表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
62/155

番外編 第16話 イリスのタイムスリップ!10


 翌日に学校に来たのは俺と小鳥、昨日居たモブ4人と琴道だけだった。

 ……他のメンツどうした? 死んだのか?


「じゃあ今日はこれで遊びましょ?」


 小鳥が人生ゲームを取り出してきた。

 ……これはアレだな。ヤバいやつ。


「折角だからみんなでやらない?」

「いいな! やろうぜ!」


 そう……あの日やった人生ゲームの正体を俺たちはまだ知らないのだ。


「じゃあ配るね。最初はお決まり3000円から! じゃあイリスちゃんからやろうか?」


 なんで俺からなんだよ……


「う~~~~~~っ!!! 届かない! もういい! ここで見てる!」

「……そう、わかったわ。じゃあそこで見ててね」


 よし、身長でルーレットまで手が届かないことを理由に人生ゲームから脱出成功! ……なんか人生から脱出した感じだな。


「じゃあ琴道から」

「おっしゃ! うおりゃぁぁぁぁぁ!!!……2だと!?」


 気合いを入れると必ずと言っていいほど低い数字出るよな……気合いの法則だな。さて、2マス目は……


「落とし穴に落ちる。一回休み」


 ……まあ、1マス目の5142回休みよりはいいんじゃないか? 小鳥のやつどっかのデンジャラスなじいさんと同じことすんなよ……


「じゃあ次は私ね。……7? 台風で家が飛ばされて家を失う。所持金2000万円失う。……高っ!? いきなり借金だよ! 小鳥ちゃんこれおかしいよ!」

「「「止まったやつが悪い」」」


 俺と小鳥と琴道が同時に制す。


「イリスちゃん!?」

「じゃあ次は俺な」


 モブなんてどうでもいいな。どうせお前ら1だよ。


「1」

「1」

「1」

「「「5142回休み。さようなら……」」」


 モブが退場していった……哀愁が凄いけど気にしたら負け。


「じゃあ次は私ね。無限かぁ……よし、勝ちだね」

「「「はい?」」」


 無限? そんな数字なんて……あったぁぁぁぁぁ!!! 超小さいけどあったよ!?


「じゃあ次は琴道……は一回休みだからモブちゃんね」

「酷くないっ!?」


 言い方悪いな! せめて「ソナタの番ぞよ?」とか言えば誤魔化せるのにモブちゃんはないわ!


「まあいいわ……あっ、私も無限だ。じゃあお先に」


 これ……琴道ループ発生だ。


「俺しか残ってないじゃねーか! くそっ! こんなもん終わりにしとけ!」


 こうして人生ゲームは終了した。


「さて、帰るか……なあ、将吾のお見舞い行かないか?」

「「…………」」


 俺と小鳥は目を合わせてしばらく時間が止まった。


「……なにか言って?」

「帰ろっか?」

「うん! 小鳥お姉ちゃん、焼き鮭がいいっ!!」

「答えろよ! 行っちゃいけないのか!?」


 行っていいわけないだろ? またお邪魔しちゃうじゃねーか。


「ねえ、少し行きたい場所があるんだけど……」

「ん? いいわよ? どこ行くの?」

「霊園を見てみたくて」


 実は幽霊を最近見てないからこの体で見えるのか気になっているのだ。


「……まあいいわ。じゃあ行きましょうか」


 俺は小鳥に抱っこされて霊園まで移動した。琴道は結局将吾のお見舞いに行った。


「着いたわよ」


 もしかして幽霊が見えないのか? 誰も居ないように……アレは!? え? でもなんで……


「葉姉……なんで……」

「イリスちゃん変わってないね」


 え? なぜ葉姉が(イリス)を知ってるんだ? イリスは未来にしか存在しないはず……


「にしても過去に来ると姿も変わるとは聞いて無かったよ。ティア姉(守護霊さん)も言ってくれればよかったのに……」


 葉姉……失踪したと思ったら守護霊さんの手下になったのか……


「なんで葉姉がここにいるの?」

「……少しぐらい隠そうとしたら? まあ、知ってるからいいけど」


 守護霊さん言いふらしたな。今度会ったら潰す。


「まあ質問に答えるとイリスちゃんを連れ戻しに来たんだよ」

「連れ戻しに?」

「うん、実はここまで昔に送るつもり無かったんだよ。普通に助けた日の翌日に送るつもりだったんだけど間違えたらしくてね。ティア姉(守護霊さん)はこの時間には来れないらしいから私が送られたんだ。戻ったら眠ってるイリスちゃんも存在してるから目を覚ますことはないだろうけど、お見舞いぐらいは行ってあげてね」


 ……なるほど。わからん。


「イリスちゃん……帰るんだね。じゃあ今度会ったら遊びましょ?」


 小鳥……


「うん、未来で待ってる。また遊ぼ! じゃあね」

「じゃあ行こうか」


 俺は葉姉に連れられて|元の時間軸《誘拐から助けられた日の翌日》に戻る。



「確か琴道が琴葉さんを呼ぶ時って……」

















 目を覚ますと俺は病院のベッドの上にいた。違う所はコートも着てることと、小鳥たちが横に居たことだ。もしかしてさっきのあれは……


「夢落ちかよ!!」

「(イリスちゃん、夢じゃないよ……まあ、今回のイリスちゃんに関する記憶は全員消してあるから仕方ないよね?

 ……あっ、写真消してなかった)」

 ここだけの話、本来はイリスちゃんが本編の時間軸に戻るのは琴道が死んだあとでした。


 本来ならイリスがアリサを慰めたあとに『本編第1話の琴道を刺したあの人』がイリスを殺しに来るのを啓介が庇ってイリスを守るという啓介唯一の感動的名シーンを作る予定でしたが、さっさと本編に戻りたかったし、そんなに重要じゃないし、啓介の死亡シーンなんていらないので作りませんでした。


 というわけで明日からは本編に戻ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ