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太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第十六章『エピローグ』
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第十六章『エピローグ』・第二話『緑髪の人魚姫・銀翼の麒麟』

レイト帰還(海の凱歌)から3年後の話。


因みに、前作でレイトだけ年齢出していませんでしたが、18歳です。



このエピローグ第二話での年齢を一応載せます。

アレン→24歳

リフィア→22歳

レイト→21歳

サラ→19歳


表で決めてた年齢なんだけど、若・・・・・っ(´Д`)






「そうか・・・姫、なのか・・・。」

 太陽王代理にして太陽の守護神・太陽大命神、アストレインヴァーイェルドは、拳を作って口元に当て、王座に座り目の前の若者に目を向けた。

 若者の名は、レトゥイル=シェイレ。

 彼はアレンの親友であり、同じく守護神だ。

 海王星国では史上かつて無いほどの知能を持つことで有名で、イケメンランキングがあるとしたらトップ3に入るだろうと考えられている人である。

 つい先日年を跨いで彼の娘が生まれ、その一月前にはアレンの娘が生まれたばかりだった。

 この裏世界では、年が変わる時に一斉に年齢が上がる為、アレンの娘はレイトの娘よりも一つ年上になる。

「・・・はい」

「・・・・。」

「アレン?まさか、あの事件のことが気になるんですか?」

「ああ。だが、記憶は・・・消されたのだったな。詳しくは思い出せないだろう?」

「本当の記憶なのか、それとも補われた記憶なのか・・・でもそれは、アレンも同じでしょう」

 各国の王家には魔力を持つ者が生まれることがあり、その者は王位継承権を持たず、“守護神”という特別な身分を与えられる。

 王よりも偉い彼らの特徴は翼を持っていること。

 魔力の強さが桁違いの者は、滅多にいないのだが、麒麟と呼ばれる銀翼、天麒麟と呼ばれる金翼を持つという。

 その中でも、白翼から翼の色が変化する者が更に優秀とされた。

 アレンは三段階覚醒、レイトは二段階覚醒の天麒麟だった。

 そして、記憶が曖昧なのは、第三次世界大戦後年を経るごとに記憶が曖昧になっていってしまうということが起こっているからだ。

「そのこともある。後のために記憶を早く戻しておく必要があるのは事実だ。だが呼び出したのは違うことで・・・実は、娘のことなのだが」

「・・・・・?何かおありで?そのような報告は受けておりませんが」

「誰にも話してないことだ。娘が“魔力持ち”であるなどと」

 アレンはレイトに一枚の写真を見せた。

 そこには背に銀色に輝く小さな翼をもつ赤ちゃんの姿があった。

 この時二人は忘れているので気付く筈がなかったが、記憶が無くなっていっているところは、全て未来に関することばかりだった。

 だから、昔会ったなど彼らは覚えていない。

「麒麟・・・!」

「そうだ。生まれた時点で既に覚醒してるんだ。・・・そもそも、守護神の子が守護神であること、更には銀翼であること・・・こんなに前例の無いことが多発するというのは何かの前兆と解釈して間違いないだろうか、レイト」

「かもしれないですね。僕の娘も普通じゃないから・・・。海王星の姫であると考えたら納得してしまいがちだけど・・・人魚っていうのは流石に変です」

 そうは言いながらも、レイトの顔はどこか嬉しそうだった。

 自分の血が確実に繋がっている証拠だと考えたからか。

 子供は何事も父親に似る方が、可愛がって貰えていいのではないかとふとアレンは思った。

 自身も親バカだからか。

 ともかく二人はしばらく黙り、一つの案を出した。

 それは、アレンの娘の方は魔力を分離し、レイトの娘の方は魔法で人間にすることだった。

「それでいこう・・・子供達を極力あの事件から遠ざけるためにな。・・・にしてもレイト、人魚だったらサラがビックリしてなかったか?育児放棄とか・・・ないよな?」

「大丈夫だよ。驚いたことに、サラは干した魚しか見たことが無いらしい。だから、寧ろシッポが可愛いとかって言ってるよ」

「あ~有り得る。あの立ちウサギ科のオクタヴィアヌスにリリアンって名付けたくらいだからな」

 それにリリアンってオスなんだよね、とレイトが付け加えた。

 今現在、海王星城にはリリアンⅡ世がいる。

 ちなみに、サラというのはレイトの妻で、本名サラネリア=シェイレ(旧姓:ノーリネス)という。アレンのかつての旅仲間だった彼女は、幼い頃に既に婚約者がおり、その問題で一波乱あった(それ、レイトだったけど)。

 アレンの妻であるリフィア、本名フォルフィリア=ヴァーイェルドの親友でもある。

 アレンは、ついでにぼそりと「っていうか、俺魚で旅してたじゃん。忘れてんな、サラは」と呟く。

「姫にはアイシャルと名付けました。略名はアイシャと」

「アイシャル=シェイレ、か。いいじゃないか。俺の方はシャルティールだ。略名はシャルテと決めた」

「・・・・・アレン」

 突然重々しい口調でレイトが名を呼んだので、アレンは軽く驚いた。

「何だ?」

「さっき・・・記憶が曖昧だって、言いましたよね?」

「ああ」

「それでも・・・覚えてることはあります」

「分かってる」

「僕と、アレンが同一人物であること・・・」

「・・・!?レイト、君はあの時あの場にいなかっただろう!どうしてそれを!?サラから聞いたのか?

「いいえ。違います。僕は、前もって捕らえられた時に聞かされていたんです。肉体や心は違えど、魂は同じだって」




 数日後、レイトの案通りにシャルテの魔力分離とアイシャの人間化が行われた。

 その際アイシャは体調を崩し、治療の為の“チューブ”に入れられることとなった。




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