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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第38話 アリスの初恋とイリスの弱点


 あれから蒼真くんのパンツは消えた。はっきり言って、関係ないからどうでもいい。これが光ちゃんとかだったら土下座で切腹だっただろうが、蒼真くんだから別にかまわない。


「なんか僕の扱い酷くない!?」

「蒼真くんはもうすぐ出番終わるんだからいいでしょ!」

「よくないけど!? 大体出番って何!? ちょっと中学が違うだけだろ!」


 この町には中学校は2つあり、1つは水無月中学校、もう1つは神無月中学校がある。俺と光ちゃんは神無月中学校だが、蒼真くんは水無月中学校に通うので、お別れである。


 ちなみに士郎くんと陸くんは水無月中学校である。イリヤちゃんはロシアに帰るらしい。まあ、元々一時的に日本に来てただけだしな。


「そう考えるとみんなとお別れだねイリスちゃん」

「そうだね。でも何の思い出もないし、あったかも知れないけどろくな記憶ないし、全身タイツで記憶が上書きされてるからもう覚えてない」


 今俺たちは悠司が全身タイツで踊っているのを見せられている。理由は簡単で昨日のお昼のドッチボールのアレの罰ゲームだ。


「フォウっ!」


 ……本人楽しんでたらそれはもう罰ゲームじゃなくね?


「ねえ、帰っていい?」

「いいんじゃないの?」


 じゃあ帰るか。小鳥呼んで来るか。


「小鳥お姉ちゃん、帰ろ!」

「そうね帰ろうか」


 なんかあっさり許可出たし……まあ、悠司のあんなの見せられたら元同級生の俺たちは恥ずかしいよな。他のアリサを筆頭としたアイツらは羞恥心というものを生まれる前に天国に置いて来てしまったようで、この程度で恥ずかしいなんて思うことはない。さすがに黒歴史語られたらアイツらでも終わるが……いや、朱音と啓介はそんなこと無かったな。


「実は今日は点検中で車無いから歩いて帰るしかないんだよね」

「そうなんだ……じゃあ歩いて帰ろうか」


 俺は歩き出した。すると……


「きゃ!」

ガシッ!

「ふぅ、セーフ。全く、少しくらい学習してよ」

「いや、これは治らないよ……だってアリサの遺伝だから……」

「……そうね。無理言ってたわ。よいしょ、じゃあ帰りましょ」


 ん? 何故に抱っこされたんだ? ちょっ! みんな見てるんだが!


「おろして!」

「ダメよ。転ぶでしょ?」

「くっ! おろせー!」

「くっおろ!? 新しいわね。でも反論出来ないからって強引にやっても無駄よ。諦めなさい」


 俺は小鳥に抱っこされたまま家に向かった。

これでも悠司に6年間矯正を受けてきたんだぞ! おかげで前よりは転ぶ回数も格段に減ってるからな! まあ、1日数回は必ず転ぶが……


「ん? あれって……」


 アリス? それと……男の子!? 二人きり!? 嘘だろ!? あの二人まさかもう出来てるのか!


「イリスちゃん、同じこと考えてるようね。ちょっと尾行してみようか」

「そうだね」


 俺たちは尾行を開始した。


「しゅうやくん、今日遊びに行ってもいい?」


 アリスのやつめ顔まで赤くしやがって……しゅうやくん! 騙されるな! そいつはおっさんだ!


「いや、今日は沙耶と二人で遊ぶから無理だ。それに俺はお前と遊びたくない」


 うぇーい、ざまぁアリス! しゅうやくんには別の女が居たようだな!


「なんで……私じゃダメなの……」

「うんダメ」


 ……意外と辛辣だな。最近の少年はそんなにバッサリ捨てるのか。別にアイツを庇う訳じゃないが、アリスは普通に可愛い方だと思うぞ。あっ、アリスのやつ涙目になってやがる。


「俺は沙耶一筋だし、お前の姉ちゃんドジで有名じゃん!」


 おい待て今なんつった! 俺が学校中でドジ有名だと? ふざけてるのか? 下級生にまで伝わるとかあり得ないだろ! しかもそれをアリスと遊ばない理由にするな!


「確かにお姉ちゃんはバカでアホでドジでマヌケだけど! 私はそんなことない!」


 ……アリス、あとで一緒にお風呂に入ろうな。


「俺はお前に興味がない。じゃあな」


 しゅうやくんは立ち去って行った。

 さて、アリスをお風呂に……あれ?


「うっ……ううっ……」


 何故に泣いてるんだ……


「わたし……はじめてだったのに……」


 ネタに走ってるのか、初恋で本気だったのか……どっちだ?


「小鳥お姉ちゃんはどっちだと思う?」

「ちょっと待って、あれは……本気ね……」


 マジか!? アイツ元おっさんだろ! しかもキモデブニートだろ!? 仕方ない、ここは姉らしくしてやるか……


「イリスちゃん?」


 俺はアリスの元に歩いて行く。


「きゃっ!?」

ドサッ!


 何故にこういう時に転ぶんだ……許すまじアリサ……


「お姉ちゃん? どうして?」


 その後、俺は公園のブランコに座りアリスとお話中……その間にアリスのことを聞いた。

 どうやらキモデブは前世はロリコン、今世はホモだったらしい。……この世界ってホモで溢れてるのか?


「よく頑張ったね。アリス……」

「お姉ちゃん……」


 俺はアリスを抱きしめた……かったが、身長という現実を見せられて、怒りのあまりにアリスを蹴り飛ばした。


ドサッ!

「痛いよ! なんで蹴り飛ばしたの!」

「うるさい! お姉ちゃんを超える妹なんて許さないよ! アリス! さっき私のことバカにしたでしょ! 帰ったらお風呂に入れてあげる!」

「そんなっ!?」


 アリスは絶望したような表情をしていた。

 ……そこまで嫌か?


「せっかくの姉妹の感動シーンが……」


 アリスと手を繋いで帰ると転んで二次災害が起こるので、俺は小鳥に抱っこしてもらい、アリスは小鳥と手を繋いで帰った。





「いやああああああ!! お風呂は入らないのおおお!」

「ダメだよ! アリス! 逃がさない!」

「こら! イリス! やめなさい! イリス!」


 止めるなアリサ! これはお姉ちゃんの誇りが掛かっているんだ!


「イリス! いい加減にしなさい!こっちに来なさい!」

「H A N A S E !! うわあああああ!!」


 俺はアリサに持ち上げられて、地下室に監禁された。


「そこで反省してなさい! それまではご飯は抜きよ!」

ガチャン!


 鍵閉められた……っていうかこの家って地下室あったのか……ん? これは……音姉の本だ。


 音姉とは俺の前世の姉の1人で、もう1人は葉姉(ようねえ)という。この二人は双子であるが、葉姉は俺が死ぬよりもだいぶ前に突然と失踪してしまった。当時は俺も小2くらいの時だったので、あまり覚えていないが、葉姉の特徴は白い髪の毛と赤い瞳で吸血鬼みたいだった。


 まあそれは置いといて、音姉は小説家を目指していたが、俺は死んでたからわからなかったな。音姉はやっぱり凄いな……


カサカサカサ……


 ん? 何か嫌な音がするな。気のせいだよ……な……


カサカサカサ……


 俺の目の前に黒い謎の物体が現れた。


「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!! だしてーー!! もうしないから! お願いだから早く出してーー!!」

ドンドンドンドン!!


 ムリムリムリムリ!! ヤツだけは! く、来るな!


「ようやく反省したみたいね。じゃあ出してあげるわ」

ガチャ!

「ひゃあああああぁぁぁぁぁ!!」

「イリス!? きゃ! ……ゴキ◯リ? まさかこんなのが怖いの?」


 普通怖いに決まってんだろ!! つーかやめろ! 素手でキャッチするな!! 早くリリースして、手を洗ってこい!!


「ふふーん、そういえばイリスにはいろんなことをされたわね。仕返ししてもいいよね?」

「よくない! 良くないから! こ、来ないでぇぇぇーーっ!! いやぁぁぁーーーっ!!」




 1時間後……



「ひっく……ひっく……ママなんて嫌い! 死んじゃえ!」

「イリス!」


 俺は自分の部屋に閉じ籠った。


「アリサやり過ぎよ」

「偶然だって! たまたま転んで飛んで行っただけなんだから! それにもうお風呂にも入れたんだからいいでしょ!」

「お風呂に入れたの私だよ……」


 俺はアイツに汚された……もう生きていけない……



 数分後……



「イリス、ごめんなさい。少しやり過ぎたわ。今日は一緒にお風呂に入りましょ。今晩は焼き鮭にしてあげるから許して」

「来ないで!! せめて手を洗ってきてよ!!」


 汚いんだよ! なんで素手で掴んだまま手を洗わないんだよ! 俺を殺す気か! ……いや、もう俺はアイツに全身を……


「いやぁぁぁぁーーーっ!!!」

バタンッ!

「「イリス(ちゃん)!!」」

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