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第8話 神々の勘違いと、真の王国誕生

 夜空が裂けた。

 アヴァロンの上空に、黄金の光輪が浮かぶ。


 「……来たか」

 俺は王都の塔から、天に広がる異形の光を見上げた。

 神々の降臨――それは古文書の中でしか語られなかったはずの出来事だった。


 〈地上の者よ、何ゆえ“神域の封印”を破った〉

 声が頭の中に響く。

 世界中の人々が同時にひれ伏し、魔獣たちでさえ動きを止める。


 アビスが低く唸る。

 「主殿、あれは“創世の神群”……我らの始まりにして、終わり」

 「どうやら、俺の“間違い”がまた誰かを怒らせたらしいな」


 神々は、アヴァロンを「異端の国」として断罪した。

 「人が魔と手を取り、神を越えようとしている」と。


 俺は空に向かって叫んだ。

 「違う。越えるつもりなんかない。

  ただ、同じ高さで笑いたかっただけだ!」


 雷鳴が響き、塔の石壁が砕ける。

 だが、俺の声は確かに届いた。


 神々の沈黙の中、ひとりの女性の声が答えた。

 〈……その“間違い”、どこまで貫ける?〉


 「最後までだ。間違いの果てに、きっと正解がある」


 光が弾けた。

 空から降り立った神は、黄金の翼を広げ――

 その掌で、俺の紋章に触れた。


 〈共鳴の力……面白い。では、人の王よ。

   神々の“勘違い”を、覆せるか〉


 「望むところだ」


 その瞬間、アヴァロンの空が昼のように輝き、

 新たな国章が刻まれる。


 ――“間違いの王国”が、神話に並んだ。

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