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原始時代のチー牛  作者: akira
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現代に転生するチー牛

9章 現代に転生するチー牛



「この方で間違いない、連れて行こう 丁重に運べよ」



ガスマスクをつけた数人の小柄な男達が通信で話していた。 体は大きな黒い装備で身を包まれ 全身を覆っていた。 過酷な環境で活動するために作られたであろう大きなスーツを着てゆっくり機材をこれまた黒い大きな密閉形の特殊な形状をしたトラックから運び出し ボロボロになった人間を運んで行った。 


「まだ生きてるな」

「どうなってるんだ?」

「この方は特別なお方だ 世界が死ぬ事を許さなかったんだろう」

「まさか そんな事あり得るはずないだろ」

「この環境で人間が生きられる事がまずおかしいんじゃないか」

「いや この環境は外の環境の影響を受けない 充満した霧が風化から守ったはずだ」

「とにかく運び出そう カプセルに運べば蘇生できるかも」




比呂保保は3人の小柄ながらゴツい生命維持スーツを着た男に運ばれて巨大な建造物の中へと運ばれていった。



しばらくして不思議な機械に繋がれ、様々な薬品を投与されしばらくの間されるがままに過ごしていた。 ひろほほはようやく意識がはっきりしてきた。


自分は死んだと思っていたひろほほは考えるといい行為や意識をするとかそう言った精神的な活動の全てを自ら辞めていたが外からの刺激に促されて少しづつ意識を戻し 記憶も再生され始めてきた。



「もういいんじゃないのか?」

「バイタルは安定しています 筋肉の反射 網膜 眼球も動いています 意識はあるようです」

「よし」


小柄な男は何か端末を操作すると 

ひろほほに繋がっていた機械が外れて 液体が抜けていった。 ひろほほは横たわったままだが液体が抜けると一気に重力を感じ始めて 体が軋んだ。


「おかえりなさいませひろほほさま」


き、、きみは、、?


「私達はあなたの帰りをずっと待っていたのです」



比呂保保は混乱している。目の前の見たこともない複雑さで光るなぞの装置と、自分がまったく知らない服装をした人々に囲まれている。


科学者たちが彼に近づき、一人が穏やかな声で語りかける。

「比呂保保様、驚かれるでしょうが 、私たちはあなたが過去から来たことを理解しています。あなたは特殊な環境によって長い間生き続けてきました。私たちの現代科学によって、あなたを目覚めさせることができました。」


比呂保保は警戒しつつも、彼らの言葉に耳を傾ける。

「なぜ、私のことを待っていたんだ?」

医者が優しく答える。


「驚かれるでしょうね 今私たちがこうしているのはあなたのおかげであり、そしてあなたがこの世界を作ったようなものなのです。あなたの成し遂げた偉業と、私たちを救済してくださった事 あなたの成したことは数万年の時を経てあなたの存在は、私たちにとって希望なのです。」


科学者の一人が続ける。

「ご安心ください。私たちはあなたに危害を加えるつもりはありません。あなたが安全に過ごせるよう、できうる限りの全てを用意しています。」


比呂保保は少しずつ、彼らが自分に敵意を持っていないことを理解し始める。


「何がなんだかわからない だがその顔は、見覚えがある、見覚えがあるというよりも、、」


「それは…」科学者が言葉を濁す。「まずは、あなたがここで安心して過ごせるようになってから、ゆっくりと外の世界について説明させていただきます。今は休んで、体を休めてください。」


比呂保保は不安と好奇心が入り混じった複雑な感情を抱えながら、彼らが提供する安息の場所へと歩みを進める。未来の世界への適応が始まったのだった。


比呂保保はその後、彼は想像を絶するような豪華な部屋に案内された。部屋は広大で、天井には繊細な彫刻が施され、壁には暖かみのある色彩の絵画が飾られている。チー牛の絵画だ。 ヨウキャが無数に窓からは光が差し込み、部屋全体を温かく照らしていた。


食事は、彼がこれまでに見たこともないような美しい盛り付けで提供された。様々な色と形の食材が使われ、それぞれが繊細に調理されている。味わいも豊かで、食事のたびに新たな驚きと喜びを感じた。科学者たちは、彼の体に必要な栄養を考えて、このような食事を用意していたのだ。


身体のケアとして、マッサージも受けた。経験豊富な専門家が彼の筋肉をほぐし、長い眠りによるこわばりを和らげてくれた。マッサージの間、比呂保保は深いリラクゼーションに包まれ、心身ともに癒やされていくのを感じた。


そして、彼の精神的な平和を願って、祝詞が唱えられる時間も設けられた。静かな部屋の中で、穏やかな声の人々が古い言葉で彼の健康と幸福を祈り、安心して未来の世界に歩み出せるよう支えとなった。

このようにして、比呂保保は様々な形での奉仕を受け、心身ともに未来の世界への適応を図っていった。外の世界へ踏み出すその時が来るまで、彼はこの時間を、過去の苦難からの回復と、未来への準備のために大切に過ごした。



比呂保保はリハビリという作業が終わり自由に体が動かせるようになっていた。精神的にも安定してきてそろそろ外に出てみましょうかと主治医に言われていた。


正直なところ何を言われても現実感がないので あー とか うー とかしか言えなかったがそれは元々そうだった気もしてきてよくわからないなりに現実を受け入れ始めていた。それにそう言えば石との対話のなかでこんな世界がいずれ来るというような話を最近になってようやく思い出して、彼らの話と一致してることを徐々に繋げていくことで理解を始めていた。


「ああ 行こう 外へ」


比呂保保はそう言って外へ出る事を承諾した。


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