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プロローグ
雨は嫌い。
じめじめしてるし、私の髪は湿気に弱いから。
それに、雨雲のせいで星がよく見えないから。
でも君は「広がった髪も良いんじゃない?」って笑ってくれて、図書館でずっと星の本を二人で見ていたね。
初デートの日も雨だったし、初めてのキスも雨の日だったね。
今思うと君は雨男だったのかな。
そんな君が好き。大好き。
君のおかげで少しだけ雨が好きだと思えるときもあった。
それでも雨は嫌い。
だって思い出しちゃうんだ、
君が事故で死んじゃった日のこと……