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ヤンデレ幽霊は成仏できない!?  作者: 枯山水産
五章 決意と成仏と夏祭りと
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俺、自分の思いを確信に変えて

「あいつの未練ぐらい俺一人で背負える」

静かな屋台裏。

初めの夜の誓いを実際口にしてみて自分の思いを改めて確信した。


彼女の言葉がフラッシュバックする。

『私は…忘れられても…だいじょーぶだから…』

そんな悲しいことを言うな。

『私もいつか忘れられるのかもしれませんね…』

忘れない。俺は絶対忘れたりしない。だから、一つだけ俺の願いを聞いてくれ。

『よろしくお願いしますね』

初めて会った時の作り笑顔じゃない、お前の笑顔を一度でいいから見てみたいんだ。


姫ヶ岳は一瞬余所見をした後、こちらを向き直した。

表情は数分前と変わらず、むしろ納得したような顔つきだった。

「ま、でしょうねって感じですね~」

実際、納得していた。

「そこまで期待してなかったみたいだな」

「そうですね~思い悩んでいた時点で薄々わかってたのですね~それはそうと~北川君に一言忠告しとくのですね~」

「?」

「幽霊は永く居座ると性格や思考に影響が出てくるのですね~だから~早めの成仏がおすすめですね~」

「…いやに献身的だな」

「さっさとライバルを減らしたい、それだけですね~」

「…なるほどな…」

まさか未練が神崎関連だとは思ってないんだろうな。

「それでは~」

「ああ」

彼女はそう言って祭の灯りに溶けて、人混みへ消えていった。


さて……輪廻探しを再開し

「何でこんなとこにいるんですか、先輩」

背後から急に声がして、背筋が伸びる。

「……ああ、輪廻か。お化けみたいな登場して、脅かすなよ」

「…ギャグで言ってるんですか?」

「ギャグで言ってる。てか、何処いってたんだよ」

「………黄泉ですかね」

「……どうした?調子悪いのか?本当に黄泉に行ってきたのか?」

「ギャグですよ」

ギャグか……。神崎がいないとこうも調子が悪くなるのか。

じゃあ顔についてるセンス無い狐の面もギャグなのだろう。

あ、そういえば。

「熊谷待たせてたんだった。輪廻、急ぐぞ」

「ま、待ってください!」

輪廻に呼び止められる。

「どうした?」

「えー、あー、そのー」

面のせいで表情が読めない。

ただ、今まで歯切れの悪いときはナイーブなってた気がする。

「なんかあったのか?」

「何もないですよ。えー、あ。そうそう、たこ焼き。たこ焼き買ってくださいって言おうとしてたんですよ。そうでした、そうでした」

しらばっくれてる気もしたが。

「まぁそれぐらいなら」

と、いつものように振る舞うことにした。


「今度ははぐれるなよ」

彼女は小さく頷いた。

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