表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

第一話

 高校生活一週間目、俺の通っている高校では必ず何処かの部に入る事が校則で決まられてた。

 まぁ決まられているからと言って守る奴と守らない奴が居るのは何処の学校でも同じだろう、俺はどちらかと言えば後者であったが幽霊部員でも良いから何処かに入れと教師が五月蝿い。

 溜息を付きつつ校舎の窓から外を見ると髪の長い女性とショートカットの女性が長い棒を持って校庭へと歩いていくのか見えた。


「なんだあれ……」


 校庭ではなおも続く作業、男子数人が別の場所から大きなマットを運んでおり先ほどの女子達と協力すると走り高跳びの準備が出来ていた。男子が笛を吹くと髪をなびかせた女性が背面飛びをする、記録係りだろう女子が上を向くと俺と目があった気がした。


 ポケットから校則違反である携帯電話を取り出すと一つのアプリケーションを指でタップする。直ぐにクラスのSNSの一つであるTwinsついんずへと繋がった。匿名で自由に話せる作れる会議室みたいな物である。部屋の大きさは二人から最大六十四人までと広げ放題だし複数持つことも可能とあって今では大人気のアプリケーションである。

 人数は匿名と言っても、それぞれにニックネームはあるので余り過激な発言は出来ないし、勿論する予定もないのだが、すぐさまコメントを打ち込む。最近では会話の変わりにスタンプと言って様々な絵で会話する方法も流行ったりしていた。


 『校庭でやってるのって陸上部の高飛び?』

 直ぐに暇な奴が返信をしたのが画面に文字が浮んできた。

 【そうそう、高飛びは陸上部だね、人数少ないのに良くやるよ】

 【先輩ハァハァ】アニメキャラがパンツを持っているスタンプ。

 【良くやるって何で上からなんですかねー】雷様のスタンプ

 【ちょっと変態が居るんですけどーブロックするわよ】

 【ご、ごめん】可愛らしいウサギが指を立てて謝るスタンプ。


 いくつかの文字を読み既読にすると、

 『サンキュー』と大仏が手を合わせるスタンプを添えてアプリの終了ボタンを落す。

 俺が携帯を鞄にしまうと人影が横に立つ。


「よう、ナツっ帰ろうぜ」


 俺に声をかけて来るのは友人である草薙誠くさなぎまことであった、俺と同じ楽そうで幽霊部員でもOKな場所を探している奴である。


「わりい、俺陸上部に入るわっ正確にいえば高飛び?」

「はっ?」

「おいおい。いくら部活が決まらないからって二宮ナツ(にのみや)陸上部はあかんぞ陸上部は、ナツ体育できたっけ」

「そこそこだ大中小の小の上辺り」


 言っていて情けないが運動は人並み以下である。でも俺はかけて見たいと思った。別に思い付きで言ったわけでは……思い付きか、でも高飛びはそんなに走る事も無さそうだし尚且つ――。俺の思考を遮って草薙が話かけてくる。


「あっ、もしかしてさっきのTwinsお前も見てた? 先輩綺麗だもんなぁ、あの飛んだ時の揺れる胸、曲線さらには生足。綺麗だよな」

「いや、俺は別に先輩とかじゃなくて……お前その内クラスのTwinsブロックされるぞ」

「おっと……」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ