表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽系の王様 THE KING OF SOLAR SYSTEM  作者: Novel Factory♪
第十二章『氷の掟』
127/155

第十二章『氷の掟』・第二話『目覚めたココロ・永久の別れ』Part3





 サラは、何とか放心状態から回復して少し冷静さを取り戻した。

 それからすぐ、どうしてアレン単身で戻ってきたのかという事や、レイトはどうなっていたのかを聞いてきた。

 それに答えたのは、アレンではなくリフィアだった。

 アレンが聞いた内容とほぼ同じだけ聞き、サラは自分は婚約者であったのにも関わらずどうして気付けなかったのかショックを受けた。

 リフィアから聞いたところによると、太陽国でレイトがサラを出迎えなかった時にそれが起こったというから、もうその日から三週間と少し、ほぼ一ヶ月気付けなかったことになる。

 それが悔しくて仕方が無かった。

「アストレイン様にもお教えしていないことがございます。それを知れば、特にサラ様は・・・・・・」

 先程の話でも計り知れない衝撃を受けたのだ、これ以上は、と誰もが思った。

 でもそれ以上に、アレンにさえ知らされていなかったことで、リフィアの表情から読み取るに相当恐ろしいことであるだろうそれが気になった。

「聞くわ。教えて」

《いいのか、サラ?》

「恐ろしいことでも、知らずにいては、逃げては駄目。それこそ、可能性が無くなってしまうもの」

《・・・・・だな。よく言った》

 先程まで綾乃と合体していたアレンは、既に魚の身体に戻っている。

「レイト様は・・・・・・そう遠くない内に、消え去ってしまうのですわ」

「はっ!?」

 予想外の話に、テイムが身を乗り出す。

 どういうことだ。

 皆驚愕してしまう。

「そして、それはアストレイン様でも有り得たことだったのだす。お二人が、ほぼ交互に体調を崩されていたのは御存じですね?」

 綾乃が頷いて、それで?と先を促した。

「それが始まったのは、アストレイン様―――篠原湊生様が、表世界で生きられた年月と、レイト様が生きておられた年月とが同じになった瞬間でした。そして二人は、何らかの影響から、どちらか一方しか生きられない状況になったの。体調を崩されていたのは、その存在が揺らいでいたからよ。そしてアストレイン様が選ばれ、レイト様は消えることになった・・・・・・・」

《そうだったのか・・・・・・確かにいつからかレイトの様子がおかしくなっていた気がした。予知夢で、何か見た可能性があるな・・・・・・それで、“魔”に付け込まれ、支配された・・・・・・ってところか》

「恐らくは、その通りだと思いますわ。でも、取り付かれたからこそ、今もレイト様はいらっしゃるのですわ」

 ん?と綾乃が首を傾げれば、リフィアは取りつかれることで時間が止まり、今まで消えないでいたのだと説明した。

 それはつまり。

 今、レイトは元に戻っている。

 時間が動いているという事は、本当に、リフィアの言うようにそう遠くない内に消えるという事だ・・・・・・!!

 サラは立ち上がって木を出て行こうとした。

 テイムが腕を掴んで留まらせ、どこに行くのかと問えば、サラはレイトの後を追いたいと言った。

 残りの時間が殆ど残っていないというなら、ぎりぎりまで一緒に居たい。

 どうして、アレンとレイトの二人にばかり災難が降りかかるのだろう。

 魔力が強い者たちだから?

 それだけでは、説明出来なかった。

《もう、レイトは飛んで行っちゃったから、見つからない筈だ》

「でもっ・・・・・・」

《危険だけど、手段が無い訳では無い。海王星国の、レイトのお父さんも予知が使えるとか聞くしな。でも、そこまで行くのに危険がたくさんある》

 サラはレイトの父親、トランス=シェイレが確かに予知が使えるという噂があることを思い出した。

 現に、レイトも一度そのようなことを言っていたことがある。

 どうせ移動しなければならないし、レイトを探したい。

 例え、火星国と土星国、天王星国を越えることになっても。

 それから、とアレンは追加条件のようにもう一つ言った。




《俺とリフィアは、ついて行かない》


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ