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第十四話 古の闇の封印が示す先




十六夜の指令の下、クロガネとハドソンは、聖典評議会の本拠地の特定を急いでいた。



ノクティス・ベイルの技術開発棟で、ハドソンは自らがアストリアから持ち出した極秘の魔力データと、クロガネの闇の魔力解析技術を組み合わせていた。



「クロガネ殿。評議会の本拠地は強固な防御結界で囲まれていると予想していますが、どうしてこれほど見つからないのでしょう」


「巧妙に隠されているのでしょうが、そこまで大きな力であるのなら,私たちの技術で見つけられないはずはないのですが…」


「単なる光の魔力ではないでしょうか? 彼らの本拠地は、世界の魔力の流れが収束する、おそらく全ての力の流れの先だと思っていたのですが、そのポイントが一つではないのです」

「ええ。これは一度報告するべきでしょうね。我々の技術の組み合わせで、ほぼ世界の全ての魔力を追えるようになった。そして分かったのは、黒曜様のものと似た、古の契約の魔力の近い何かが複数あること。これはより深刻な事態だと推測されます」



クロガネは、ハドソンの解析結果に頷いた。


「つまり、彼らは古の契約の力をひとつだけでなく、各所で利用していた。そしてそれを世界中の防御の根幹として利用している。私たちの闇の力による正面突破は、未だ古の契約の魔力に阻まれ、容易には侵入できないということだ」



十六夜は、二人の報告を聞き、玉座の間で黒曜と議論を交わしていた。



「旦那様。聖典評議会の最高指導者たちは、古の契約の真実を知り、それを何百年も悪用してきた者たちです。彼らにとって、光こそが魔族を制御し、世界を支配する唯一の道という信念こそが、彼らの傲慢さの源ですわ」



この真の敵を倒さなければ、世界の安定は訪れない。




十六夜は、この難攻不落な敵に対し、闇の力による正面衝突ではなく、知恵による解体を命じた。



「クロガネ、ハドソン。あなたたちは、評議会が持つ偽りの光の防御システムを無力化するための新兵器、秩序崩壊の共鳴装置を開発しなさい」



「共鳴装置?」


ハドソンは目を輝かせた。


「ええ。評議会の古の契約を利用した防御結界は、彼らの絶対的な正しさという信仰の盲点に依拠している。その信仰の不合理な構造を突く、理論的な解体兵器を開発するのです。私たちの闇の力を組み合わせ、古の契約をよりスムーズに解除できるものを作りましょう。そして黒曜様のような誰かを全て救わなければならない…」


「私だけではなかったのだな。闇の深淵のために繋がれていた魔族は」



クロガネは世界地図を出した。


「この国を中心として写しますと、他に三箇所の黒曜様に似た闇の契約の痕跡がありました。そしてアストリアはその中で一番強いだろう封印、黒曜様の近くにある国です。その全て、四つの封印を結ぶとおおよそ四角形の形になり、中央付近にあるのが、今急速に開発を進めているテルネブラです」


「なるほど、私たちの力の及ばぬ先には、また別の誰かが闇の管理者としてまだ封じられていたのですね」


「これほど闇は深いのだな。私の管理していた闇でさえ、世界の全てではなかったのか」


カサネが世界情勢について補足を加える。


「この近隣国では、間違いなくアストリアが最大です。それが光の王国としての権威の賜物だったことは誰でも知っていますが、評議会の半分が置かれていたせいでもあります。しかしその管理体制は崩れ、評議会は何処かへ姿を消し、今や世界が混乱し始めております。おそらくですが、よりこの国から遠い、情報が届きにくい開拓されていないところからまた光の支配を始める準備をして勢力を整えてくるはずです」


ホヅミが付け加えた。


「武力的な意味では、アストリアの兵器作りを担当していた国、リミタージュは注視した方が良いかと。あそこは外からの情報が一切遮断され、光の使者のみしか交流を許さないほど厳重な警備だ。それほど強い思想のものを警備に回していると聞いた。アストリアが崩壊、混乱に陥っていても、兵器の開発と工場が止まっていないと情報があります」


「そうですね。ホヅミ、引き続き情報を集めてください。そして契機を逃さず彼らも救います。評議会の重鎮たちは今総本山の隠し拠点で計画を練り力を蓄えているでしょう。私たちの闇でもなかなか情報がつかめません。今のうちに全ての古の契約を解放しましょう」


十六夜は、立ち上がり、闇の王の軍団に向けて鋭い視線を向けた。


「カサネ、ホヅミ、クロガネ。世界の秩序の真の根幹を崩すため、我が闇の王の軍団は、聖典評議会の総本山との戦いに挑みます。さあ旦那様、一緒にいきましょう」



闇の王と女王の、世界を解放するための第二の行進が、今、始まる。




ハドソンとクロガネは、直ちに新兵器の開発に着手し始める。


カサネとホヅミは闇に消え、世界の情報を集めに向かった。








ーーノクティス・ベイルの玉座の間。静寂の中で、黒曜は十六夜を抱きしめた。


「女王。お前の知恵は、世界の王族が何百年かけても成し遂げられなかったことを成し遂げた。だが、次なる戦いは、世界の真の闇の対決であり、これまでで最も危険だ」



十六夜は、黒曜の胸に顔を埋めた。


「怖くはありませんわ、旦那様。私の知略と、貴方の絶対的な武力、そして私たち二人の永遠の共存の誓約こそが、彼らが何百年も維持してきた偽りの光を打ち破る、唯一の鍵です。そしてあなたのような悲しい運命を背負っている仲間を全て解放しましょう」



二人の間に、迷いは一切なかった。

彼らの目標は、ノクティス・ベイルの秩序を世界に拡大し、真の平和をもたらすことだ。



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