第75話 そしてルーシーは再び子供を産んだ!
ほんの少しだけ余裕があるので今日から中学生編が終わるまで2本ずつ投稿します。
1本目はいつも通りの9時で2本目は23時に投稿します。
あれからなんやかんやで1年と半年が経ち、退院が少し長引いたとはいえ、俺は遂に退院した。
「ララ! ココ! ロロ! ルーシー! ただいま!」
『『『主! おかえりなさい!』』』
「わんっ!(おかえりでやんす)」
ルーシーが4匹に増えたみたいに見える……
「イリス、あまりはしゃがないの」
はしゃいでないし。別にルーシーたちと会えて浮かれてないし。
「ほら、ここにもルーシーの新しい子どもたちが居るんだから」
「……は?」
早くない? ついこの間ララたちが産まれたばかりだぞ?
『『『『『こんにちは!』』』』』
めっちゃ増えてらっしゃる!? え? ルル、ナナ、ノノを入れて全部で……11匹+ルーシー+スバルくん!?
「それで名前をと思って二人を連れて来たんだけど……」
「「イリスちゃん来たよ! 退院おめでとう!」」
アリサの癖に仕事早いな!
「二人ともありがとう! それで名前だっけ?」
「女の子4匹、男の子1匹だよ」
5匹かぁ……っていうか相変わらずの女の子率だな。男の子1匹は可哀想だろ……よし、決めた。
「モモ、ネネ、ミミ、メメ……それとトトかな?」
「それだと男の子がトトだね」
「イリス、あなた相変わらず凄いわね……」
アリサその顔はなんだよ。名前のセンスに何か文句あるのか?
「さすがにこの数のお世話はできないよね……」
それな。俺たち3人だけだと難しいな……
「どこかあてはないの?」
「やっぱり蒼真くんたちかな? イリヤちゃんどうしてるのかな?」
「私ならここにいますよ!」
何故かイリヤちゃんが門の外から覗いていた。
「「イリヤちゃん!? どうして!? モブに成り下がったんじゃなかったの!?」」
「……なかなか酷いこと言いますね。とりあえず事情は把握しましたわ。ではこの娘を連れて言ってもいいですか?」
イリヤちゃんはネネを指差して言った。
「ネネだね。ネネもそれでもいい?」
『えーよ』
ルーシー病に浸食されてるヤツだ……このネネを引き当てるとはさすがイリヤちゃん……
「大丈夫だって、じゃあよろしくね」
「任せてちょうだい、これぐらい朝飯前よ。すでに一匹飼ってますし、執事も何も言わないでしょう。そろそろ行かないといけませんね。それではまたいつか」
いま執事という単語が聞こえたんだが……この金持ちのボンボンが! 破綻しろ!
イリヤちゃんはネネを連れて行った。
「じゃあミミは私が連れてくよ」
「いいの?」
「うん、大丈夫だよ」
光ちゃんがミミを引き取ることになった。
「さて、残り3匹だけどやっぱりこれは厳しいかな?」
せいぜい1匹が限界かな? とりあえず蒼真くんたちに聞いてみるか。
数時間後……
「ごめん僕の家は無理。あと僕まだノーパンなんだけどなんとかしてくれない?」
お前まだノーパンなのかよ。ここまでくるとさすがに少しだけ申し訳ないと思う。
「すまんイリスちゃん」
「右に同じく」
コイツら使えねー。結構省略されてるけど探すの大変だったんだぞ?
そして何年経っても成長しない『右に同じく』。だからそっちは左だって。
そして家に帰ってきた。
「どうする? 月美ちゃん家はもう難しいよね?」
「そうね……」
「他に誰か知り合い居ないの?」
日向先輩たちは難しいだろうな……1番可能性が高いヒトは……
その時、俺は偶然ポケットに入っていたブレスレットを取り出した。
「あっ、いるじゃん」
「「え?」」
という訳で俺と光ちゃんはメメとトトを抱っこして駅に向かった。月美ちゃんはお仕事があるから帰ってしまった。
「電車なんて久しぶりだね。小1以来?」
「そう……だね……」
子供料金は愚か無料で通れてしまった……これでも来月から中3なのに……
「げ、元気だしてよ。成長はまだまだこれからだよ!」
これからか……身長、まだ109なんだよな。1年生の時で108だったから1cmしか変わってないじゃん。
「ほら電車きたよ」
俺と光ちゃんは電車に乗り、それから歩いて目的地に着いた。
カランカラン♪
「いらっしゃいませ! イリスちゃん分かってるよ。そのメメとトトでしょ? ネーミングセンス凄いね」
いま絶対「ネーミングセンス凄いねwww そんなんだから身長が小さいんだよ(笑)」って言ったろ!?
※言ってない
「イリスちゃん、このヒトは?」
「卒業式に来ていたぴーてぃーえー会長だよ。よろしくね」
こんなやつが会長とかぴーてぃーえー終わってるよな。
「文句あるなら受け取らないよ?」
「すいませんでした。受け取ってください!」
まるでラブレター渡してるみたいだな。
「わかったよ。ワンちゃんは可愛いから……ってちょっと待ってよ葉月! お姉ちゃんは猫も大好きだよ!」
「むぎゅ~」
守護霊さんは葉姉に似ている葉月と呼ばれた女の子に抱きついていた。
あの女の子の身長、俺より大きい……
「またそんなこと言って……お姉ちゃんも何か言ってよ!」
葉月ちゃんの見ていた方向を見ると音姉がいた。
なんでアンタがここに居るんだよ。それよりも原稿用紙真っ白じゃねーか。また編集者さんに怒られるぞ。
それと今お姉ちゃんって言ったよな? ってことはまさか……葉姉!?
「イリスちゃんの考えであってるよ? 私の出番はこれで最後だけど、久しぶりに登場できて満足だったよ。じゃあね」
カスっ
守護霊が指を鳴ら……鳴らした? かすってなかった?
「……時間よ戻れ」
すると何故か時間が戻った。
「イリスちゃんの考えであってるよ? 私の出番はこれで最後だけど、久しぶりに登場できて満足だったよ。じゃあね」
パチンッ!
そして守護霊さんが指を鳴らすと俺と光ちゃんは家に帰っていた。
「え? イリスちゃん、これどういうこと?」
「んにゃ? 光ちゃん、私寝ちゃってた? またお世話かけたね」
ここは誤魔化さないといけないよな。守護霊さんって結構抜けてるところ多いから。
「どうかしたの?」
「ううん、なんでもないよ。それよりこれでモモだけになったからお世話できるね」
「そうだね。よろしくねモモ」
『よろしくお願いします』
良かった普通だ。ルーシーみたいになってなくて良かった。
「わふっ(主今バカにしませんでした?)」
「気のせい」
「わあああああああああっ!!! もう恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ!!! あんな所で指鳴らしに失敗するなんて! もうやだ! 葉月なんとかして!」
「知らない! そこにいる犬と仲良くしてなよ!」
「そんなこと言わないでよ! 私は猫も大好きだよ! 葉月確保ッ!」
「ふにゃ!?」