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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第40話 プライドを捨てて回避せよ!


 今日は部屋に引きこもっている。


「イリスちゃん! あそーぼー!」

ガチャ!

「ダメだよ光ちゃん! 閉めて閉めて! イリスちゃんは今、昨日のアレで傷付いてるんだよ! 早く閉めて! そういうのは自分から開かせるんだから!」

ガチャン!


 蒼真くん、貴様余計な気遣いを……余計に傷付いたじゃねーか。


「イリスちゃん、大丈夫だよ! 可愛いかったよ! だから気にしないで!」


 いや、そっちも落ち込んでるが、俺のこの引きこもりの最大の原因はGだから違うんだ……




 数十分後……



「「えっ!? ゴキブリ!?」」

「貴様らその名を口に出すな!」

「Periplaneta fuliginosa?」

「学名にすればいいと思うな! っていうか何でそんなこと知ってんの!?」


 あれは悪魔だ。やつらは俺たちが油断した瞬間に突如として足元にやってきて、瀕死にさせてくる。あれはもはや凶器だ。あんなの存在していていい訳ない。火星にでも生息地を移動しろよ。


「確かにいきなり現れると驚くよね。でも光は普段からじょ……知り合いのおじさんからそういうのは触れるようにしておけって言われて現れる度に光が追い出してるよ?」


 その上司絶対、G嫌いだろ。何上手いこと言って光ちゃんを利用してるんだ。


「僕は普段から掃除してるから出ないよ?イリスちゃんはどこで見たの?」

「地下室」

「「え? やっぱ金持ちだったんだね」」


 何その地下室=金持ちみたいな発想は!? 俺もその発想はあるがな!!


「じゃあ掃除しに行こうか。イリスちゃん!」

「いや……もう外は怖いの……」


 無意識に体が震える。俺にはもう無理だ。この世界は終滅を迎えた。きっとこれからヒャッハーな世界が始まるんだ……


「(怯えてるイリスちゃんも可愛い! 少しお姉ちゃんに嵌まっちゃったし、小鳥先生のマネしてみよ)

 イリスちゃん、大丈夫だよ。何があっても光が守るから……」


 光ちゃんが抱きしめてきた。

 初めて女の子に告白されてしまった。しかも11歳の女の子に……


「イリスちゃん? 顔赤いよ?」

「えっとね。光ちゃん、その、ありがとう……」

「いいんだよ。イリスちゃん、気にしないで。じゃあ行こうか」

「いや、それは却下で」

「「(今の流れで拒否!?)」」


 あんなGの巣窟に行って堪るか! 絶対中で増殖してるぞ!? だったらここにいた方が安全だろ!!


「イリスちゃん、ほら行くよ!」


 くっ! 力じゃ光ちゃんには勝てないのか! こうなったら……


「おねーちゃんやだよ……イリス怖いよ……」


 偶然的に手に入れたこの演技力を見よ! え? プライド? もう俺には存在しないんだ!!


「(か、可愛い過ぎる! 反則じゃない!? なんか凄い罪悪感が出てきたんだけど!)

 全く仕方ないなぁ、今回だけだよ? じゃあお姉ちゃんと遊ぼうか」

「うん……」


 よし! 作戦成功! 例えプライドを捨ててでも俺たちはGから回避せねばならない。それはこの世界の理である。ん?


カサカサカサ……


「いやああああああああああっ!!!」


 ここも危険地帯だったのか!! やつらは一体どれだけ生命力が高いんだ! っていうか誰でもいいから早くモザイクしろ!!!


「イリスちゃん!」

「おねーちゃん! たすけて!」

「(可愛い……)仕方ないなぁ、よいしょ。ほい!」


 うわっ、素手で捕まえてらっしゃる……


「じゃあ捨ててくるね。森へお帰り。……イリスちゃん! もう大丈夫だよ!」

「手を洗ってきてーーっ!!!」


 あのまま触られるのは無理だ! 勘弁してくれ!


「僕、今日来る必要あった?」



 数日後……



「それでね。イリスちゃんが凄い可愛いかったの!」

「もうやめてあげてください。本人、凄い傷付いてるんですから……イリスちゃん、怖かったんですね。私が守ってあげますよ」


 イリヤちゃん……また告白されてしまった。


「幽霊から逃げてた人が私を守れる訳ないじゃん」

「辛辣っ!!」

「大丈夫だよ! イリスちゃんは光が守って行くんだから! もうイリスちゃんが転ばないように今日もおんぶして登校して来たんだから!」


 それは申し訳ございませんでした。毎日ご苦労様です。そろそろおろして貰ってもよろしいでしょうか?


「光ちゃん、体力凄いですね」

「これでも鍛えてるからね! それにイリスちゃんも軽いし!」

「なんで成長しないんでしょうか……」


 ホントそれな! なんで身長伸びないんだよ! もっと伸びろよ! ……ん?


「光ちゃん、なんか大きくなってない?」

「あっ、気づいた? 実は遂に光もAという壁にたどり着いたのだ!」

「「へぇ……」」

「反応薄くない!? 二人とも小さいからってそういうのはいいよ!」


 あれ? 俺っていつの間に胸の大きさを気にするようになったんだ? というか俺が光ちゃんに聞いたの身長なんだが……


「そういえば私は遂この間、アレが来ましたよ」

「「アレってなに?」」

「さては貴女たち寝てましたね!?」


 ん? ああ。当然だろ? 授業を起きてる方が難しいだろ。


「いや、光は寝てると怒られるから……」


 あれ? なぜ俺は怒られないんだ?


「まあ、イリスちゃんは先生すら癒してるから起こされないのも分かるよね」

「そうですね。むしろ幼稚園児は寝てて当然ですからね」


 おい待て今なんつった!? 幼稚園児だと!? ふざけんじゃねーよ!!! バリバリの高校生だわ! いや、小学生だったな……


「それでアレってなに?」

「イリスちゃんにはまだ早いと思いますので、今度その時に教えます。光ちゃんが」

「え"っ」


 お前が教えるんじゃないんかい!


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