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2.イケメンの向かう世界

こんばんわ!

毎日23時過ぎに更新しています!


みんな楽しんでくれることを願います!


2020/01/15

なろう定型版に改変いたします。

 ◆


 ――アレンとプリムは買い物を終え、店に帰る途中。

 少しずつアレンはプリムへの警戒心を解き始め、コミュ障である彼も話せるようになっていった。


「そういえばプリムさん。この世界には魔王っているんすか? 前世ではぶっ飛ばしたんすけど」


「ええ。魔王『ガルガナック』は今も人間の地を脅かしてるわ。それと、幹部が三人。夢魔王『ネメルコーネ』、美食王『ピュロナ』、妖艶ようえん王『パブフネッカ』。それぞれは三大欲求を司る魔物で、人間には大敵なの」


「へぇ……。やっぱり幹部的なのはいるんだ」


「そうよ。この国・ヘルザール王国からも毎年何人もの勇者が立ち向かうために旅立つけど、大体は帰ってこないわ。――おそらく、みんな心半ばにして倒れるから」


 プリムは俯き、暗い顔を見せる。


「どうしたんすか?」


「え、いいえ。私の兄も戦士として旅立ったの」


「え! それって」


「……二年前にヘルザール国王から激励を受けて旅立ったきり、音信不通なの」


「そうだったのか」


「でも、でも! 兄が勇者として旅立ってくれたおかげで、国から給付金が貰えて、店を経営できてるの! だから、兄の死は無駄じゃないと思ってるわ。そう、無駄じゃない……」


 プリムの声が小さくなり、消えていく。

 アレンはその苦しみが痛いほどわかるのだ。


 ――生前のアレンは、何度も生き別れをした兄弟や子供の死を嘆く親、ゾンビと化した姉を叩き切る弟など、幾度も見てきた。


「そうだと思うっす! 兄貴の頑張りは無駄にはならない! 今だってどこかで頑張ってるはずっす!」


「そ、そうよね。そうであって欲しい」


「生きてるっすよきっと! プリムさんの魔力量でわかるっす! 兄貴はきっともっとすごい魔力の持ち主だと! 俺、そう思うっす!」


 アレンは励ましが下手くそだ。

 それは、コミュ障に起因する。


「……本当、アレンって見え見えの励まし方をするのね」


「うっ」


「ま、私も信じてはいるの。どこかで生きてる! きっと。だから、私はいつか兄貴に会って、『何で連絡をよこさないんだ!』ってぶっ叩いてやるわ!」


 プリムはそう言い、グッと拳を握りしめた。

 その力強さを見、アレンはふうと息を吐く。



 ――午後二時を過ぎた頃。

 店の開店まで残り三時間。

 それまでに、野菜や肉の下味をつける時間が必要だった。



 ◆



「魔王様の情報によると、このヘルザール王国に『転生者』が来てるって話ね?」


 ――ヘルザール王国の近くの崖の上から見下ろす二つの影。


「そうでゲス。ウチの鼻でも分かりますぜ、この国にいるはずでゲス!」


「ふぅーん……。ま、私をウナさせるほどのイケメンじゃなけりゃ、いつも通りに従者にしちゃうけどね!」


 そう呟く女は、露出だらけの服装である。

 髪が長く、唇がセクシー、美しいまつげが男の気をそそる。

 背中に生える二枚の薄膜の羽には大量の桃色の鱗粉が付いており、羽ばたくたびに風は濃い色に染まる。


「それでは参るでゲス。イケメン勇者の捕縛作戦の決行でゲスよ、パブフネッカ様!」


「ええ。――私の性欲を満たしてくれるのかしら? おーっほほほほほほっ!」


 高笑いをし、術式を展開して空気の中に消えていく二つの影。


 ――パブフネッカ。


 それは、魔王幹部の『性欲』を司る妖艶ようえん王・パブフネッカだった!




 ◆

読んでいただきありがとうございました!


明日も23時に更新しますので、宜しければぜひ明日もお会いしたいです!


また、ブックマークをしていただけたら、作者は喜びます!

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