第十一章『光の掟』・第一話『恋人達の逢瀬・再びなされた約束』Part2
まず最初に謝ります、すみません。
第八章『氷の掟』・第三話『戻りし魔力・消えし魔力』が前の話と繋がってませんでした。(つまり、書き忘れというか、コピー・貼り付け忘れ)
繋がるように直したので、チェックしてみて下さい・・・・・・
殺してくれと頼むレイトのカットから、いきなり産声カットに。なんじゃそりゃ。
変なの、と思われた方、本当にすみませんでした。
「お父様とお母様と話したい事って何?」
くい、と金星城城内に入ってすぐサラがレイトの服の袖を引いた。
僅かにつんのめって驚いた顔を向けてくるレイトは彼に似合わず意地悪そうに笑って、
「気になりますか?」と問い返す。
帰ってきたハッキリとした肯定のジェスチャーに、「秘密です」と言った。
「国家機密?」
「違います」
「それなのに教えてくれないんだ」
「はい。言いません。どうしてもです」
「婚約者なのに」と、サラが剥れた。
別にSな訳ではないが、その反応が可愛く思えてサラに気付かれない程度に微笑む。
「それを免罪符にしても駄目です」
そう言えば、サラはますます不機嫌になって頬を膨らませる。
本当は怒っていないことくらい、レイトには分かっている。
サラは、淋しがり屋だから構って欲しがるのだ。
「ねえ、姫様?」
「何?」
「ジェイン様と、シャネッタ様とのお話が済みましたら、一緒に出掛けませんか?」
サラの目がアクアマリンのような輝きを見せる。
「どこに?遠く?」
レイトは頭を横に振った。
「ところによれば、ですが。分かりません。一緒に思い出の場所、歩いて回りたいと思ったんです。前に来た時は記憶がありませんでしたので、久しぶりに見て回ることが出来なくて」
「思い出の場所・・・・・・分かったわ!行きましょう!」
「改めて謝罪致します。フェン様のことですが・・・・・・」
気にするでない、悪いのはこちらだ、と金星国国王・ジェインは頭を横に振った。
「あれが勝手に行ったこととはいえ、身分を考え無しでの行動だ。本当に申し訳ない。長年お前を苦しめてしまっていたことにも気付かず・・・・・」
俯いていたレイトは、その言葉に反応して顔を上げた。
「何を仰いますか!ジェイン様にはお世話になっておりますのに。どうか謝らないで下さい」
「そういえば、レイト君」
「何でしょう、シャネッタ様?」
「サラが貴方にフェンの名付け親になるように頼んだそうね?」
玉座の間の妃の椅子の腰掛けているシャネッタの膝の上には、スヤスヤ眠るフェンの姿がある。
「あ・・・・・はい。やはりジェイン様やシャネッタ様に付けて頂くべきだと思っているのですが・・・・・」
「そんなこと言わないで。貴方がつけるべきよ。考えてはいないの?」
一応は、と挙げた名に、国王夫妻は顔を綻ばせた。
どうしてその名にしたのか・・・・・聞かずとも分かった。
いい名前ね。それにしましょうと速攻決定され、レイトは苦笑する。
「年内に貴方の弟か妹が生まれるでしょう?同い年ねぇ。男の子かしら?女の子かしら?」
「父上は女の子、母上は男の子がいいと言っています。私はどちらでも元気であればそれでいいと思っていますし。年子でもう一人、などと真剣そうに言っていますよ」
「どちらかが女の子だったらいいんだわ」
目を輝かすシャネッタに、先程のサラを重ねたレイトは血の繋がりを感じた。
自分の母もまた走ってきて急にハグをしてくるような人だが、こちらの王妃もまたミーハーだと思う。
比べれば、明らかにシャネッタの方が子供っぽい。
「それで、またレイト君とサラみたいに婚約させるのよ!!いい考えでしょう?」
いやまだ生まれてないので性別は分からないと思うんですけど、とレイトは内心突っ込む。
「男の子かもしれないだろう、シャネッタ」
「あら。それでもいいでしょう?親友になれるわ。今度は逆に海王星国に預けるのよ」
「なるほど。レイト君と一緒に居ればいい影響を受けるだろうしな」
「私がお世話を?」
レイトが驚いた顔をして、その様を想像する。
考えたら悪くないかもしれない。
元々サラのお付きをしていた為世話には慣れているし。
とはいえ、最近両親は多忙で、レイト自身も同様にそうであるが―――一国の王子を使用人に託すことも出来ないし、完全に自分は面倒を見ないといけないことになる筈だ。
となると気になることが出てくるが・・・・・・恥ずかしいので黙っておくことにした。
レイトはその理由の為に少し渋った。
結局のところ、その理由は守護神のみ参加の定例会(=番外編)でバレることになるのだが。
「わ、分かりました・・・・・・ですが、身分を隠したりとか、もし妹であったとしてサラのように婚約を長く隠しておくべきではないと思うのです」
「良くなかったのか?」
「はい・・・・・少し、こじれたりしましたので。それでよろしければお受けします」
お辞儀をして退室するレイトを見ながら、再びレイトの弟と妹の話題に戻る。
「レイト君はまだ知らないそうだけど、名前決めてあるそうね」
「生まれる子のか?」
「そうよ。男の子だったら―――で、女の子だったら―――」
「違和感がしてしまうのは仕方ないな。もし男の子だったら、今度こそフェンと仲良くしてもらいたいものだ」
男の子の名は、レウィン。
女の子の名は、エスティ。
それは、先日まで彼の少年が使っており、そして自分達に非常に馴染みのある名前。
今までのあらすじ&プロフィールちょくちょく更新してます。
レイトが渋った理由、フェンの名前とかは番外編中に出てきます。
近々プロフィールにも書きます。