第四章『氷の掟』・第二話『病魔の足音・刻み込む証』Part3
「あ、釣れた」
「また!?」
綾乃はまた当たりがきたサラの手元を見た。
サラの釣竿にばかり魚が寄っているのではないのかと思うほど連続で釣れ、あっさり人数分確保出来た。
綾乃達はその後、果物を籠一杯に入れ、コテージに戻った。
そこには一足早く帰ってきたらしいテイムが台所に立ち、肉片と格闘していた。
巨大なイノシシみたいな動物を捕まえてきたらしい。
「わっ!?何それ!!デカい!?」
「ほほほ。どんなもんだい。デカいだろー俺の手に掛かったらこんなもの朝飯前さ」
「美味しいの、それ?」
「美味しい。期待して待ってろ」
誇らしげなテイムを見て、これが王子か疑えてくる。
王子にしては自立し過ぎているだろう。
そうは思うが、それが自身にとって救いになることであるため敢えてコメントしないでおくことにした。
そうして出来上がったのは、一人当たりの取り分が相当大きいステーキ。
ご丁寧に、オレンジ色のソースが掛かっていた。
魚はソテーにし、テーブルの中央には切られた果物が置かれている。
「美味しそう・・・・・・」
「はい・・・・美味しそうです」
綾乃もサラも感嘆し、手を付けたくても勿体無くて付けられないでいた。
「ほら早く食べろ」
「はーい」
《ようし、食べるぞー》
ぺろりと食べてしまった4人は、お腹が膨れすぎて伸びてしまった。
「これだから痩せられないのよね・・・・・」
《あはははは》
「う・・・・・あ、僕・・・寝てた・・・・?」
誰もいない一室で。
上半身だけ起き上がらせたレウィンは、額に手を当て考えるような格好で現状把握をしていた。
「何してたか記憶にないんだけど・・・・僕は、何して・・・・いたた」
頭痛がして頭を抱え、もう一度寝転がった。
もう一眠りしたら、頭痛は治まっているに違いない。
そう考えて、再び眠りについた。
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