私、佐々木先輩は前より変わった気がします
体育祭の数日後の蒸し暑い日のことでした。
私は昼休みに佐々木先輩から部室へ呼び出しを受けていました。
写真部は他の部活を違う、フリーダムな面が強いので私は久々に部室のドアを開きました。
「…ようやく来たわね」
クーラーのついた部室の中には佐々木先輩が指をプルプルされながらトランプでピラミッドを作っていました。
「えっと、こ、こんに」
「ごめんなさい。ちょっと待ってて…集中してるの…」
「え、あ、は、はい」
…えっと、佐々木先輩ってこんなん人だったけ?あ、もしかしたらツッコミ待ちってヤツなんでしょうか…。
確かに北川先輩なら部屋に入って開始5秒でツッコんでそうです。それで佐々木先輩がピラミッドを崩して北川先輩のせいにするって展開が見えますね。
はっ!もしかしたら、今、私は佐々木先輩にコミュニケーション能力を試されているのでは!?
※違います
そうだとしたらピラミッドが作り終わる前にツッコまないと…。でもでも、タイミングは逃してるし…。もし違ってたりしたら大変だし…。
そうだ!ピラミッドが完成した時にツッコめばいいんだ!
※彼女は天然です
それなら試されていてもツッコミできてます。違っても邪魔にはなりません!
私はタイミングを伺い、そして。
「はぁ~!完成~!やれば出来るものね」
ついにその時が来ました。
私は大きな声で出すために一旦深呼吸をして。
「って何でやね」
そこまでは順調でしたが、前に踏み込んだ足がモップに取られてしまい。
「あ、え、あ!」
バランスを立て直そうとトランプのテーブルに手を掛けました。
すると、テーブルが私の方に傾いて、上からはトランプの前が降り注いだ。
「いたたたたった!……は!」
足元に散らばったトランプを見て我に返りました。
も、もしかして私は取り返しのつかないことをしてしまったのでは!?
えっと、と、とりあえず、佐々木先輩にあやま。
「熊谷さん」
「はひ!?」
佐々木先輩はすたすたと私の方へ歩いてきます。
「ごごご、ごめんなさ」
先輩は私の言葉よりも先に近づいてきて、そのまま…私の手を固く握りました。
「熊谷さん、あなたにツッコミは合わないわ。さっきみたいに自分の武器を精一杯伸ばしなさい」
「えっと、あ、はい」
……。言っていることはあんまりわからなかったけど怒っていないみたいだったので一安心です。
その後二人で一緒に散らばったトランプを集めて、またピラミッドを作りました。




