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ヤンデレ幽霊は成仏できない!?  作者: 枯山水産
第六章 全ては始まりの場所へ
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俺、後輩の成長に感激する

神崎と熊谷を会わせるのは少々デメリットが大きいと思っていた。

恥ずかしがり屋の熊谷は何度も会うことで、ようやくこの飯仲間に俺を入れてくれた。

そんな中、初めて会う神崎を警戒してしまうのではないのか、と。

しかし、それは杞憂でしかなかった。


「へ~俺と同じ、第2中か~社会の山崎ってわかる?」

「え、えっと、あのしゃべり方の特徴的な…」

「そーそー!俺らの時、あの人が担任で…」

熊谷は俺の想像以上のフレンドリーさで神崎と思い出話に話を咲かせていた。

人見知りや恥ずかしがり屋なところが少し治ったということか。

食わえた米は感涙の味がした。つまり、塩だ。

最近はタッパーに敷き詰められていて、端に申し訳程度のたくわんがついたオリジナル弁当と貸している。

正直………もっとおかずに自由度をください…。

「たくわん、も~らいっ!」

「あ、お前っ!」

俺の唯一のおかずは神崎の口の中へ消えていった。

「お、お前…俺のたくわんを…」

「いいじゃねぇか、減るもんじゃねぇし」

「減ってるよ!むしろ、無くなってるよ!」

「き、北川先輩。た、たくわん、お好きなんですか?」

俺と神崎の口論を見て、熊谷が尋ねてきた。

「え、あ~。うん。けっこう好きだぞ」

「そ、そうですか……。次はたくわんお弁当にしよう」

んーなんだろう、たくわんお弁当って。すげーこわいなー。

白飯だけになったソレを見つめながら、俺は一つ妙策を思いついた。


「なぁ、神崎。この弁当、この子の手料理なんだけど食う?」

米を手料理と呼ぶのはいささか強引な気もするが、これで罠は張った。

まず、神崎が女子の手料理と聞いて喜ばないわけがない。

かつ、神崎創始はムカつくほどのナチュラルイケメンだ。きっと不味くても「うまい」というだろう。

そうすれば熊谷レストランの開店だ。

題して……「塩ご飯に神崎も巻き込もう作戦」である。

………こうゆうとこも、輪廻から影響されてるのかな。

「それじゃあ、遠慮なくいただくよ」

タッパーに箸が近づき、白米に触れそうになった…その時!

「だ、だ、ダメですー!」

熊谷が割って入ろう、としたが立ち止まって両腕を振り回した。

「えーと……何でだ?」

神崎がそう聞くと、彼女は言葉に迷いつつもこう呟いた。

「そ、それは、き、北川先輩の、と、と、特別なお弁当だから……」

その後、顔が耳まで真っ赤に変色する。

「あー、うん。なるほどな」

何か察したような神崎は俺と肩を組んで後ろを向いた。

「後で聞かせてもらうからな」

「は?何を?」

「大丈夫。わかってるって」

そう言うと背中をバンッと叩き。

「わりぃ。用事思い出したわ。邪魔したな」

とそれだけ残して去っていった。

何か誤解していたようだが…まぁ後でいいか。

「くまが、い!?」

「…………」

彼女の顔を見ると、オーバーヒートを起こしているようだった。

「だ、大丈夫か」

「……だ、だだだ、大丈夫でひゅっ!わ、わわわ私も、こここれでし、失礼しましゅっ!」

神崎に続いて暴走列車熊谷も転びそうになりながらも、見えなくなっていった。


「……………」

神崎はいいとして、俺が特別か……。

はっ!!

電撃が走ったように一つの回答に達した。

熊谷は俺に………依存しているっ!と。

最近何かと一緒にいることが増えたからなぁ。

でも、依存だと根本的な解決にはならない。

どうしたものかな。

(そこまでいくと、鈍感を通り越してバカですね)

そんな声が脳内で聞こえた気がした。


「さて、俺も戻るかな」

あくびを漏らしながら、通路へ向かっていた。

なんら変わらない空気感の昼。

(一……ニ……三……四……)

不穏なカウントが耳元に聞こえる。

ん?何の音だ?

その思考が追い付く前に、俺の首を前に引っ張られた。

「が……な………」

同時に後頭部に痛烈な打撃が俺を襲った。

半目の瞳には制服のスカートが写って。

それ以降の思考が止まった――――。

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