表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第十五章『光の掟』
152/155

第十五章『光の掟』・第一話『秒読みする結末・疑惑の未来』Part2






『―――ホラ、僕らに、見落としてる何かがある気がしない?』

 そうだ。

 何かある。

 そう、“何か”だ。

 それはしかも、一つである気がしない。



『気を、つけてね・・・・・』



 次の瞬間にはその映像は消え、視界にサフィールとアストレア、そして横を走るフェトの姿が見えた。

 自分も、走っていた。

 足を止めることなく。

 つい先程まで、自分の中に眠るホリスと立ち止まって話していた筈なのに。

 どうやら、あれこれ話したり映像を見たりしたが、一瞬の、それこそ瞬きする程度の時間のことでしかなかったのかもしれない。

 距離が狭まり、アストレアが構える。

「光よ!我の願い、我の怒り、我の意思がの者を拘束す!!」

 アレンから伸びる光の蔓が、退避しようとするアストレアへ、それを上回る速度で迫る。だがギリギリ焦点がずれ、逸れてしまう。

 だが避けきれなかったアストレアは、その蔓に弾き飛ばされて派手に壁に体を打ち付けた。

「フェト!」

 その声に、口にせずとも何が言いたいのか分かったフェトから「はい!!」という声が返る。

「光よ・・・・・」

「我が命ず・・・・・今、理不尽なる束縛を解かん!!」

 フェトの呪文が、アイシャを包み込む。

 触ることの出来ない光の胞子が、アイシャからサフィールを隔絶し、そのまま弾く様に遠ざける。

「な、何を・・・・・!?」と、アストレアへの攻撃に気を取られていたサフィールの上擦った声が響く。

「我の元へ還れ!!」

 アイシャごと光は宙に浮かび、フェトに向かって飛んだ。

 ふわっと舞い降りてくるアイシャを、そっとフェトが受け止める。

「フェ、ト様・・・・・・」

「大丈夫?アイシャ?」

「ええ・・・・」

 すかさずフェトはアイシャをサラの成す結界へと運び、中に入れた。

「小癪な・・・・・・っ!!」

 フェトがアレンのいるところまで戻ろうと、踵を返したその時。

「う・・・・ああっ・・・・」

 呻き声のような悲鳴が背後で聞こえ、皆慌てて振り返る。

「シャル・・・・テちゃ・・・・ん、ど・・・・して・・・・!?」

 レイトが命を捧げた為に増幅されたサラが形成している結界が、消えそうになっている。

 その中の光景に、アレンも、フェトも、驚きを隠せない。

 目を虚ろにしたシャルテが、サラの首に手をかけ、思いっ切り締めていたのだ。

「や、やめてっ!!」

 アイシャが、涙目にして引き剥がしに入る。

 が、「どけ!!」と手で強く払われる。

「アイシャ!!離れて!僕が何とかするから!!」

「フェト様っ」

 フェトが再び光球となり、シャルテに戻る。

 光がシャル手の中に入った瞬間、シャルテの手がロボットのようにぎこちなくサラの首から離される。

 解放されたサラは、シャルテから飛び退き、ゴホゴホと咳き込んだ。

「お・・・・父様、僕です、フェトです」

「フェト!?戻っても会話出来るのか!?・・・・・って、そうじゃなくて!どうなってるんだ!?」

「わかりません・・・・・でも、このまま何とか抑えます」

 膝をついたシャルテの表情が、目は虚ろのまま苦しそうに歪む。

「分かった」

 嫌な、予感がした。

 これが・・・・・ホリスが懸念していたことではないのか?

『昔々、“とある人”は世界に復習しようと企んだ。自らの記憶を二分し、一方は裏世界の中枢に保存、もう一方は自分の生まれ変わりの中に入るように操作した。そして作為的に生まれ変わりは太陽王になるようにした・・・・・・・』

 蘇る、先程朗々とサフィールが語った『歴史ノ書』の失われた一節。

 アレン以外は、まだ誰も気付いていなかったようだった。

「フェト・・・・・聞きたいことがある。少しなら話せるか?」

 声は返らず、小さな頷きがその代わりに答えた。





「シャルテは、魔力と分離したら、ただの人だって・・・・・言ったな・・・・?」

 先程と同じ、小さな頷きが一つ。

「まさか・・・・さっき言ってたのは・・・・・違うのか」

 さっき?と疑問符を浮かべる皆に、サフィールを真似て言った。

「昔々、“とある人”は世界に復習しようと企んだ。自らの記憶を二分し、一方は裏世界の中枢に保存、もう一方は自分の生まれ変わりの中に入るように操作した。そして作為的に生まれ変わりは太陽王になるようにした・・・・・・・」

「それが?」

「生まれ変わりが太陽王になるんじゃないんだよ!!いや、一番最初はそうだったんだろうな。まず、作為的に生まれ変わりを太陽王になるようにした。でもそこからは?毎回毎回、生まれ変わっていたのか?」

 ビクリと、サラが肩を震わせた。

「もしか・・・して・・・・」

 皆の視線が、シャルテに集中する。

 アレンはキッと余裕顔で成り行きを面白そうに眺めるサフィールを睨み付け、言った。

「多分、その次からは血だ。血縁関係。守護神はランダムで民の中から選ばれるが、でもよく考えてみろ。太陽国の婚姻関係は、どんなだ?」

 自分で言いながら、アレンは当たっていて欲しくないと願った。

 どうやら、自分はそういうネガティブな展開予想には頭の回転がいいらしい。

「太陽国だけじゃない。国際結婚って例外を除き、かなり少なくないか?多かれ少なかれ、太陽国の民には血が流れている人が大半を占めている筈だ。太陽王になる定めの者にだけ発現する・・・・・・そういう意味にも取れないか?」

 つまり、とサラは前置いて、シャルテを指差す。

「王位第一継承者の、シャルテちゃんも・・・・・・」

「シャルテもまた、冥王星王たり得る存在、という訳だな」

 だから、内部から操れる。

 そして、今敗北したとしても、サフィール・・・冥王星王にとっては、些末なこと。

 また次の王で念願を達成すればいいのだ。

「だから・・・・・未来でこの戦いに負けると知っている上で、そんなに余裕なのか」

「よく分かったねェ。流石と言わざるを得ないね。そうさ、その通りだよ。今死んでも、私に損はあまり無いのさ。この体が死ぬだけ。にしても、血が繋がってたら全員コントロール出来たら君の意思関係無く取り込めたのにねえ。守護神には効きが悪いんだ。しかも、君は転生後の姿だから、直接の血縁はない・・・・厄介だったよ」

 守護神もコントロール出来たら、何とあっさり魔力を奪われることだろう。

 守護神には効きが悪い、ということは、魔力を持っていればある程度は大丈夫であるということだ。

 だからこそ、今フェトがシャルテに戻っているから抑えられているのだろう。

 太陽王であり、冥王星王であり・・・・・そして、“とある人”である彼は、どうしてそこまでして・・・・・。

 でも、それを知ることは出来ない。

 狡猾で、諦めることを知らない。

 未来でも、恐らく何度でも危険に晒されるのだろう。

 アレンはくっと歯噛みした。

「フェト、すまないがそのまま頑張ってくれ。俺は・・・・・・ヤツを倒す」







思えば一番最初の設定では、未来から子供が来るなんて設定は無かったなあ。


その後、的な感じだったと思います。

てか、そもそもシャルテいなかった!!フェト一人っ子でした。


フェトが連れ去られて、そこで初めて囚われのアイシャと出会う。

アイシャは生まれた時からずっとチューブの中で、目覚めたことがないから自分が誰なのか分からない。


いろいろあった末、別々に助け出されて。

で、数年後、親が決めた婚約者として再開する・・・・みたいな?

そのへん、レイトとサラと似たシナリオにしたかった。


っていうか、第一作目ではアレンとレイトの関わりが薄くて、レイトは金星国事件は何かしらあったけれど、死にはしなかった!!


こっち死んだよー(´Д` )えええええ!!


まあ、サブキャラだったのが気に入ってサブ主人公に上り詰めた彼には、思い出深いwww


そして気になるが、シリアス展開になり過ぎて、登場当初炸裂していたアレン中心のボケとツッコミが無くなってる!!


まあいいよ・・・・・このノリで終わらせるから・・・・・・(苦笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ