表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
原始時代のチー牛  作者: akira
12/22

リユニオンするチー牛



比呂保保が眠っていると急にサイレンがなりはじめた。 なにごとかととびおきてあたりを見回してると


執事が入ってきた。 比呂保保様! こちらへ!

この建物は基本的にもっとも安全ですが念のためシェルターへ移動しましょう。


これはいったいなんの騒ぎなんだい?、、??


確認中ですが空襲という報告を受けています。


え? 




ここはチー牛が支配する世界なんじゃないのか?


はい この世界の大半は我が国チー牛国の傘下ですが、


新大陸だけはまだ治めておりません。 我々は目下その新大陸を統一してる国家と戦争をしているのです。

戦争といっても小さな小競合いを長年つづけてるだけといった感じで 

いつもいやがらせのような攻撃をお互いに仕掛けては 最低限の緊張感を保つ というようなことを繰り返しておりました。



なんで戦争なんかしてるのさ、適当にうまくやれないのかい、、?外交なりなんなりとか



この戦争は聖戦とよばれております。


はぁ、?



この戦争を始めたのは比呂保保様と記憶しております。



は?



いやいや 戦争を始める余地なんかぼくの人生のどこにあるっていうんだ 毎度の事だけどなにいってるかわからんぞ



比呂保保様は ハヤット という名をご存じのはずです。



は、、ハヤットだって!? なんで君がハヤットのことをしってるんだ。


あいつは何万年も前の原始時代のころにいたやつだろう? ぼくにとっては忘れもしない悪魔のようなやつだったけど

もう一切関係ないところで僕はずっと過ごしてきたんだ。 





ハヤットはそうは思っておりませんでした、というのが我々の歴史から伝え聞いてるところです。 


どういうことだよ。



我々がお見せしていた地図を覚えておりますか?

世界地図のことならみてるよ。 なんども授業でみせてもらったじゃないか。



あれはチー牛国日本が傘下に収めてる世界しかのせていないのです。 


ここが日本 北にいくと ユーラシア大陸があり ロシア 南は東南アジア 西に中東 ヨーロッパ諸国 その南にはアフリカ大陸があります。 

反対側に映りますと 北極 南極があり ここがオーストラリア周辺からなるオセアニアですね。  そして南北のアメリカ大陸 

ざっと我々チー牛国日本の世界はこんな感じになっております。



そしてこれが地球の立体的な姿です。執事はホログラムを出して地球を三次元的な状態でみせた。

  

比呂保保ははじめて宇宙から撮影された立体的な地球の姿をみた



チー牛国日本とその傘下にあるすべての国は球体のなかにきれいにおさまっており 

しかしもうひとつ 雪だるま上に地球の半分くらいのサイズの球体が 南極の近くにぶにゅっとつきだしていた。  


地球は球体が二つ重なったような形状をしていた。 これがぼくたちが住んでる星の形だというのか、、



はい 比呂保保様 これが我々が住む惑星の形状です。 ゆきだるまのような形をしていて、このできもののように腫れでた部分が 

ハヤットの治める国 リ・アジュール帝国なのです。



我々は歴史上さまざまな国が勃興してきましたが、基本的におおきなくくりでいうと こちらの大陸との争いだけに関していえば数万年 治まっていません。


数万年間戦争をしていたの。。? 


この数万年間、 あなたが眠っていた間 絶えずいやがらせのようなことをしつづけてきたのがこのハヤットなのです。 まさに悪魔のような人間で

われわれチー牛がいやがることをすべて熟知しているようなものでした。


彼はいつからか不老不死になったらしく、その知識は膨大、空気をあやつる技術にたけあらゆるコミュニティで主導権を握る天才でした。

彼の指導のもと、大きくなった集落から国家が誕生し、現在まで発展しつづけ、彼は新大陸を支配したようです。



我々は我々でこちらの大陸を支配しましたが、こぜりあいは続いております。


ただ本国までくるなんてことはいままでありませんでした。 

わざわざこんなところまで攻撃をしかけてきあ理由は比呂保保様の復活でしょうな。


戦争のなかには、支配を目的としたものではなくただ維持存続のためだけに存在してるようなものもありまして、

われわれの戦争とはどちらかといえばそういったものでした。 かつては国の威信、存続をかけた大戦争をおこなったこともあったのですが


今となっては戦争状態がある という認識だけがあれば問題ない というようなところに落ち着いておりました。

軍備の維持 危機感の維持 予算確保の理由付け さまざまありますが結局のところ 戦争状態が都合が良いという派閥がお互いに存在し

利害関係のうえになりたった戦争状態があったというだけで、


人が死ぬような攻撃を本気でしかけることは最近こそめったになくなっていたのですが。




あなたの復活はそういったバランスを破壊するものだったということです。 

あなたの知識があれば難航していた宇宙開発は飛躍的に進むと考えております。

そうすれば我々は 新大陸に外側から攻め込むことができる。

悪魔ハヤットを直接ねらうこともできるかもしれない。 



ハヤットを打ち倒せばこの星は完全にチー牛国日本の旗のもと 統一が完了します。


そして我々は宇宙へと進出し、この栄華を宇宙全体までひろげる足掛かりとなるでしょう。


シェルターへ避難の道中で執事はそんな感じに説明しおえ

避難所に到着した。


非常に頑丈な扉を執事が端末を操作してあけ 中にはいると

そこはそこでだいぶ豪華なつくりの部屋があり


きわめて快適にすごせそうな空間がひろがっていた。



モニター室がありどうやらここからさまざまなラインに接続できるようになってるようで 

緊急時にもメインラインでの不都合がないようになっているらしい。




ボケっとしながら座っている比呂保保をよそに

執事が各省庁と連絡をとり指示を出しているさなか


リ・アジュール帝国とのホットラインが突然なりだした。



な、このタイミングでホットラインだと、、?






執事はホットラインをオンにした






ひーろっほほ? や 久しぶり! 元気してた?



そこには数万年前 原始時代の洞窟でともに狩りをし、同じ釜の飯をたべ、生活をして

そして最後に盛大に比呂保保のことを裏切った


あの

ハヤットが大画面に映し出されており そこには大勢の手下たちがいた。 

全員お酒を飲んでおり、 後ろの方では 飲み会 が開かれ 

コールがなりひびいていた。 「のーんでのんでのんで!」「あいちゃっちゃっちゃ!」

「しゃっしゃっしゃっしゃ!」 「ウェーイ!」 「ウィー!」 「YO-!」






ハヤットは最後に原始時代の洞窟の外であったときと見た目が変わっておらず、 

コミュニティの中心でここ数万年間 毎日のようにパーティをひらいていたらしい



比呂保保は一人の時間をながく取らないと死んでしまうタイプの人間だったが

逆にずっと人と一緒にいないと死ぬ というような人間も確かに存在する。


ハヤットはそんな人間の臨界を極めたような人間だった。




どうやらめざめたというのは本当のようだね ひろほほ 




ハヤット、、なぜ、、?  





忘れたのかい? あの時洞窟の外で僕がきみにいった言葉

君がどんな楽園をつくろうと必ずつぶす とね。


まさか数万年単位で生き残るとは思いもしなかったけど、君がつくったチー牛の楽園は

ここまで大きくなった。 認めるよ、比呂保保

お前は偉大なチー牛だ ぼくと肩をならべるほどの英雄になったね。







ひろほほは焦点のあわない感じの目で画面にうつるハヤットをみつめていた。


いや、それもそうだけどそういうことじゃなくて、 

君は原始時代の人間だろ、 なんで今ここにいるんだ、、?


それに


ハヤット、ぼくは最近目覚めたばかりで いろんな説明をうけて何か月もたったが

いまだになにがなんだかわからないままだ そこにきて君があらわれてもうなんだっていうんだ


戦いなんてやめろよ いやがらせもやめてやってくれ 数万年間 いやがらせで

戦争を継続するなんて正気じゃない どうせ君がけしかけたものなんだろう





ひろほほ 君だってここにいるじゃないか、 君が特別な存在だったのと同様  

僕も特別だったってだけの話だよ。



聖戦に関してはもちろんその通りさ、ぼくがみなをけしかけ、そういう空気をつくった。

空気に感染した一般人はすぐチー牛を悪い人間だと思い込んだよw 滑稽な人間が 小汚いチー牛を

特に理由もなく攻撃性を発揮しだす様子は本当に笑えたねww

僕がちょっと空気を動かすとすぐにこれだからねw



ハヤットは原始時代のころとかわらず、空気にすぐ支配される仲間たちを心底軽蔑しており 

しかしそれを操ることに快楽を感じ、その特異な才能である空気の操作で

誰かを標的にしていやがらせをするという悪趣味を国家単位まで拡大させてそれを数万年にわたり継続していたらしい。




繰り返すようだけど 僕にとって空気をあやつって誰かを貶めるっていうのは

日常でありライフワークであり。 そして趣味 だな。 


趣味のない人生は退屈だろう、いろんな遊び 飲み会 コール すぐ飽きちゃってさ つまんないだろ あれ 

だからいろんなこと始めたよ 農業 経済 ビジネス 政治 戦争 宗教 

小説をかいたり 陶磁器をつくってみたり 漫画書いてみたり ゲームつくってみたり、 楽器を演奏したり、チェスや将棋をしたり


何万年も生きてるからすべてをだれよりも極めたさ。

けどやっぱりいじめが一番たのしかったんだよな。 影で空気をあやつって自分はなにもしてないのに

一人をぼくの流した空気だけで追い込んでいくってやつ。


それを政治や戦争の趣味と組み合わせていくと どんどん火がひろがってさ。


聴いただろw 聖戦 だってさwwww


ただの僕の趣味なのになw



それを繰り返していくと

馬鹿連中はすぐに空気に感染してだんだん僕がなにもしなくても空気に乗っかって支配下にはいっていった

退屈なんだよこいつらはね。 でもお前らチー牛はいつだって僕が作り出した空気にまったく乗っからない


すぐに感染するバカもつまらないけど、僕の作り出した空気に乗らないチー牛連中は気に食わないのさ

だからいじめて洞窟から何度だって追い出してきた。


同じ要領でぼくの国に必要ないチー牛たちは大陸から追い出してきた。 必要に応じてはもっとひどいことをした時期もあったかな。






比呂保保さま あれはひどいなんていうものではありません。歴史上最大級の虐殺を組織的に行い、新大陸にいたチー牛たちは皆殺しにされています。

悪魔ハヤットはそのときの映像を世界放送でリアルタイムで流しておりました。 ゲームとして我々の仲間を虐殺した数でポイントがつけられ

数十年にわたる狩りのゲームをつづけていました。 そして新大陸においてチー牛は完全に絶滅しました。


我々は手を尽くして同胞の亡命を手伝ってきましたが力及ばず。 そう多くは救えておりません。





なんだ しつじ君 ひろほほにその映像をまだ見せてなかったのかい? 


ちょっとみてみなよ ハヤットはスマホを取り出してそのまま画面に映るような感じで動画をみせてきた。

その動画はすさまじく、凄惨で恐ろしいものだった。


洞窟に隠れていたチー牛たちを装甲につつまれた兵士たちが銃で斬殺していた。




チギュ!! チギュ―!!! やめてくれチギュ―!!


チー牛たちが命ごいをするなかで兵士たちは笑いながらチー牛は楽しそうに撃ち殺していった。




あー今スマホに入ってる動画これだけっぽいわ、 前に容量いっぱいでだいぶ消しちゃったんだよなー

バックアップとるの忘れてたわ。 もうだいぶまえの遊びだったしもうチー牛狩りも飽きちゃったしさ


でも結構よく取れてるなw この顔 すっげ うけるw!

チー牛って普段無表情だけど ここまで本当に追い込むとこういう必死な顔するじゃんw

でも表情筋ほとんど普段使わないから さけぶと顔の筋肉がつるらしくてさ


みろよ これ  この状況なのにこのチー牛 顔面 つっちゃって 動けなくなってんだよ さいっこうじゃね!?





比呂保保は動画をみて心底恐ろしくなっていた。

比呂保保が知ってるハヤットは、あくまで洞窟内でちょっとみんなの気持ちを操作して追い込む

くらいのことしかしないやつだった。 粘着質で洞窟を比呂保保が追放されたあとも回り込んで

うまくいかないようにいろんな罠をしかけてはいたが


人を直接的に殺すだとか、暴力を前面にだしてあそぶようなやつではけっしてなかった。

なんやかんやで集団にとって一番利益になるようなことをして群れに貢献する というところまでは一貫していたやつだったはずだ。


この数万年で、ハヤットは残虐性が異様なまでに発達してしまったのだろうか



しつじ こんなことがずっと繰り返されてきたっていうのかい?


比呂保保様 今いるチー牛は基本的にあなたと、そしてあなたがあつめたチー牛の使徒たちの末裔がほとんどです。

ハヤットはおびただしい数のチー牛を虐殺しつくしたといっていいでしょう。


我々は歴史を知るのみですが、使徒たちとハヤットの壮絶な聖戦の日々は

苛烈を極めたとききます。 そのなかで多くがなくなっております。


使徒たちもハヤットの手にかかり。


もうおわかりでしょう、聖戦といわれる意味が


これはあなたが洞窟でハヤットと交わした宣戦布告 これは数万年たとうとも

いまなお聖戦として続いているのです。


そのなかでおびただしい血が流れ、歴史をつくり 何度も部族がほろびかけ


ここまでやってきました。



比呂保保様 ご決断ください、聖戦を終わらせることができるのは あなただけなのです!!!!




比呂保保はしばらく黙って、映像越しでスマホをいじりつづけるハヤットと

そのまわりでお酒を飲みながらげらげら笑っているリ・アジュール帝国の臣民をながめながら


静かに決心した。





ハヤット おまえを殺す




比呂保保は初めてこんな強い言葉を言い張った。 それだけハヤットのメンヘラ気質と異次元の粘着性 危険性に恐怖を感じてしまったのであった。





ここに比呂保保率いるチー牛国日本とハヤットは支配するリ・アジュール帝国でお互いに宣戦布告がなされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ