書評「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」」
というか上の続編めいたサムシングなので、これhttps://ncode.syosetu.com/n2329ho/か作者ページから書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」を読んでからの方が楽しめると思います。
「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」」とはカツオドリ氏による実在しない書籍に対する書評、及びその書籍に対するユーザー評価を描こうとする試みです。
実在しない書籍に対する書評を描こうという試みは古くから存在し、この行為をもっとも有名たらしめたレムの傑著「完全な真空」を初めとし、さらにさかのぼってはラブレーですらもそれの創始者とは言えないのです。
しかし、今回の試みの面白い点はエイプリルフールのために書かれたこともあり、その文章中に出てくるあらゆる固有名詞が実在のあらゆる単語と関連性を持っていない点です。
すなわち、4月バカのための一切の真実を失くした一編という事なのでしょう。
カツオドリ氏がいったい何のためにこのような作品を作りだしたのか、想像するよりほかにありませんが、ある種の悪ふざけ、あるいはエイプリルフールの潮流に乗っかってみたかっただけのようにも感じます。
なぜなら、今回の作品は短編のみのカツオドリ氏の作品群の中でも顕著に短く、またその作品のギミックに関しても既出の作品たちとそう大きく変わることないものなのですから、実に突発的な思い付きで書き始め時間に追われながら仕上げたであろうことは想像に難くありません。
さらに彼は「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」に対する書評によってこのエイプリルフールの企画を完成としようと言うのでしょうが、彼の書評を読んだ人間のいったいどれだけの人がこのうつろいやすいインターネット時代に24時間もの間を開けて、予告もない続編を読んでくれるのでしょうか。
そういった意味では彼の試みは既に半分ほど失敗しているようなものですが、それでも彼は書いてくれるでしょう。彼自身にとって作品が完成していない以上、ある程度の義務感を彼は抱いてくれているだろうことを私は期待しています。
最後に、「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」」をある程度気に入った方にはスタニスワフ・レムによる「完全な真空」をおすすめしておきます。
「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」」のギミックを、当然ではありますがさらなる精度で作品へと昇華させています。
「書評「アルノス第三公国内紛史~その裏側~」」を気に入った方であればレムによる「完全な真空」も大いに気にいることでしょう。
という嘘だったのさ!