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ヤンデレ幽霊は成仏できない!?  作者: 枯山水産
第六章 全ては始まりの場所へ
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私のち俺、秘密を知って秘密を作って

「……じれったいですね」

呑気に中庭で駄弁る北川先輩に私は憤っていた。

ずっと遠間から見てましたが、そこまでいくと、鈍感を通りこしてバカですね。

周囲の恋愛事情にも疎い分、神崎先輩以上かもしれません。

「……よし」

やはり多少強引でも、私から動くしかないか。

幸いにも他に人はいないし、生きていた頃同様の動きができるかわかりませんが…。


中庭に向かう通路の死角で私は息を潜めた。

気づかれる前に、且つ、私の脚の届く範囲。

足音のカウントあと4歩。

一……ニ……三……四……。

今っ!

私は首の鎖をグッと引っ張った。標的が前のめりになってよろける。

(少し……遠い……!)

跳躍力だけではなく、引っ張った反動も利用して、彼の後頭部に膝をお見舞いした。

「が……な……」

その後、標的、北川真人は意識を失った。


「……成功ですね」

ピクリとも動かなくなった先輩を見て私は安堵の息を溢す。

あ、もちろん死んでませんよ。私なりの峰打ちです。

「幽霊になってこうゆう荒業はやってこなかったので、出来るか不安でしたが……」

「………」

完全にキマったようですね。

体を起き上がらせて、背中を合わせる。目を閉じる。

「大丈夫。私は平常心を保ってる」

その独り言は私の声じゃなかった。


頭が痛いがそんな悠長なことも言ってられないと先輩(私)は立ち上がった。

(早く…秋ちゃんのところに行こう…)

どうして自分がここまで本気なのか。それはあえて触れずに一歩を踏み込んだ、が。

「き~た~が~わ~!」

「!!!」

春日井 輪廻史上、最も強靭な壁。神崎創始が現れた!

「あ、あーカンザキサンジャ、アリマセンカー」

「?どうした?そんな急によそよそしくなって」

私も自分自身でさっきの演技はどうかと思いました。

「それよりよー!今の子ってあれだろ?修学旅行のとき言ってた子だろ?」

肩を組まれて問い詰められる。

ひゃー!ひゃー!ちかいちかい顔が近いー!というか修学旅行?あの時にはまだ秋ちゃんと会ってなかった気が……。

「な、なんの話?」

私が質問を質問で返すと神崎先輩は嬉々として答えた。

「とぼけんなよー!あの後輩だろ?お前の好きな子!」


……………………。

「ん?どうかしたか、北川?」

「い、いや……」

秋ちゃんと北川先輩は相思相愛だった……?

……いや、私にとっては素晴らしい吉報じゃないか。

つまりは私が仲を取り持たずとも良いってこと……。

なのに……なのに何で。

その答えがこんなに遅かったのか。

どうして。

その感情は殺したはずなのに、こんなにも。

私は傷ついているのだろうか。

「名前は確か……そう!そう!」

変わらず神崎先輩は続けていた。私はそれを半分以下の意識で聞いていた。

だからこそ、聞き直すことになる。

「―――――」

「……え?」

それは神崎先輩に一度は言って欲しかった単語で、ただこの場には似つかわない言葉だった。

俺は放課後の教室で目が覚めた。

「………」

昼休みからまったく記憶がないのだが気のせいか?

なんか輪廻もいないし。

「あ、そうだ」

帰る準備をしておれはすぐさま、一年教室に向かった。


「熊谷、いるかー?」

「あ、せ、先輩…」

教室には数名の生徒が残っていて、熊谷秋奈もそこにいた。

「ど、ど、どうしたんですか?教室まできて……」

「実はな……熊谷に聞きたいことがあるんだ」

「な、なな、何でございましょうか?」

俺はその事をできれば輪廻の知られないように聞いておきたかった。

だからこそ、早口で、しかし熊谷を不快にさせないように枕詞の後、尋ねた。

「先に言っとくが、嫌だったら答えなくていいからな。イラッときたらグーで殴っていいからな。」

「わ、私はそんなことしませんよ。えっと、その、ぜ、絶対に」

「そうか。……なら単刀直入に言うぞ」

「は、はい」

「――――――――って何処にあるか知ってるか?」


猛暑の今日は夕暮れ時でも明るかった。

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