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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
序章 幼女としての生活
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第5話 探索と幽霊


 今日も俺は暇をしていた。この部屋の気温だと大したことは何も出来ない。ほとんどの可燃性のあるものは全て部屋の外に置いてある。本もごく僅かしかない上に全て幼児向けの本。何も面白くない。最近はこの部屋で可能な限りの運動をし始めたが、できることにも限度がある。おまけに体力もかなり少ないからすぐに疲れてしまう。


「暇だなぁ。そうだ、この小鳥から貰ったコートを着て少しこの家の構造でも見てみよ」


 俺は水色のコートを着て、水色のヘッドホンと水色の手袋をつけた。


「よし、準備完了! いざ、外の世界へ!」


 俺は扉に近づき、本を踏み台にしてドアノブに手を伸ばす。


「~~~~~~~っ!!」


 届け……あと少し……

ガチャ!

 よし! これで押すだけだ!

 俺が扉を開けると目の前に仁王立ちをして少しほっこりした顔をしたアリサがいた。


「イリス? 何をしようとしてたのかな?」

「あれ? なんで?」


 アリサに俺の行動がわかる訳がないはず! 何故バレた!?


「イリス、あれが何かわかる?」


 アリサが指を指した方を見る。すると黒い半球体の物質が天井についていた。


「なにあれ?」

「監視カメラよ。これでイリスがどんな生活をしてるのかわかるのよ」


 なに!? 監視カメラってもっとカメラみたいな構造してなかったか!? 俺が死んでた間にカメラの技術もここまで進化していたのか!?


「それで何をしようとしてたの?」

「暇だからちょっと家をうろついてみようかな?って思って……」

「まあそれくらいならいいでしょう。コートは脱がないでよ?」

「脱がないよ……」


 あんな寒い目にもう遭いたくないわ! にしてもこのコート凄いな。部屋に居る時と同じ感覚だ。欠点は少し重いって所ぐらいだな。まあ、これだけの機能があるんだから仕方ないな。でも顔とか足とか露出してるところは結構寒いな。


 カレンダーを見るとまだ9月だしな。これくらいでタイツとか履いてたらダメだな。12月以降が生きられなくなる。できる限りは我慢だ。


「あっ、ちょっとイリス! タイツは履いて行きなさい!」

「なんで…」

「当たり前でしょ!? 火傷するわよ!」


 どんだけなんだよ。まだ9月だぞ? っていうか俺ってもしかしてコーラすら飲めないんじゃないか? 前に将吾も低温やけどするって言ってたし…


「ほら、早く履きなさい」

「はーい……」



 30秒後……



 よし! 準備完了! 出発!


「そういえば顔は何もしなくていいの?」

「大丈夫よ。イリスの中で頭部だけは他の部分よりも温かいから。でもヘッドホンはしてなさいよ。耳は冷えやすいからね」


 それなら大丈夫だな。危うく俺は全身タイツになる所だったな。


「じゃあ私はリビングにいるから、外に出ちゃダメよ? 出たら今晩イリスの嫌いな中華料理にするわよ」

「絶対に出ません」


 中華料理は勘弁してください。あのドロドロ感がとても見るに絶えない上に味が濃い。子どもの舌ではあれは辛すぎる。っていうかアリサも中華料理嫌いだったような……もしかしてアリサも子ども舌なのか?


「そう、じゃあ行ってらっしゃい」

「行って来ます!」


 さて、まずはこの部屋だ。

 最初は、和室だな。和室はいいよな。まあ、今の俺は手袋のせいで触れないけどな。手袋取ると霜焼けするらしいからはずせないし。

 次は客間だな。何もないな。こっちは風呂か。やっぱり俺のとは違うんだな。

 最後はこの部屋だな。アリサたちの寝室か。ちょっと臭いな。ん? これは……ティッシュ? あの二人やってるな。こっちにカメラがあるな。録画でもしてたのか? ちょっと見てみよう。


『んっ、んあっ……将吾……』

『アリサ……◯る!』

『んんんっーー!?』


 よし、脅しに使おう。にしてもアリサの顔……可愛いかったな……俺もいつかあんな顔を……いやいやそんなことないだろ!!! だってこれ恋愛小説じゃないんだぞ? そんなことある訳ないだろ!?


 そういえば将吾の将吾はかなり成長してたな。よくアリサの上の口とか下の口とか入ってたな。いや、入りきってはなかったが……


きゅん……

「はっ!? 私は今なにを……」


 気づいたら自分のコートの中からパンツに手を伸ばしていた。


『12歳未満はまだ早いぞ?』


「うわっ!? ……なんだ啓介か。話しかけないでよ……」


『対応酷くね?』


 だって誰も居ないところに話しかけるってヤバい奴にしか見えないだろ? それに人の行為を見ようとしてる奴に話掛けるか! よってコイツは無視だ。


『スルーして帰るのやめてくれ!』


「邪魔、どいて」


『ここを通りたければ俺と会話しろ!』


 あれ? お前幽霊だったよな? すり抜けるか。

ドンッ!

「痛い……」


 なんで幽霊をすり抜けられないんだよ……


『フハハハハハ! ここを通りたければ、俺と会話するがいい!!』


 お前はラスボスか!


「やだ。はい、会話終了。じゃあね」

ドンッ!

「痛っ……」


『そんなので満足する訳ないだろ! お前の入浴シーンとオ◯ニーしようとしてたところの写真をばら撒いてやろうか!?』


「頼むから成仏してくれ……」


 っていうかお前写真持ってないだろ……


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