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太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第五章『火の掟』
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第五章『火の掟』・第二話『白衣の少女・碧き森のワナ』Part1






 火星国の木星国寄りの場所に、敵陣がある。

 通過出来るか偵察に行こうと考え、人数を絞ろうとした。

 まず参加者として例外なのが、病み上がりのレウィン。

 彼は魔力もないし、ここまで言うと失礼だが足手纏いになりうる人だ。

 他はおそらく大丈夫。

 今は非戦闘員である綾乃と湊生は合体したら魔法が使えるし。

 緊急時はそうすればいい。

 サラは癒し―――回復系の属性のなのと、テイムの水属性は火星においては有利だ。

 二人のそれぞれの特殊能力の守護、工作っていうのも役立つだろう。

 サラの守護はもとより、テイムの工作―――必要な道具や乗り物を即効で作り出す発明能力は、一番三つの中では実用的だと言える。

 こうなると、レウィンだけ残していくのは不安であるから結局全員で行くことになってしまった。

 ふと敵陣への道すがら、綾乃は地面に真っ直ぐ見える影に気が付いた。

 その影は何のものなのか上を見上げた。

 そこにはまっすぐガラス造りの巨大なエスカレーターっぽいものが上空を横断していた。

 ずっと向こう側から続いているようで、果てが見えない。

「ん?エスティ君、あれなあに?」

「あれですか?あれは、ワールドコネクトベルトっていいます」

《ワールドコネクトベルト?》

 ワールドコネクトベルト(通称・エスカレーター)は、太陽国から冥王星国まで各国を総じて繋ぐ移動手段である。

 料金は無料だが犯罪防止の為、ポーズポイント(止まる地点)と呼ばれる一国間当たり三ヶ所ある停止ボードからその国に入国する際、身分証明を提示することが義務付けられている。

 ポーズポイントの呼び方は、例えば火星国の一つ目(太陽国側から数えて)のポーズポイントは火星国Ⅰ(ファースト)ポーズポイントという。

 火星国とか天王星国とかはいいが、冥王星国本国だけは危険な為、海王星国のⅡポーズポイントを含めてそれ以降は通行禁止となっている。

 つまり、海王星国だけは入国ゲートが一つしか存在しないのだ。

「それが使えたらこの旅すぐに終わるのにね」

「仕方ないですよ、綾乃さん。冥王星国に悟られてはならないんですから」

《だよなー、ったくめんどくせ》

 第一防衛ラインと呼ばれる火星国の陣の近くまで来ると、そこに大きなクレーターのような窪みが見えた。

 レウィン曰く、そこには昔火星城とその城下町があったらしい。

 それが冥王星国の襲撃によって失われてそのようになってしまったのだという。

「一体どうやったらこんなことに・・・・・・」

《それ程までに物凄い戦力を持つということだな》

 初めて王家に魔力を持つ者が絶えた王家はこの国・火星。

 それは1800年のことだった。

 次に地球、天王星、土星の順に絶えていき――冥王星は2006年以降その4国を潰しにかかった。

 新たに、魔力を持つ者が生まれる可能性をゼロにする為に。

 そうして消えた国には、どの国にも巨大な穴が存在する。

 生存している者で直に目撃した者はいない。

 だから何があったのかもわからない。

「何があったのか・・・・・それは分かりません」

 けれど、とレウィンの言葉を継いで、サラが説明役を買って出る。

「その時国内にいた者は皆、一瞬にして消えたというわ」

「サラちゃん、それって死んだってこと?」

「分からない。でもどちらにせよ、百年以上前のことなの。生きて覚えていられる人なんていないわ」

《そっか》

 と、レウィンが急に走り出す。

 続けてサラや湊生と会話中だった綾乃は、それに気付くのに遅れてしまう。

 気付いた頃にはレウィンとの距離は結構あって。

 意外とレウィンは足が速いのではないだろうか。

 彼は、城跡とは反対方面で、マグマがより活性化しているところを目指している。

 もしかして、身投げ?

 そう考えて綾乃は焦った。

「ちょ、ちょっと!どこ行くの?」と綾乃が追いかけながら問い掛けた。




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