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感情希薄なモルモットは二重人格者  作者: 識友 希
第3章「王女編」
24/111

第24話「担任教師の学園説明会」

この話から第3章『王女編』開幕です。3章からは色々なキャラクターにスポットが当たっていきます。

3章の始めの方は設定の説明が多いので、設定面に興味が無い方には少し退屈な内容になっているかもしれません。一応、重要な設定はその都度簡単に説明を入れるつもりなので、設定に興味ないって人は設定説明のところは何となくで読んでもらって大丈夫です。ちなみに、今回の話はその設定説明回です。

 前哨戦が終わった翌日の午前9時前、オレは今シュトラールブルーの教室の一番左後ろの席に座り、教室の様子を横目で見ながらチャイムが鳴るのを待っている。


(普段よりも少しだけ教室が騒がしいな。昨日の前哨戦や懇親会の影響か?)


(だろうな)


(周りが学園に馴染んでくると、浮いている奴が余計に目立つようになるな)


(それは嫌味のつもりか?)


(そう怒るなって。客観的に見てそう思っただけだ。リダンだって別に気にしてるわけじゃないだろ?)


(...まあそうだがな)


(ところで、今日からこの二重人格について調べていくってことでいいのか?)


(ああ、それでいい)


(じゃあ放課後はさっそく図書館に行ってみるか)


 今日の方針が決まったところでチャイムが鳴り、教室の前の扉からミールが姿を見せる。


「はーい、みんなおはよー。昨日の懇親会はみんな楽しめたかな?さて、早速だけど今日の予定を説明するね。今日は最初に、これから30分くらいで月末の特別演習や学園の施設や魔道具に関する説明をするよ。その後は、ずっとペーパーテストだね。午前中の残りの時間を使って、12時までは国語や算術なんかの基礎学力に関するテスト、歴史に関するテスト、大陸の地理や文化に関するテストをするよ。それから12時から13時まで1時間の休憩を挟んで、午後からはマナに関するテストをするからね。このテストは成績には関係なくて、みんなの現状の学力や知識を確認するためのテストだから気楽にやっていいよ」


 テストか。少し面倒な気もするが、歴史に関するテストや、地理に関するテストは、ここ1週間くらいで勉強した内容を確認するのに丁度いいな。


「じゃあまずは月末の特別演習に関する説明からするね。まずは特別演習に関して色々と書いてある資料を配るね」


 そう言ってミールは資料を配り始めた。オレの下にも前の席から資料が渡される。資料の1番上には『4月特別演習:クラス対抗模擬戦』と書かれていた。


「前にも少しだけ説明したけど、今月の特別演習は3クラス三つ巴の模擬戦をしてもらうよ。各クラス5人の代表者を出してもらって、実際の戦場を想定したフィールドで戦うってところまでは話したよね。この実際の戦場を想定したフィールドっていうのは、実際にどこかに行って戦うんじゃなくて、学園にある施設で仮想のフィールドを作ってそこで戦ってもらうことになるよ。ちなみにこの施設っていうのは、学園の1番奥にある1番大きな建物のことだね。みんなも一回は見たことがあるんじゃないかな。あの施設は仮想訓練場っていうんだけど、あの大きな空間に、魔道具によって色々な地形を再現することができるんだよね。今回の特別演習で再現する地形は森。とは言ってもただの森じゃないよ。背の高い木がたくさん生えているのはもちろん、基本的に複雑で歩きにくい地形になっていたり、崖なんかも結構あって高低差も激しい地形になる予定だよ。それから、ルールについてだけど、基本的には昨日の前哨戦と似たようなものになるよ。2クラスが全滅するまで戦って、1番強かったクラスの勝ち。どんな風に戦っても、どんな作戦を立てても自由。色んな場所で1対1で戦ってもいいし、複数人で一人を囲むのも自由だね。ただし、2つだけ違う点があるんだよね。まず1つ目の違いなんだけど、なんと今回は魔道具の持ち込みができるんだ。学園からいくつか貸し出すから、それを自由に選んでもらって使うことができるよ。そして2つ目の違いは、生き残るだけじゃあ勝てないってこと。今回は三つ巴だから、生き残るだけなら逃げた方が有利になっちゃうよね?だから、今回はポイント制での戦いになるよ。ポイントを手に入れる方法は相手を倒すことと最後まで生き残ること。相手を倒すと1点、最後まで生き残ったクラスは残った人数一人につき1点が貰えるんだ。ちなみに減点されることはないよ。...さて、一気に色々と説明したけど、ここまでで何か質問はあるかな?」


 ミールがいつも通り、一区切りしたところで質問を投げかける。それに対してすかさずジークが手を上げた。


「ミール先生。ルールやフィールドについてはある程度理解できました。ですが、地形の具体的な形状や魔道具についての詳細が分からないと、作戦を立てるのが難しいと思うのですが、その辺りを知ることはできるのでしょうか?」


「いい質問だね、ジーク君。それについてはこれから説明するよ。まず、フィールドに関してはさっき渡した資料の1番後ろに地図と一緒に詳細が載ってるからそれが参考になるはずだよ。とは言ってもそれだけじゃあ地形を全部イメージするのは難しいと思うから、特別演習の3日前から各クラス1日だけフィールドを自由に調査する時間が与えられることになってるよ。だから、資料で作戦をいくつか立てておいて、フィールドを実際に調査する際にその作戦が使えるのかどうか確認することになるね。次に魔道具に関してだけど、各代表者は1つまで、各属性の第3位までの魔法が使える魔道具を借りることができるよ。魔道具に関しては詳細が資料に書いてあるから読んでおいてね。質問の答えはこれで大丈夫かな?」


「はい、よくわかりました。ありがとうございます」


「他に質問はあるかな?」


「ではもう1つよろしいでしょうか?」


「いいよいいよー。どんどん聞いてね」


「今回の特別演習は成績にはどのように影響するのでしょうか?」


「えーっと、それはねー、教えてあげたいんだけど、成績の付け方については教えてあげられないんだ、ごめんね?」


「いえ、僕も無理なことを聞いてすみませんでした」


「ううん、気になることはどんどん質問してね。まあでも、どんな風に成績が付けられるにしろ、全力で勝ちに行くことに集中すればいいと思うよ。毎月の特別演習で勝つことは卒業試験で勝つことにも繋がるからね。これもこの後説明する予定だったんだけど、実は特別演習での勝利数に応じて卒業試験で有利になるからね」


 なるほど。正直、特別演習で頑張ったところで最優秀者を目指す者意外にはあまり意味がないのではないかと思っていたが、そんな仕組みになっていたのか。まあオレにはあまり関係のない話かもしれないが。

 それにしても、中々に複雑なルールだな。色々な作戦が考えられそうだ。一応ざっくりとは理解したつもりだが、完全に攻略するには骨が折れるだろう。作戦次第だが、裏をかかれればリダンでも負けることがあるかもしれない。


「それじゃあ、他に質問はあるかな?...。ないみたいだから、特別演習に関しての話はここまでにするね。後でしっかりと資料を読んでおいてね。色々と複雑だから後から質問に来てくれても全然オッケーだよ」


 ミールは特別演習に関する話を打ち切った。そして一呼吸おいてから次の話を始める。


「じゃあ次は、学園の施設についてだね。今までみんなは昨日の前哨戦に集中してもらうために、前哨戦の準備をする訓練場と、日用品や食べ物を買うためのショッピングモール以外の施設は使えなかったんだけど、今日からは学園の施設を色々と利用できるようになるよ。使えるようになる施設はたくさんあるけど、良く使いそうな施設を3つだけ紹介するね。まずは食堂。名前からわかると思うけど、ご飯が食べられるよ。利用できる時間は平日の12時から13時のお昼休憩と、18時から20時の放課後だね。次に図書館。ここには教科書や参考書はもちろん、研究論文なんかも置いてあって色々と勉強できると思うよ。ちなみに、学問に関係するものだけじゃなくて、娯楽用の小説なんかもあるからそれ目当てで行ってみるのもいいかもね。ここは毎日7時から22時まで開いてるよ。そして最後に紹介するのは研究棟。ここではマナに関する色々な研究をやってるんだ。生徒でも参加できる研究もたくさんあるから興味があったら行ってみるとすごく楽しいと思うよ。個人的には、一度でもいいからここには絶対行ってみてほしいな。ちなみに、私も普段はここで魔道具に関する研究をしてるから、来てくれたら色々教えてあげるからね。それ以外にもいくつか娯楽施設なんかが使えるようになるから、知りたい人はこの前渡した資料で確認しておいてね。ここまでで何か質問はあるかな?」


 今回は誰からも手は挙がらなかった。それを確認してミールは話を続ける。


「それじゃあ次の話に移るね。最後に説明するのは、学園で使えるこの魔道具について」


 そう言いながらミールは輪っか状の物体を取り出してオレ達に見せる。どうやら指輪型の魔道具のようだ。似たようなものならいくつか思い当たるが、完全に一致するものはオレの記憶にはないな。


「この魔道具は『ポータブル』という名前の魔道具で、なんと遠くの人と会話ができる魔道具なんだ。最近完成したんだけど、試験運用もかねて今年からみんなに使ってもらうことになったんだよね。とりあえずみんなに配るね」


 ミールは全員分のポータブルという魔道具を取り出し、配り始める。


「ポータブルにお互いのマナを登録しておくと、その人に遠くから連絡することができるんだ。まずは、ポータブルの持ち主を登録するために、左右どっちかの人差し指、中指、薬指のどれかにはめてからマナを流してみてくれるかな」


 ミールに言われた通りに、クラスメイト達はポータブルを指にはめてマナを流し始める。オレもその流れに乗り、右手の薬指にはめて登録を済ませた。すると、指輪が2秒ほど光り、少しだけ緩かった指輪が自分の指のサイズになった。


「指輪が光ってサイズが変わったら登録は完了だよ。これでみんな、それぞれのポータブルの持ち主として登録できたね。次に、連絡したい相手のマナを登録するよ。試しに、私とジーク君でやってみようか。いいかな、ジーク君?」


「はい、大丈夫です」


「それじゃあ、私はジーク君のポータブルにマナを流すから、ジーク君は私のポータブルにマナを流してね」


 ミールとジークがお互いにマナを流し合うと、再び二人の指輪が2秒ほど光った。


「これで登録は完了だね。これで、私とジーク君は学園内くらいの距離ならどこでも会話ができるようになったよ。試しにやってみよっか。ジーク君、ポータブルにマナを流してみてくれるかな?」


 ジークがマナを流すと、指輪がまた光り出し、闘技場にあった魔道具のように、指輪からマナで作られた画面が表示された。


「今、ジーク君のポータブルから画面が出てきたよね。そこにNo1って書いてあると思うんだけど、それがさっき登録した私のポータブルだよ。それをマナを操作して選択してみてくれるかな?」


 ジークが言われるままに画面を触ると、トゥルルルという音と共にミールのポータブルが光り出す。


「これでジーク君のポータブルから私のポータブルに連絡ができたね。後は私がポータブルにマナを流せば会話ができるよ。実際にやってみよっか」


 そう言うとミールは教室から出て行った。そしてその数秒後、ジークの方からミールの声が聞こえてきた。


『ジーク君、聞こえてるかな?』


「はい、聞こえています。本当に遠くからでも会話できるなんて驚きました。すごいですね、この魔道具」


『えへへ、そうかな。実はこの魔道具、私も開発に関わってるんだよね。上手くいってよかったー』


「へぇそうなんですね。こんなに素晴らしい物が作れるなんて、尊敬します」


『うん、ありがとー。それじゃあ通信を切るね。もう一度ポータブルにマナを数秒間流せば切れるよ』


 それから数秒して、ジークのポータブルの光が消え、ミールが教室に戻ってきた。


「まあこんな感じかな。使い方は大体わかったよね?まだわからない人がいたらもう一度説明するけど、わからない人はいるかな?」


 ミールが数秒待ち教室を見回すが、手を挙げる者はいない。


「じゃあ、ポータブルに関する説明は以上だよ。学内であれば、誰のマナを登録してもいいから、自由に使ってね。それじゃあ最後に、全員私との登録をしておこっか」


 ミールは一人ずつと登録を済ませていく。そして最後の一人、オレの前まで来て指輪を前に差し出した。


「じゃあ最後にリダン君。マナを流してくれるかな?」


 オレは特に拒否することもなく、ミールのポータブルにマナを流し、自身のポータブルをミールの前に差し出す。


「おっけー、これで全員分登録完了だね。何か用事があるときはいつでも連絡していいよ。私からも連絡事項があるときはかけるからよろしくね。それと、さっきはNo1って登録されてたけど、登録名は自由に変更できるから、自分が使いやすいようにしてね。詳しいことはこの説明書に書いてあるから」


 そう言ってミールは両面印刷1枚のプリントを全員に配る。そこには今ミールが説明していた内容が大体書いてあった。


「それじゃあ連絡事項はこれで終わり。これからテストの時間だよ」


 それからミールは最初のテスト用紙を配り始めた。現在の時刻は9時半前。ほとんど時間ぴったりだな。


「それじゃあまずは基礎学力に関するテストだよ。制限時間は30分。じゃあ始め!」


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