婚約破棄の為、次期王妃の役割を放棄しました
試しにもう一度書いてみました。
前作とは少し長くなっています。
楽しんで見て行ってくれると嬉しいです。
私は知っている。
ここが乙女ゲームの世界で私が悪役令嬢だと言うことを。
私は、セシリア・マッデイ公爵令嬢。
私の運命は乙女ゲームによって決まっているのです。
どのルートでも、私はハッピーエンドならば身分剥奪の国外追放先で暗殺者に襲われ死亡。
バッドエンドならば断頭台で処刑と言うどちらでも死ぬ最悪なエンド。
本当は今すぐにでも焦って逃げ出したい所だ。
だが、私は冷静になるのだ。
それならば、破滅する前に婚約破棄して私の婚約者であり攻略対象で私が殺される元凶となる相手と婚約破棄をすれば良いこと!
と、思って行動したこと……まず、私が辛辣な言葉を吐く。
因みに返ってきたのは『これから鋭意努力しますね』
と言う爽やかな裏のある笑みが帰ってきた。
じゃあ、他の身分の低い令嬢を虐めるフリをして証拠を残さない作戦を実行。
返ってきたのは、その令嬢に溶け込んで真実を引き出されて、結果失敗。
そのときの顔はとても皮肉げだった。
じゃあ!虐められている身分の低い令息、令嬢を退学させ別のところに強制入学させたところ、その人たちに感謝され、結果的に婚約者にもバレて失敗と来た。
だったら、本気で虐めろよっていうのは無しでしょう?
そんなことが出来るわけがないでしょう!
私は破滅をしたくないのに自分から破滅なんてもっての他!!
何なのよ!私の婚約者(攻略対象)は腹黒で!毒舌で!皮肉屋で!何でも出来る!私のなかで、最低最悪の婚約者!!
何で?わたしをそんなに破滅させたいの??は?は?
許せぬ!!万死に値する!誰をって話だけどさ!!
だから、私は決めたの。
わたしだって、国の王子の婚約者なのよ?
次期王妃の役割だってあるの。
だからこそ、私は決めたの。決心したの!!!!
次期王妃の役割を放棄してやる!って!!
そうすれば、次期王妃には向かないし、足手まといだと思われ、婚約破棄!!きっとそうよ!そう!!
「やあ、おはよう。セシリア」後ろから声をかけてきたのは私の婚約者、そして、攻略対象のリアム・イライジャ。
腹黒で、毒舌で、皮肉屋で、天才肌で!と言う奴。
「………セシリア……何か変な事、考えてるでしょ」
「えっ」この人エスパー?攻略対象だから私の考えてること察せるの?え?怖っ!
「その様子だと図星のようだね」ニッコリと微笑む彼は不気味だ。
「でも、」
私の耳元で囁くように言った。
「くれぐれも、変なことはしないでね?」
その声は、どこか不自然だった。
次期王妃の役割は大きく言って二つ。
一つが王妃の役割の手伝い。つまり雑用。
二つが妃教育。
どちらも将来の王妃になる為に大切な物だ。
でも、私は王妃になる気は全く無い。
だから、その答えに私は
「善処いたします」偽物めいた笑みを作る。
私のその顔に彼は、少し困った顔をした。
その後は、微笑んで言った。
「じゃあ、僕が君の作戦を阻止しよう」
△▲△▲△
「最近、次期王妃の役割を放棄していると聞いているんだけど、知っているよね?セシリア」
ある日、彼は言った。
「だから、何なんですの?」きっと、気分を害して婚約破棄に至るでしょう?それに、この反省の色の無い声。
物凄く気分を害するわ。
「いやぁ、おふざけも大概にしてね。そんなことしても婚約破棄はしないから」綺麗に一蹴。
さらに
「まあ、そんなにも次期王妃の役割を放棄したいのなら、やらなくて良いからね」ダメでしょ!国の王子とあろう者が!
納得するな!皮肉か!!
だからその笑みやめて!皮肉なの?皮肉?私泣くよ??ねぇ?
「…まあ、一国の王子がそんなことを言うだなんて」
「放棄した君に言ってあげたいよ」
「……だから何なんですの?」
「これでもう、君のおてんばは無くなるだろう?」
「………おてんばなんてそんな……私はそんな野暮ではありませんわ。悪女ですの」
「悪女か。なら、僕は君の味方になってあげよう」
………なんかこう………嫌になってきましたよ
と言うか君。私の計画知ってるの??
ねえ。君やっぱりエスパー??え?何か、良いや
もう。やけくそだ!!
「婚約破棄してください!!!!!!!!」
「断る」即答でした。
完・全・敗・北
いぃやぁぁぁぁぁぉぁぁ!!!!
誰でも良いから彼に勝つ方法を誰か教えてください………
破滅確定以外の方法で。
最後まで見て頂いてありがとうございました。