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レベルMAX錬金術師がゲームと少し違う異世界に転移したけど、下町で冴えない薬屋をやってたら訳あり少女を拾ってしまって  作者: 御手々ぽんた
第二章

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紫陽花を愛でる晩餉の集い

 錬金術で一通りのものを作り終え、片付けをしていると、扉がノックされる。


 リリムが帰ってきたかなと開けると、宿の女主人が立っていた。

 変な顔をしている。

 こちらを警戒しているのか、他に心配事があるのか、そんな、あやふやな表情だ。


 手に持った封筒を渡してくる。


「お客さん、これ、この街の裏カルテル経由で届いているよ。あんた何者だね。」


 何者と言われても困るので、無言で手紙だけ受けとる。


 その様子を不安げに見ていた宿の女主人だが、結局何もそれ以上は言わずに去っていく。


 部屋に戻って手紙の外側を検分する。


 蝋で封がされて紋章の印が押されている。初めて見た。


 それ以外に宛名も差出人も書かれていない。


 開けるか迷っているとリリムが帰ってきた。


「ただいまー。面白い情報はいくつかあったけど、手掛かりはなかったー」


 酒臭い。


 私は微妙に距離を取る。


 手の中の手紙を眺めながら、リリムに生返事を返していると、ひょいっと手紙を奪われる。


「あっ、」


 そのままビリビリ破り出すリリム。


「勝手に開けるなよ」


 思わず文句を言うが、リリムはどこ服風で手紙を読み始める。


 これだから酔っぱらいは・・・。

 取り返そうと手を伸ばすが、そのまま手を頭の上まで上げて、仰ぎ見ながら読み続けるリリム。


 と、届かない、だと。


 いや、リリムの方が背が高いのは知っていたけどさ。


 実力行使するのも大人げないので、諦める。


「リリム、読み終わったら返せよ。」


「読み終わった。食事会の誘いだな。貴族からの。」


 そう言いながら手紙を渡してくるリリム。


 ざっと流し読みをすると、確かに三日後の『紫陽花を愛でる晩餉の集い』と言う、食事会のお誘いらしい。最後に差出人らしき貴族の名前があるが、当然知らない名前だ。


「その貴族は軍閥系のかなり上位のやつだぞ。なんでそんなのから手紙を貰っているんだ、カルドは。」


「なんでだろうな。今回の一連の騒動の仕掛人が自信満々で挑発してきているとか?」


「居場所まで知られているってことは、そいつの手のひらの上で転がされているんじゃないか、俺たち。」


「それは否めないが。」


 その時、ロイが戻ってきた。

 どうやら収穫は無いらしい。

 しょぼんとした雰囲気のロイをこっそり慰めておく。


「そういや、リリム。面白い情報って?」


「ああ、英雄様が戦線から戻ってきてるらしいぞ。何でも三日後には王都の晩餐会に出席するんだと。普段は駐屯地にいて王都の中にはなかなかいらっしゃらないから、ファンが一目見ようと騒いでた。」


「ふーん。ミーハーなのはどこにでもいるんだな。」


「ミーハーってなんだ。」


「いや、何でもない。この『紫陽花を愛でる晩餉の集い』とやら、出るしかないな。他に手掛かりがない。」


「そうか。じゃあエスコートされてやるから、ドレスはよろしくな。」


「エスコート?ドレス?」


「貴族の食事会なら当然晩餐会になるぞ。ドレスもエスコート相手も必須に決まってるじゃないか。カルドも正装しなけりゃ舐められるぜ。」


「・・・服がない」


「三日もあれば金積めば何とかなるさ。おすすめの店、あるから行こうぜ。」


 そういうとリリムはなぜか楽しそうに私の腕を引っ張る。

 そのまま強引に引きずられ、服屋に行くこととなってしまった。


 やれやれ。

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