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太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第十四章『闇の掟』
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第十四章『闇の掟』・第三話『三つの命・二つのセカイの真相』Part3





 昔々、“とある人”は世界に復習しようと企んだ。


 自らの記憶を二分し、一方は裏世界の中枢に保存、もう一方は自分の生まれ変わりの中に入るように操作した。


 そして作為的に生まれ変わりは太陽王になるようにした。


 16代の王は気が弱く、完全にとある人に心を支配されてしまった。


 息子である次期太陽大命神は強い魔力の持ち主で、三段階の覚醒を成し、銀色、そして金色の翼を得た。


 その未知の翼に、王は怯え息子を幽閉し、やがては殺したのだった。


 次期太陽大命神にして、三段階覚醒の守護神、それがホリス―――――。






 アレンは“ああ、そうだったのか”と納得した。

 冥王星王の言い分は、認めたくはないが筋が通っているし、何よりそれでしっくりくる。

 嘘を言われている感じは一切なかった。

「私は、実際行った者はその妹だが、金星国王位第一継承者だったフェンの手に落ちたレイトを治療した。記憶を改ざんし、見張るように自分の近くに置いていたのだ」

 だから序盤、レウィンをパシエンテの一人として可愛がっていたのだ。

 わざわざ金星国から連れ出し、太陽国へ。

 何故レイトがそんなところに居たのかが分かった。

 サフィール王が冥王星王だったら、もう何をしろ完全に動向を把握されてるじゃないか。

 最後以外はずっと共に行動していたレイトに見張らせて。

 ああ、なんて無駄な旅だったんだろう。

「何故わざわざ敵となり得るお前を表世界から呼び寄せたか?私はお前の力を高めるために、わざと弱い者から順番に当たらせたのだ」

「何の為に」

「保険さ。レイトがもしも使い物にならなかったらその代わりとか、もしくは単に魔力を貰う為にね」

《そんな・・・・・・そんな事の為に・・・・・・》

 皆脱力感が否めなかった。

 何の為に、今まで旅をしてきたんだろう。

「アンタ!!お兄様を返しなさい!!」

 黙って話を聞いていたシャルテが声を上げた。

「は?お兄様?・・・・・ああ、太陽大命神の息子のことかい?」

「そう!!レイト小父様とお父様が二人で一人のように、アタシとお兄様は二人で一人」

 はあ!?と冥王星王も理解出来ていないようで、眉間に皺を寄せて首を傾げた。

 だがそっと立ち上がって、傍にあるカーテンを思いっきり開いた。

 そこには、手足を縛られ、口と目に布を巻かれた男の子が座っていた。

「お兄様・・・・・・!!」

《じゃあ、あの子がフェト君!?》

「その声・・・・・・シャルテ?」

「そうだよ、お兄様!大丈夫!?」

 フェトはコクリと頷いた。

 そのフェトの首元に漆黒の魔法球が添えられる。

「下手な真似したらコイツは即死だ」

「お兄様!!」

 よく見れば、フェトの身体にはいくつも傷があった。脅されていたのだろうか。

 焦ったように叫んだが、すぐにシャルテは冷静になった。

 一つ深呼吸をする。

 このままでは両者共に手を出せないと思われた・・・・・・・が。

「お兄様。封印ロック解除。私の元に戻りなさい」

 シャルテがそう言うと、フェトから銀色の光が弾け、拘束が完全に溶ける。

 そして背中に四枚の白い翼が生えていた。

 すぐにフェトは丸い光の玉になって、シャルテの中に飛び込んできた。

 シャルテの背に銀色の翼が現れた。

《え!?フェト君は!?》

「お兄様は、人じゃないの」

《フェト君が、人じゃない?シャルテの双子のお兄さんなんじゃなかったの!?》

「そういう“設定”。だって、太陽大命神と冥王星国守護神の子供はアタシ一人だから」

 立て続けに謎が分かって、アレンは頭が混乱してきていた。

「だから、どういうことだって!?」

 シャルテが訥々と語るところによると、つまりはこうだ。

 普通親が守護神ならその子供は守護神という事は有り得ない。

 なのに、生まれた娘・シャルテは守護神だった。

 未来のアレンはシャルテからその魔力を引き離した。

 そうして分離された魔力はすぐに“人型”を取り。

 魔力の結晶、それがフェトという訳だった。

 生まれながらに銀翼だったシャルテは、分離された後その反動でただの人間となった。

 だから、シャルテには王位継承権がある。

 一方フェトは、シャルテの膨大な魔力をその身に凝縮させている為に翼が異形となり、四枚となったのだ。

 二人はシャルテの“封印解除”により一人に戻る。

 ただ、実際のところ一人になるよりもフェト単体の方が魔力が強い上、戦闘に長けている。

 今は人質を取り返す為の手段としてそれを用いたのだ。

「くっ・・・・・・・魔力の源を・・・・・・・いや、まだもう一匹いる。そのもう一匹を取り込んでしまおう。なあ、アストレア」

 ヴン、と電子音がして、そこにリフィアの“身体”が現れた。

 アストレア、それが今その身体を使っている魂。

 レイトを連れ去った、そのまさに張本人。

 白翼Sランクのレイトを一瞬にして追い込んだその魔力のランクは、恐らくアレンと同等かそれ以上か。

 アストレアの腕には、人魚が抱かれている。

 気を失っているようだが、外傷は特に無いようだ。

 シャルテから分離したフェトが青褪めた。

「アイシャ!!」

「アイシャちゃん!?」

 その声に、ゆっくりアイシャは目を覚ました。






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