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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第62話 お泊まり勉強会 1



「はい、それじゃあホームルームを終わりますが、明日から中間テストですので気を抜かないようにしてください。じゃあイリスちゃん号令」


 また俺かよ。っていうか中間テストか……


「きりっちゅ!」

「「「ぶっ!?」」」


 噛んだ……めっちゃ恥ずかしい……みんなプルプルしてるし、もうやだ……


「うにゅ~~っ!!! きをちゅけ! えいっ!」

「「「…………さ、さようなら」」」


 最後までめっちゃ噛んだ……もう号令なんてしない。


「イリスちゃん可愛いかったよ!」


 光ちゃんが抱きしめてきた。


「光ちゃんやめて……死にたい……」

「なら一緒にテストで死なない? 私のテストは終わったの」


 月美ちゃん……俺も文系科目何も分からないんだ。中学生の内容のはずなのに何もわからないんだ。授業マトモに聞いてたはずのに体が拒絶反応起こすんだ!


「ねえ、勉強会しない?」

「「ふえ? やだよ。なんで終わったのに勉強会するの!」」

「テストは終わってないよ! じゃあ今日からテスト期間中は3日間あるからそれぞれの家で1日ずつ勉強会をする! お泊まりで!」


 お泊まりか……


「それいいわ! やっちゃう? パジャ……勉強会!」

「月美ちゃん今パジャマパーティーって言おうとしたね? 勉強会だからね? まあイリスちゃんは3日間大丈夫だから、とりあえず初日は月美ちゃん家で大丈夫?」


 なんで俺の日程勝手に決めてるんだ?


「OKよ。じゃあ後でうちに来てね」

「わかったよ。イリスちゃんも迎えに行くから準備していてね」


 別に迎えに来なくてもいいのに……


「でも小鳥お姉ちゃんが……」

「先生ならさっき笑顔でOKくれたわ」


 いつの間に!? さてはお前ら最初から企んでいたな! 俺を嵌めたのか!



 その後、家に帰って少ししたら光ちゃんが迎えにきたので、準備を手伝わせてから一緒に行くことになった。



「へいらっしゃい!」

スパーンっ!

「それ八百屋!」


 俺は月美ちゃんをマイハリセンで叩いた。


「……イリスちゃん容赦ないね」

「月美ちゃんがMだからね」

パシーンッ!

「Mじゃないのよ!」


 うん、知ってた。そして今のは結構痛かった。

 俺は頭を抑えてその場にしゃがみこんだ。


「いたい……」

「今のはイリスちゃんが悪いよ」

「じゃあ部屋に案内するわ」


 俺たちは月美ちゃんに部屋まで案内された。というより抱っこされて運ばれた。


「「じゃあなにして遊ぼうか!」」

「勉強会だよ!」

スパーンっ! ペシンッ!


 俺と月美ちゃんは光ちゃんにマイハリセンを奪われて叩かれた。


「「いたい……」」


 それから数分後に勉強会を開始した。


「明日の科目は社会と理科だよね」


 社会? でもそんな科目はリュックに入ってないんだけど……あっ


「数学持ってきちゃった」

「「……貸してあげるから一緒に見ようか」」


 冷静な対応が地味に傷つく!


「じゃあ……最初の頃の日本に韓国や中国から渡ってきた人々をなんと言うでしょうか!」

「……旅人?」


 なにそれ? 知らないんだが……


「……イリスちゃん、これぐらいは分かっておいてよ。『渡来人』だよ」

「……そんなものもあったね」

「絶対分かってないね。じゃあ次!

 聖徳太子と協力して改革を行ったのは誰?」


 ……あっ! これはわかった!


「おののいもこ!」

「蘇我馬子だよ」


 誰だソイツ!!! 知らん!


「次! 645年のときから始められた政治の改革を何というか!」

「わかんない!」

「大化の改新だよ! もう諦めなよ……あの時はイリスちゃんは頭いいって思ってたのに……」


 ああ、あの時は理系科目だったからな。文系は本当に分からん。


「じゃあ理科やろうか」


 それから理科を始めた。


「……わからない! なんでイリスちゃんは分かるの! さっきまで何も分からなかった癖に!」

「理系は領分なんで(どやっ!)」


 ここでお決まりの天才アピールをする。


「イリスちゃんは文系の時のイリスちゃんの方がいいよ」

「なんで!?」


 俺の悪いところだけをピックアップしようとするな!


「そろそろ夕飯用意しないと……何か希望は「焼き鮭!」……言うと思ってたわ。買ってあるから安心して」

「やった!」


 やはり焼き鮭じゃないとな。我ら焼き鮭教徒には焼き鮭以外に崇拝するものはないのだ。




「さあ召し上がれ」

「……私を殺しにきてるの?」


 焼き鮭とご飯は許そう。でも他のおかずが刷り大根にゴーヤチャンプル、そして冷凍みかん。味噌汁(なめこと豆腐のみ)はいずこ?


「あっ、冷凍はダメなんだっけ? ごめんね」

「イリスちゃんは野菜が嫌いなだけだよね?」

「えっ? そうなの?」

「(こくこく)」

「じゃあこうしましょうか。少し待っててね」


 

 数分後……



「これでよし!」


 明らかによしじゃない! なんで両手両足縛られて目隠しされてるんだ!


「はい、あーん」


 無理……確実にちぬ……


「ほら鮭だよ」


 鮭!? い、いただきますっ!


パクっ!

「げほっ! 黙された……焼き鮭教徒……ばんざーい……」

ばたんっ!

「……なんで今ので引っ掛かったの? っていうか気絶するほどなの?」













「あれ? ベッドで寝てたっけ?」


 すると誰かが部屋の入り口から俺を覗いていた。

 月美ちゃんだな。まさかずっと見ていたのか? それともたまたまか?


「おはよイリスちゃん、今朝の5時ぐらいだからお風呂入っていいよ」


 お風呂か……1人で入れない。っていうか俺の気絶してる時間長過ぎじゃね? 野菜1つで何時間気絶してるんだよ。


「……どうしたの? まさかと思うけど1人で入れないの?」


 うっ! それを言われるとツラいっす!


「……図星?」

「(こくり)」

「なんかごめんね。一緒に入ろうね」


 月美ちゃん、謝らないでくれ。

 俺は月美ちゃんと一緒にお風呂場に向かった。


「じゃあ服脱いでね。私も準備してるから」


 俺はブレスレットを付けて、服を脱ぎ始めた。その間、月美ちゃんは靴下とズボンを脱いで完全にペットの体を洗う体制に入っていた。


「じゃあ目(つぶ)っててね」


 俺が目を瞑ると月美ちゃんはシャワーをかけてきた。


「じゃあシャンプーするね」


 それからリンスとトリートメントをした後、身体を洗われてお風呂に入れられた。


「イリスちゃんは肌白いね……どうしたの?」

「なんでずっと見てくるの?」

「イリスちゃんは見てないと危ないからね」

「そこまで子供じゃないんだけど……」


 なんでみんな俺を子供扱いするんだ? やっぱり見た目か! 見た目が悪いのか!


「大人は1人で身体を洗えるのよ?」

「はい、その通りです。反論できません」

「それに光ちゃんから聞いたわよ? イリスちゃんはドジっ娘だって」


 あの子供(クソガキ)許さん! 俺の秘密をバラしやがって!


 それから朝食を済ませ、一旦光ちゃんの家に荷物を置きに行ってから学校に向かった。

 ちなみにテストは社会が撃沈した。

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