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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第44話 天体観測


 あれからいろいろ準備をして、BBQが始まる辺りで小鳥が帰ってきたので、みんなで縛ったが、秒で抜け出しやがったので放置になった。


「アリサ、お前はイリスと座ってろ!」

「なんで!」

「肉が台無しになるからだ!」


 シンプルイズベストとは言うが、そこまでダイレクトに言わなくてもよくね? 地味に俺も傷つくんだが……


「ショボーン」

「イリス、焼けたぞ。ほら、食べな」

「ありがとう」


 俺は将吾からお皿を受け取り、箸を持った。横を見るとアリサが野菜を避けていたので、アリサが気づかないように野菜をアリサのお皿に移した。するとアリスも同じことをやっていた。


 ……まあ、引きこもりだからカップメン生活だったんだろうな。っていうかアリサは気づけ! 二人で野菜移してるのに何故気づかないんだ!


「アリサ、野菜を食べなさい!」

「え? だってアリスたちも野菜が残って…ない!? あっ……二人とも移したわね!」

「「ん? 何言ってるの? ママ大丈夫?」」


 なぜかこういう時だけはアリスと息が合うな。まあ、俺たちの産業廃棄物(ピーマン)たちは全てアリサが消費してくれるから気にしないで良さそうだな。


「ちゃんと野菜も食べろ! イリスたちも見てるぞ!」

「「(ニヤリ)」」

「めっちゃ『落としてやったぜ!』みたいな顔してるんだけど!」

「……してないじゃないか。いつもの俺たちをバカにしてる顔じゃないか」


 危なかった……いきなり覗き込むなよ……にしても俺のポーカーフェイスの技術も上がったな。


「いいか、イリス。お前はまだ小さいし、来年幼稚園だがママのことはバカにするなよ。お前のために頑張ってるんだからな」


 ……来年幼稚園じゃないし、小さくないし。


「パパきらい……」

「なぜだ!?」

「さすがにイリスちゃんも怒るわよ……」

「そうだな。将吾あり得ないな。お前それでも親なのか?」

「これあげるから許してくれ!」


 それ天体望遠鏡!! 今日みんなで使うやつ! しかも身長届かないやつ! 踏み台を用意しろよバカが! まあ、許してやるが……


「そろそろ時間だし、見に行こうか」

「そうだな。じゃあ片付けだ。……俺しか居ない。アイツらどこ行った! 俺はさっきまで誰と会話してたんだ! ん? なんだこれ? 


 悠司くん、あとは任せた……はあ!?」


 小鳥、逃げるの上手いな。悠司の後ろに回り込んで、上手く視界に入らないようにしてから逃げたし……まあ、悠司くんや。あとは任せた。

 その後、小鳥に抱っこされて星が1番見える場所(別名 葉因渡(ハインド)山)に移動した。


「相変わらず凄いね」

「ああ」


 前に来たときと何も変わってないな。相変わらず凄い星が見える。


「イリス、覗いてみな。小鳥、イリスを寄越せ」


 将吾は俺に向かって両手を差し伸べていた。


「これでイリスちゃんも見えるでしょ?」

「うん!」

「グハッ! 親として1番やりたかったことが……」


 そんなにしたいのか? ただ天体望遠鏡で身長が届かないから抱っこするっていうだけだぞ?


「ほら、イリスちゃん。あの青くて白いやつ、あれが火星よ」

「……え? 頭大丈夫? あれは木星でしょ! お前はどこの世界の人間だ!」


「……それはスピカだよ」

「「え? 今のはボケだよ?」」


 俺がそんなことを知らない訳ないだろ? 元天文部ガチ勢だぜ?


「え"! ヤダ恥ずかしい……でもどうやってツッコミするの?」


 え? 普通にアリサかアリスだと思って話してたが……誰だこの人?


「「…………」」

「えーと……えーと……き、君可愛いね! この海の近くに喫茶店があるんだけど、いっ、一緒に行かない?」

「いきなりナンパ思考!? そしてここは山だし、喫茶店はないよ!」

「ありゃ! まさか幼女に言われるなんて……でも近くで喫茶店は経営してるよ! 私そこのオーナーだから! 私の娘にもこんな小さな時期もあったなぁ……今なんてこれから中学生になるからって私のことはゴミ同然に扱うのに……」


 まあ、御愁傷様です。反抗期ですよ。反抗期。


「「その気持ち分かります!!」」

「ママ、パパ……あとで覚えておいてよ……」

「「うっ」」

「あはは……そんなに幼いのに……お疲れ様です……」


 いや、もうすぐ中学生なんだけどな……まあ、見た目からは判断出来ないもんな。仕方ない。


「お姉ちゃんはいくつかな?」


 アリスに向かって聞いてやがる……言っとくがそっちが妹だぞ。


「7歳です!」

「妹ちゃんはいくつかな?」

「12歳です!」

「へー12か……私の娘と同じだねぇ……12!? 嘘でしょ!? こっちがお姉ちゃん!?」

「それで1番上のあなたは……」


 小鳥に聞いてやがる……三姉妹にしか見えてないのか?


「3(ピッー!)です!」

「えーーっ!!!!」

「そして私はお姉ちゃんじゃないです」

「そういうこと……ビックリしたぁ……にしても随分似てますね」

「よく言われるんですよー

 ホントこんな奴らと一緒にしないでくださいよぉ……(ボソッ)」


 おい、今かなり小言だったが、抱っこされてた俺には聞こえたぞ?


「あっ! そろそろ帰らないとまた怒られる! それではまたいつか! あっ! 喫茶店の名前は『七星』です! よろしくお願いします!」


 スピカの人は走って帰って行った。

 ……今、またって言ってたな。絶対何度も怒られてるな。そしてさらっと宣伝してくる辺りが凄い。


「じゃあもう少し見てから帰るか、ほらイリス、あれが『イリス』だ。見えるか?」

「おー私だ……」

「……レンズが反射してるな。少し待ってろ」


 冗談なのにな……まあ、いいか。つーか天体望遠鏡は反射して見えないとかあり得ないだろ。お前何も勉強してないな? なにあたかも『俺は詳しいこと知ってます~』アピールしてんだよ。


「あの星から名前を取ってイリスにしたのよ」

「まんまじゃん」

「「…………(高校時代に偶然出会った女の子の名前がイリスだったからとは言えない)」」


 っていうか星の『イリス』は虹の神様にちなんでつけられた名前なんだから実質俺の名前神様もろパクりだろ?



 それから30分ぐらい星を見た。



「じゃあそろそろ俺たちも帰るぞ」

「「はーい!」」


 俺たちは車に乗って、帰った。酔い止めは小鳥が隠し持っていた。……あれ? 何か忘れてるような……まあ、気のせいか。












「おーい! どこだー! アリサー! 将吾ー! 小鳥ー! イリスー! アリスちゃーん!

 ……まさか置いて行かれたのか?」

「そこの使◯みたいな格好をした不審者! 止まりなさい!」

「え?」

 明日は登場人物資料、明後日からは番外編を投稿するので本編は一旦お休みです。

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