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共白髪・友白髪

作者: 黒楓

今日は金曜日!!


いけない?ドラマシリーズです(^^;)

“賢者タイム”と言う事ではないのだけど、孝雄さんの鼓動が聞こえないかと厚い……熱い?胸板の辺りに頬を寄せる。


すぐにカレの指が顎の下へ潜り込んで()()()ので、私は猫そのものになってしまって目を細める。


「どうしたの?」


「うん! あんなに激しかったから……心臓の音、聞こえるんじゃないかと思って」


クツクツと笑う声が胸の振動と共に私の耳朶を打ち、私はまたじんわりとして来る。

カレの……もう片方の手が私の頭に置かれ、その指で髪を梳かれると声が出る。


「ん?」


カレの手の動きが変わり、両手と胸で顔を包まれると、私の中は恥ずかしい激情に満たされてしまい、うっかりと鼻を鳴らしてしまう。


「ネコから犬になったのかな」

こんな意地悪を言われる……


でも意地悪な言葉も私には甘い囁き


「そうよ、私と同じ匂いがするのかなって? ほらさっき、バスローションの入浴剤を使ったでしょ?」


「どうかな……今はもう、しちゃった後だからな」


また意地悪を言われた……

いたずらなカレに軽く胸を触られた私は、カレの腕から逃げて毛布に顔を埋め、拗ねたフリをする。


「孝雄さんってホント!イジワルね!」


このベッドには魔法が掛かっていて……今の私は……娘もダンナも居ない“恋する乙女”にだってなる事ができる。


私を“包む”カレの体が逞しいのだから、尚更だ!


だから背中にくれる二つ目のキスでもう我慢できなくて、クルリと仰向けになってカレの首に縋り、貪る。


「陽子ちゃんは本当に綺麗で優しくて情熱的だね」


そう言われて私は嬉しくて幸せを嚙みしめるのだけど、キスの合間に少しだけツレナイ事を口にする。


「きっと奥様とのピロトークも同じ様になさるのね」


この私の“憎まれ口”に孝雄さんは吹き出し、私を抱く腕に更に力を込めて耳元で囁く。


「アレとはずいぶんとご無沙汰だよ! そうだな……オレの腹がブヨブヨだった事しか知らない」


こういう時に限って私の“主婦脳”が頭をもたげ、余計な事を口走る。


「孝雄さんの下着姿は不格好では無いから、今のカラダのサイズに合っているのでしょ? 柄は揃えていても奥様がタグに書かれているサイズが変わった事に気が付かない訳はないわ」


「アレは陽子さんにみたいに繊細では無いよ」


「まあ!酷い事をおっしゃるのね!」


「幻滅した?」


「いいえ、ちっとも! 私にだけ優しくして下されば、それでいいの!」



--------------------------------------------------------------------


ふたりもう一度

同じ匂いになりたいと

私がおねだりして


あちこち()()()()まで“バスローションだらけ”のジェットバスの中に居た。


だって今日は『ステイ』だから


まだまだ二人きりの長い夜……


そして、エアコンの涼しさを実感しながら


カレも私も


これからの“行為”へのエクセサイズの様に


濡れたカラダを拭う為のタオルをお互いの体に這わせている。


そんな遊びの最中に、私はカレの“下半身”にキラリ!と光るものを見つけて手を止める。


カレも私の太もも辺りに居た手を止めて……()()()()を覗き込んだ。


「……白髪だな」

そう言いながらカレは悪戯なタオルで私に探りを入れて来る。


「キミはまだの様だが……」


「モウ!」


私は軽い拳固でカレの胸を叩き、そのままそこに顔を埋め……背中にカレの両腕を感じる。


ゆっくりとしたカレの“支配”に身を任せた私から


思わず言葉が零れる。


「ともしらがに……なれるかしら」


「それは共通の“(とも)”? それとも友達の“(とも)”? いずれにしても……」


カレに抱かれながら

私はカレの……その先の言葉を思う……そう!私達は道ならぬ恋!!


カレの事を……この世で一番大切に思うこの想いも……


きっとピュワでは無い。


お互いの生きて来た道筋だったり

伴侶だったり

肉欲だったり


色んな事の結果として


私はこの想いを抱え込んでいる……


だから!!


ダンナでは無く!!


孝雄さんと共白髪でありたいと思ってはいけない!!


それなのに……

カレの手が私の両頬を包み、微かに開いたくちびるが近付いて来る。


ああ、このキスがきっと……

すべてを曖昧にしてしまう……


長い長いキスの後……お互いのくちびるを繋ぎ留めている“糸”がキラリ!と落ちて


カレのくちびるは私の耳元に舞い降りた。


「とも白髪で居られるよ」



そしてそれは


二戦目の合図となった。



            



                      終わり


まあ、私生活はからっきしな黒楓ですので


ひたすら妄想力を働かせております(^^;)




ご感想、レビュー、ブクマ、ご評価、いいね 切に切にお待ちしています!!

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