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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
2章 銀髪幼女の生活 ~~中学生編~~
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第52話 イリスと日向先輩


 何故将吾がここに……


「イリスじゃねーか偶然だな」

「おっ、イリスちゃんか。久しぶりだな……って言ってもわかんねよーな。ずいぶん大きく……なった?」


 将吾が以前に会った『コイツ』さんと屋台にやってきた。

 店主のことをマスターって呼ぶのか? それはバーとかだけじゃないのか? それともお前は英霊か?


「なってませんよ……コイツさんでしたっけ?」

「おう、よく覚えててくれたな。そうだコイツだ!」

「……イリス、そこの男について聞かせて貰おうか」


 やっぱりそうなったか……少し遊ぶか。


「(日向先輩、少しふざけませんか?)

 聞いてパパ、この人は日向 太陽先輩。私の部活の先輩で、私の大好きな人なの! 私、太陽先輩と結婚するの!」


 いざ結婚しろと言われたら無理だが、こういう遊びだけなら大丈夫だ。


「どうも日向 太陽です。イリスちゃんのことが大好きです! 娘さんをください!」


 よし、乗ってくれた。おそらくだが、コイツさんは俺の「少しふざけませんか?」という台詞が聞こえてたな。だって、にやけてるしな。日向先輩見て笑ってるしな。


「ほら、どうすんだよ将吾。イリスちゃんも年頃の女の子なんだぜ?」

「ダメだ! イリスに恋はまだ早い! だってイリスはまだ小学1年生なんだぞ!?」


 お前、本当に父親か? 1年や2年ぐらいは仕方ないとは思うが、さすがに6年は異常だ。今すぐ医者に診てもらえ……ってお前が医者だったな。


「パパ! 私は太陽先輩が大好きなの! お願い!」

「(元々胸が無いとはいえ、コートのせいで完全にやわらかさが感じられない……クソっ! 男のロマンが!)お義父さん! 俺も大好きなんです! 娘さんをください!」

「まさかイリス……本気なのか? ううっ……あのイリスが……」


 何を妄想してるのか知らないが、勝手に俺をクソやろうみたいな扱いをするな。


「嬢ちゃん、少しイタズラが過ぎるんじゃないか?」

「え?」


 店主さん聞こえてたのか。まあ、バレてしまったなら仕方ない。


「パパ大丈夫だよ。別に日向先輩はただの先輩だから。私が誰かを好きになるなんてないよ」

「イリス、俺の涙を返せ!」

「ぷっ! クフフ……将吾マジうける……」

「お前知ってたな! 何故言ってくれなかったんだ!」


 コイツさんもなかなかだな。やはり俺たちの周りに集まる人はみんなこんな奴らだ。全員地雷だ。まさか月美さんも何か地雷があるんじゃ……


「じゃあ俺たちは先に帰りますんで、イリスちゃんは送って行きますよ。それでは」

「じゃあねパパ」

「ああ……なあ、たくさん飲んでいいか?」

「ああ、寝たら任せておけ」


 どんだけ飲むつもりだよ……

 俺たちは屋台を後にした。


「なあ、やっぱり普通に歩くとお前遅いな」

「うるさい。歩幅の問題なんだから仕方ないじゃん」

「じゃあおんぶしてやるよ。ほら」


 日向先輩がしゃがんだので、先輩の肩を掴むと先輩は俺を背負った。

 やべっ眠いな。でも起きてないと……


「なあ、イリスちゃん……ん? 寝ちまってるな。こうして見るとただの幼稚園児なのにな……」



 日向先輩は俺の家に着いたので、俺を起こそうとするが、起きなかったので、家のインターホンを押した。


「きゃあ!」

ガシャン!


 アリサが転び、お皿を割った音が外まで聞こえた。


「(だ、大丈夫か?)」

ガチャ……

「はい、どうしました?」


 家から出てきたのはアリスだった。


「ああ、俺はイリスちゃんを送りに来た日向というんだが……」

「うちのダメ姉が迷惑かけたようですね。すいませんでした。どうぞ中に上がってください」

「じゃあお邪魔します……(妹の方が身長大きくないか?)」


 日向先輩はアリスに案内されリビングに移動した。


「あっ、そこはさっきお母さんがお皿割ったので気をつけてください。お姉ちゃんの部屋はそこです。自由に使ってください。部屋は暑いので気をつけて」

「あ、ああ……わかった。ありがとう(ずいぶん監禁してる感溢れる扉だな。でも熱の放出を防ぐにはこれぐらい必要なのか?)」


 日向先輩は俺の部屋に入る。


「暑いな……コート脱がしておかないとシワになるな。よいしょ」


 日向先輩はコートを脱がして、俺をベッドの上に寝かせた。


「さすがに着替えは…………できるわ。余裕だな。こんな幼女に欲情なんてしないな。でも服のセンスは結構いいな。うん、悪くない。将来の俺の嫁(巨乳)に着せる服を選んで貰うか」


 日向先輩は俺の服を脱がして、タンスから服と下着を取り出し、着替えさせようとした。

 そして全部脱がして服を着せようとした時に俺は起きた。


「ふぇ? 日向先輩?」


 うわっ! えっ!? なに!? どういうこと!? なんで裸ヘッドフォン!?


「あっ、いや、これは違うんだ。着替えさせないとアレかなって思っただけなんだ。決してエロいことが目的じゃないんだ!」

「だからって全裸で放置してタンスを漁るやつが何処にいますか……」


 俺は隠すべき所を隠しながら言った。さすがに恥ずかしい。はやく服を返してくれ……


「いや、それは順番を間違えただけで! 決してエロ目的じゃない!」


 タンスを漁る話をスルーするな!


「へぇ、普通なら服を着ることを先に強要するのに先輩は放置して全裸のままにさせるんですか?」


 とんだ変態野郎だな。そんなに俺の裸がいいのか!


「いや、なんというかお前は小さい頃の妹の世話をしてる時と同じ感覚で出来たから……」


 それってつまり……


「妹さんの着替えの時も全裸にしてたんですか。最低ですね。明日みんなに伝えておきますよ」

「やめて! 俺の人生が終わっちゃう!」


 お前みたいなやつの人生なんて要らん! 早く服を返せ!

 どうして俺はあの時あんなに紳士的だと思ってしまったのだろうか。


「はっきり言わせて貰うが、俺はお前みたいな幼女に興味ない!」


 ……別に好かれたいとかそういう訳じゃないが、ここまではっきり言われると傷つくな


「ふぇ……先輩酷いです……」

「あっ、いやその悪かったから泣かないでくれ!」

「日向さん、お姉ちゃんは……あっ、そういう趣味でしたか。失礼しました」


 アリスは扉を閉めようとした。


「待って! これには深い事情が!」


 その後先輩はアリスに説得し、逃げるように家から出て行った。

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