これ温めてなかったら悪化してたのでは…?
開けちゃったので1個はどうにか食べきった。2個目は……あ、開けてないのでセーフです!
アイテムボックスにそっとおかえりいただいた。良かった先にフタ開けなくて。
ちょっと物足りないので梅おにぎりを取り出したら、新しいものが開放された。
おにぎりをモグ食べながら確認するモグ。
開放されてたのは…お肉。
お肉!?そんな漠然としたカテゴリで指定されても。
出してみたら前世のスーパーで見るようなパックのお肉だった。
豚のロース。前世でよく買ってた奴だ。
値段とかありそうなところに女神様印の透かし入り。
お肉ってカテゴリの名前に違和感を感じて色々試したところ、どうやら念じながら出すことで色々バリエーション豊富に出せるらしい。
豚牛鳥から、ヒレだのモモだの合い挽き肉だの。
無駄にいっぱい出しちゃった。どうしようこれ。
スーパーのお肉コーナーだけ好きに出せるようになった感じ。肉ネットスーパー。
なんかそんなネット小説あったな。俺には放浪も狼を手なづけたりもする予定はない。
当チャンネルはグルメジャンルではありません。
というか、お肉よりいい加減野菜とか果物を開放したい。
現状ピンピンしてるしキュアもあるけど、そのうちビタミン不足で死ぬ。気分的に。
やっぱり野草とか果物とか探しに行ったほうがいいかなぁ。
え?ジャムにレモンリンゴ?やだなあ忘れてるわけじゃありませんよ。
気持ちが前向きじゃないだけで。
◇
さてだんだん暗くなってきたところで、やり残したことが一つある。
今日はまだ焚き火をしてない。
んで、ここで丸太でやりたかったことその2。
スウェーデントーチってとかいう…丸太を直接燃やしてる奴。
動画で一回見てからちょっと憧れてた。
上にそのままヤカンとか置いて使えるの。超エモ。
詳しいことは知らない。きっと切れ込みを入れて火をつければ燃えるはず。多分。
丸太を取り出して焚き火をしてたところにセット。
暗くてよく見えねえ。LEDライトつけちゃう。エモもクソもないとか言わない。
エアカッターを3センチくらいに太くして十字に切れ込みを入れる。
どのくらいの深さがいいんだろう。3分の2くらいでいいかな?
うわすごい木の粉。燃えたら危ないので適当に集めてアイテムボックスに入れた。
見た動画だと切れ込みに着火剤詰め込んでたような気がするので、真似していっぱい着火剤を詰め込む。
入れながら動画では真ん中に一個だったような気がしてきた。ま、まあ多い分には大丈夫だろ。
最後に火をつけた着火剤を入れる。
おおよく燃えとる。着火剤が。
明らかに着火剤が多かったっぽくて着火剤ばっか燃えてる。
しばらく眺めて観察してた。どうやら着火剤は燃え尽きたみたい。
それで丸太本体にもしっかり燃え移って……ちょっと火が強すぎやしませんかね。
トーチっていうくらいだし大きめのロウソクくらいのイメージでいたし、動画でもそんなもんだった。
でも、今俺の前にあるのは小さいキャンプファイヤーだ。天まで焦がせ。
丸太が50センチに対して火が30センチくらい立ち上ってるから、座ってると火が顔にかかるライン。怖い。
とてもお湯沸かして映え〜とかやってる感じじゃない。周りでみんなでマイムマイムな感じだ。
な、なんだろう丸太が大きすぎたかな…?切れ込みの太さ…?それとも着火剤入れ過ぎた……?
ここ数日の焚き火の比にならないくらい大きくて明るい。これならランタン無くても大丈夫なくらい。そしてデカすぎて放射熱が暑い。
お湯を沸かしてアイテムボックスに入れておけば便利じゃねって気づいたから、本当は大きい丸太でお湯をいっぱい沸かしてストックしとこうとか思ってた。
でも、およそクッカーを置けるような火力じゃない。多分取り出す前に全部蒸発する。
なんかもう手もつけられなくてどうしようもないので、燃え盛る炎を見ながら○ァンタを飲む。
うん。遠くから眺めている分にはきれいだ。撮れ高ゲージもMAXを維持。
でも近いと熱いし怖い。
火力が高すぎるせいか既にだんだん丸太の形状が崩壊してきてる。
ほっといたら2時間しないうちに燃え尽きそう。
火を眺めてたら眠くなってきたし、このまま放っといてもうテント入っちゃおうかな。
何度も言うけど良い子はキャンプの時は鎮火してから寝ましょうね。
俺はもう何度もあそこで燃やしてるから……大丈夫でしょ。
寝る準備をしてテントにin。今日のパジャマはふわもこでかわいい上に温かい。夜寒くなるんかな。
そしてテントの入り口をネットにすれば燃える丸太を眺めながら寝れることに気づいた。これはいい。
パチパチ木が燃える音と、揺らめく炎をまぶたの裏に感じながら就寝。
ふわぁ……おやすみなさぃ……




