俺、君が去った後のプロローグ
俺が輪廻と別れてから、早一年が経とうとしていた。
その間にあったことといえば、いつもの面子で勉強会()をやったり、熊谷から砂糖と塩を違えた砂糖入りチョコレートをもらったり(あれ?間違えてなくないか?)。
とまぁいつも通りだった。
あ、でも姫ヶ岳は親の都合で転校したんだった。
しか、彼女のことだし神崎のことは諦めてないだろうな。
いつも通りがいつも通りすぎて、俺は逆に違和感を感じてしまう。
地球というやつはどうも残酷で、そんなことを気にせず回り続ける。
――――。
その日は何気ないいつもの朝だった。
春休みが終わるという憂鬱と疲労感が俺の足取りを重くしていたがそれは些細な話。
天気は若干曇っていて少し肌寒かったので、街行く人の中には冬用のコートを着ている人がちらほら見られた。
ここまではごくありふれた、一般的で平和的な日常だ。退屈で変化もない日常。
別に不満もなかったし、むしろ俺は暴力的なことが嫌いだったので変化なんて求めていなかった。
そんな俺の目の前に彼女は現れた。
電柱に寄りそって何かから隠れて見ている厚手のコートを着た黒髪の少女がそこにはいた。
一年前に見たのとまったく同じ情景だ。
鳥肌が止まらなかった。
夢かと思って爪の先端でつねってみた。
思った以上に爪が食い込んでものすごく痛い。
夢じゃない。それが確信に変わった時、俺は彼女の方へ歩き始めていた。
もう一度、あの日の続きを。
黒髪が揺れて周りをキョロキョロ見回す彼女の顔を俺は知っていて。
名前を知っていて。
そんあ彼女の頭の上にポンと手を置いた。
彼女が気づき、振り返る。
しかし、まいったな。
このヤンデレ幽霊は。
「先輩が好きすぎて戻ってきちゃいました。春日井 輪廻です」
どうやっても成仏できそうにない。
【ヤンデレ幽霊は成仏できない!?】END




