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太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第八章『氷の掟』
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第八章『氷の掟』・第一話『国の責・涙す少年の秘密』Part1





「ここは・・・・・・」

 ゆっくりと体を起こしたレイトは、その周囲の状況に顔を青褪めた。

 火山に、クレーターのような穴・・・・・マグマが満ち溢れているその大地・・・・・。

 つまり、ここは。

 火星国・・・・・・?

 逃げられなかったのか・・・・・・・。

 手を動かすと、そこに誰かの手が触れた。

「ひ、姫様!?」

 ワープホールを通ったその衝撃で砂羅からサラに戻り、レイトの横に横たわっていた。

「姫様。姫様、起きて下さい」

 肩を揺らすと、サラが僅かに目を開き、2,3度瞬いてガバッと起き上がった。

「レイト王子!?わ、私は・・・・・・」

 慌ててレイトと距離を取ろうとするサラの表情には、罪悪感が浮かんでいた。

 それに気付きながらも、レイトは見なかったことのように受け流す。






「お前らだけか・・・・・・・丁度いい」

 声に重なるようにパチンという音が響き、いきなり地面が盛り上がってきて、そのまま空中庭園のような場所まで上って行く。

 その時の揺れで立ち上がっていたサラがバランスを崩したのを、レイトがそっと支える。

 だんだんその場所に近付くにつれ、小さく誰かが見えた。

 豆粒サイズに見える状態で、レイトにはそれが誰か完全に把握した。

 何故そこに行かなければならないのか分からなかったのだが、その人は少なくともいきなり攻撃を仕掛ける気はないらしい。

 その点は少しレイトを安心させた。

 正々堂々が似合わない人だから・・・・・・。

 サラの目にもその人が誰か捉えられて、サラは「お兄様!?」と声を上げた。

「お前らに・・・・・・話があってな。俺は、冥王星王から別個に命令は受けているが・・・太陽大命神には基本興味がない。用があるのはオマエだけだ、レイト」

「またレイトに・・・。お兄様っ・・・」

 声が震えているサラの隣でレイトが、

「僕に用、ですか・・・?一体何が・・・?まさか、あの時去られたのは・・・・・こうなることを知っていていての行動だったのですか!?」と問うた。

「知っていたも何も、こうなるように仕向けたのは俺だ。ディライテと戦わせるように見せて、何らかの方法で逃げるお前達を待ち伏せする・・・・・・まさか、バラバラになるなどとは考えてなかったがな」






「綾乃、レイトとサラがいない!!」

《え!?》

 見れば、確かにそこには二人の姿は無かった。

 綾乃達残りのメンバーは、サラやレイトとは違い地球国に落ちて、そこで目覚めたのだ。

 テイムもサラ同様に元の姿に戻り、今座っている状態の湊生の隣で寝ている。

「アイツら・・・・・今どこに・・・・・」

《お兄ちゃん、もしかしたら火星国にってことは・・・・・・》

「有り得ない・・・・・とは、言えねェな。そうなれば、敵と遭遇していてもおかしくない」

 綾乃の顔が一気に青褪めた。

《早く・・・・早く探さないと!!》






「レイト王子!!この空中庭園、動いてるわ」

「え!?」

 見れば、ゆっくりと飛行し、そのまま地球国との国境を越え、地球国領土に入って行った。

 どうやら、その空中庭園は一度火星国に入ったら出られなくなるという力に干渉しないらしい。

 二人はサラの実兄、フェンが何か行動に出ないか注意を払い、常に視界のどこかに入れた状態で下を見た。

 いくらかある雲の下に、緑の木々が見える。

 あれは確かに、行きに通ってきた地球国の地。

「これは、お前達の仲間の方へ向かっている」

「それって・・・・・どういうことなの、お兄様!?」

 先程、確かにフェンはサラとレイトだけだったことで良かったと言っていた筈なのに。

 なのに何故、他の守護神達を探そうとする・・・・・・!?

 その矛盾が気になって問い掛けたサラに、テイムは不敵な笑みを向ける。

「確かにお前達二人だったのは都合が良かった。でもそれとは別に、お前らの他の仲間を呼び寄せる必要があるんだよ・・・・・・まだ、言わないがな」








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