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剣と魔法と……

「やっと、ですね」

「貴女の決断ですよ」

「貴女がこの国を滅ぼしたんです」

「贖罪を」

「断罪を」



ぐにゃぐにゃと曲がる視界の中で、声が聞こえ続ける。

自分に言われているのか、ほかの誰かが言われている言葉なのか。

どちらにせよ、気持ちのいいものではなかった。


そして、視界が開ける。

目の前に見えるのは広大な平原。

牧場よりも広々とした、一つ前の世界とは違った大自然が広がっている。


「ひっっっろいですわーーーーー!!!!」


思わず愛上は叫んでしまう。

それとほぼ同時くらいだろうか。

平原の奥に何かが見えた気がした。


「……?」


何だろう。凝視してみると何かが見えてくる。

平原のその先から、何かが走ってくる。

人ではない。

動物……でもなさそうだ。

大きな砂埃を上げながら、何かの大群がやってくる。


「aaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!」


雄たけびのようなものと共に、小さな人型の何かがやってくる。


「なんなんですのーーーー!!!?」


思わず絶叫してしまう。

さっきの叫びとはまるで意味合いの違う、恐怖からくる絶叫。

その時。


「なにやってるんですか!伏せて!!」


と、後ろから響く声が愛上に指示する。

考える暇もなく、ほぼ反射で姿勢を低くする。


「我、炎との契りを以て其の力を宿す者。その力を示せ!」


呪文のようなものを唱えたかと思うと、愛上の頭上を火の玉が飛んでいく。

そのままこちらに向かっていた何かに向かって飛んでいき、炎の威嚇射撃で撤退させてしまう。


「た、助かりましたわ……ありがとう、ございます……はぁ、はぁ…」


愛上は突然の状況に息も絶え絶えだった。


「あなたは……この世界に来たばかり?」


後ろを振り返ると、黒い髪をたなびかせた女性が居た。


「ええ……この世界が、どういう世界なのか…も全く分かっておりませんの。」


そうは言うが、愛上は息を整えながら一つの仮説を立てていた。

ここはきっと『剣と魔法の世界』に違いないと!!


「そうか、それは災難だったね。この平原は通称《初心者殺しの平原》。初めてこの世界に来た初心者をのどかそうに見える風景で油断させて強襲する。そんな魔物の住処だ。」


「初心者をスポーンさせるにしては悪辣すぎやしませんこと!?」


「ああ、本当に。何せこの世界は『剣と魔法と謀略の世界』だからね。」


「何か一つ余計なものがついていましてよ!!?謀略って!!」


「うん。よくゲームとかであるのは『剣と魔法』だからね。でもここは違う。ゲームでもないし、ちゃんと死ぬ。私たちは命を懸けてこの世界で生きている。」


ちゃんと(・・・・)死ぬ……?どういう意味ですの?」


「本来発動しているはずの生命保護装置。危機を感じた際に元の世界に強制送還する装置がこの世界では何故か発動しない。きっとこれまでにも見てきたであろう、これまでの常識は通用しないと思っていいよ。」


目の前の女性は淡々と告げる。

そう案内することが義務であるかのように、プログラムされたかのように淀みなくこの世界について話してくる。

だが、


「もう、君で何人目か分からない。お願いだから、死なないでくれ。」


愛上の手を握って、縋るように放ったこの言葉。

この一言だけは、一切の混じりけのない本心からの言葉に聞こえた。


「わかり……ましたわ。もとより死ぬつもりはありませんし、成すべきことがありますので!」


多少困惑しながらも愛上ははっきりと言い放つ。

その言葉に、黒髪の彼女は優しく微笑んでこう言った。


「その言葉、絶対に守ってね。何があっても、どんな状況になっても。」


そして彼女は名も告げぬままに、泥の塊になって地面に崩れ落ちた。


「ひっ!?」


いきなり崩れるその姿に声が漏れる。

どしゃり。と音を立てて崩れる人の形をしていた『それ』は、今はもう何も語らない。


「は、早く安全な場所に向かわないといけませんわ……」


この世界は前の世界とは違った方向性で危険だ。危ない。おかしい。

震える足を無理やり動かして、辺りを確認しながらゆっくり歩き始める。

よく見れば、遠くに町のようなものが見える。

他に何の情報もない中、出来るのはそこに向かって歩いていくことだけ。

さっきみたいにいきなり襲われるかもしれない。

そんな恐怖に苛まれながら愛上は歩く足を止めなかった。


それと同時に、一つ思い出す。


「……ミルハ?どこですの?」


一緒に来ているはずだ。

近くに居るはずだ。

ボタンを押したときに近くに居たのだから。

一人は怖い。

こんな世界で一人でいるのは恐ろしい。

何ができるのかも分からない。

どんな世界なのかも全然理解できてない。

大きな声は出せない。またあの魔物に狙われてしまう。

ほんの小さな物音も、こちらを狙っているように聞こえてくる。

ミルハは、どこに居るのだろう。

自分もこの世界でいうどのあたりに居るのだろう。

何も分からない状態で、この世界の攻略は始まった。

短い?

気にしちゃいかんです。

そんなわけで『剣と魔法と謀略の世界』編開幕です。

今んとこ出てきてるの魔法だけ!!!

剣の要素と謀略の要素はどこにどうなるのか。

そして、この世界で愛上はどんな冒険をするのか。

続きをぜひお待ちください!


ではでは~

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