俺、ボーナスステージは夢だった
修学旅行最終日。
今日は午前中、レジャーランドで遊び、帰る。いわば昨日の山登りのご褒美、ボーナスステージだ。
何より素晴らしいのは今日は班行動しなくていいことだ!
今日はツッコミしなくていい。だから今日はツッコミ記念日。
「北川先輩、もう神崎先輩たち行っちゃいますよ?」
「何で班行動じゃないのに好き好んであいつら一緒にいなきゃけないんだ」
「お~い!北川~!こっちこっち~!」
「俺の行動を強制しようとするヤツが多すぎる!」
こちらに手を振る神崎を背に俺はそのまま歩き出す。
今日はボーナスステージだ。佐々木コンビのボケの応酬も神崎の天然ボケもツッコむ必要がない。
「今日一日中、ぼっちでアトラクション回るんですか?」
「別にぼっちじゃないだろ、お前もいるし」
「でも端から見れば独り言言ってるぼっちですよ。そして、アトラクションを回ってる内に気の優しい女子生徒から『一緒に回らない?』というお情けの言葉をかけられて、どの道馴染むことができずに空気を悪くして、結局、居心地が悪いから抜け出し本格的にぼっちに」
「わかったよ!行けばいいんだろ!行けば!」
何だ、その無駄なリアリティーの高さは。想像してしまっただろうが。
――で結局。
「光ちゃん!見て見てUFO!」
と相変わらずハイテンションのヒカル。
「ジェットコースターならまだしも、どうしてメリーゴーランドがUFOになるのかしら」
と斜め上から飛んできたボケにツッコむ佐々木。
「メリーゴーランドかぁ~十年ぐらい乗ってないなぁ」
と去年と同じ事を言う神崎。
「やけに神崎先輩の方を見る女が多いですね…いっそ全員磔に…」
と不穏な空気を纏ってブツブツ呟く輪廻。
「…はぁ」
割りと色々あった修学旅行だったと思うが結局はここに落ち着くのか…。
俺はただ、遠くにある雲を眺めていた。
【二章 波乱の修学旅行編 END】




