戦の兆し
「魔王様、勇者らがF8まで接近しています。ご準備を」
...行くか。 俺はそうつぶやくとお気に入りの紅色に骸骨のマークの付いたマントを背負い重い足取りで
F8の最奥部へ向かった。
4553年、世の中は三つの勢力に分かれていた
一つは今俺らと対立している人間界、二つ目は俺らが暮らしている魔界
そして三つ目は魔界とも人間界とも独立している神界。
神界のことは知らんが俺ら魔界はなぜか人間界と対立しており毎日のように
魔界の王こと俺「イモータルサタン」の所に勇者やら軍やらがバンバンやってくるため俺は日夜敵を倒し
まくってたため無駄に強くなってしまい敵と戦うのがほぼ作業と化してしまった。
無駄にデカい俺の部屋の扉の向こうから敵の足音が聞こえてくる。
「そろそろか...なんであいつら襲ってくんだよ俺らなんかしたっけ。」
「先代の行いでしょうか..あの方は喧嘩っ早いので」
と俺の長年の側近「ビトレイ」俺の先代の接近も務めていた。
「喧嘩っ早いってだけでほぼ毎日殺しに来るような恨みを買うかよ..」
なんて他愛のない会話をしていると準備ができたらしい勇者たちが入ってきた。
刹那、煌々と光る黄金の剣が俺の首元に迫っていた
早いな、俺はとっさに相手のがら空きの腹を思いっきり蹴っ飛ばし
無理やり距離を取った。
「堂々と決め台詞言ってる間にぶっ飛ばされることを学習したか勇者様」
「いつまでそんな余裕でいられますかねぇ魔王様」
と生意気なセリフでかっこつけている勇者「秘榮」
くっきりとした黒い目に茶髪といういかにも好青年という印象を与える俺を殺しに来る常連の一人でまぁまぁ強いやつだ。
まぁ負けないが最近手ごたえがある相手がいなくて鈍っていた体を慣らし俺は戦闘態勢に入った。