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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第37話 小学校のお泊まり会 ~~夜中の出来事~~


 あれから夕食を食べ終え、フォークダンスをすることになった。


「雑菌先生、その顔は?」

「気にするな。少し副校長先生にやられただけだ」


 少しってレベルじゃねーぞ。肝試しのためのリアルメイクだな。


「イリス、お前は見学な。身長的に誰ともできん……」


 これで俺は今のところ全て見学だな。完全制覇出来そうだ。


「イリスちゃん! ただいま!」

ダキッ!

「小鳥お姉ちゃん……お帰り……」


 俺は帰って来た小鳥に抱きしめられた。そしてそのまま小鳥に抱っこされて、フォークダンスを見学することになった。


「イリスちゃん、大丈夫?」

「眠い……」

「イリスちゃんはもう寝る時間だもんね。キャンプファイアは無事に潰れたよ。次は肝試しだって」


 なんで光ちゃん、俺が寝る時間知ってんだ……っていうか夕飯食べてから8時までフォークダンスやってたコイツらスゲェよ……二時間もフォークダンスとか糞だろ……


「これよりくじ引きで行く順番と場所を決める! 各班のリーダーはくじを引くように!」


 ちなみに班は事前に決めてある。俺、光ちゃん、イリヤちゃん、蒼真くん、モブCくん……AくんとBくんは何処(いずこ)に?


「イリスちゃんの番だよ」

「え? 私?」


 なぜに俺が引くんだ……


「~~~~~~~~~~~~っ!!」


 届かねー! 悠司! くじを俺に引かせろ!


「そろそろ引きたいか? では引かせてやろう」

「じゃあ引かなくていいや」


 俺は光ちゃんたちのところに戻ろうとする。


「引いてください! お願いします!」


 なんなんだよ……


「第7班、音楽室……」


 1番最後で1番遠い場所……最悪だ……音楽室って何かあったような気がするな……何だっけ?

 それから時間が経ち、俺たちの班の時間になった。


「じゃあ行こうか」

「そうだね……」


 俺たちは音楽室へと向かった。


「イリスちゃん……何かあったら……私の手を繋いで貰っても構いませんよ……」

「平気、気にしないで」

「いえ、ここは繋いでおきましょう」

ガシッ!


 怖いのか……


「イリスちゃんの手って意外と熱いんですね。コート着てるからてっきり冷たいものだと思ってたんですが……」

「同感」


 そろそろ階段か……ん? 階段前の理科室に人影?

驚かせる先生だな。よくもあんな時間まで俺たち待ってるよな。もう2時間くらい居るんじゃないか?


「早く帰って寝たい……」

「そうだね。もう10時過ぎてるもんね。イリスちゃんはお眠だよね……」

「うわーっ!!」

「いやぁぁぁぁぁ!!」

「…………」

ばたんっ!


 小鳥が理科室から出てきた。光ちゃんたちは一瞬ビクッ! ってなってた。イリヤちゃんとモブCくんはここで尊い犠牲になった。モブCくんは声すら出してなかったな……


「お疲れ様です」

「驚きなさいよ……私がどれだけここで待ってたと思うの?」

「知らないよ」

「じゃああとは頑張って、私はこの犠牲者たちを連れて帰るから」


 イリヤちゃん、モブCくん失格。ご退場……次は誰だ?



 数分後……



「はぁはぁ……もう無理……ギブ……」

「イリスちゃん……ギブする理由がおかしいよ……」

「なんで階段でギブするのさ」


 こちとら体力ねーんだよ! ふざけんな! 何が5階だ! 俺はな! 3階ですらぐったりしてるんだぞ! 5階まで行ける体力なんてどこにあるんだよ!


「ちょっと休ませて……」

「仕方ないな……光ちゃん、いい?」

「うん、いいよ」


 俺たちは階段で少し休むことにした。


「ところで蒼真くん、その御守りは?」

「これか……悪魔の囁きだ……あと2つ持ってるんだけどいる?」


 なんで丁度良く2つ持ってるんだよ……あの守護霊さん何を……


「あっ!」

「なに? どうしたの?」


 やべっ! 音楽室って行ったらダメなところじゃねーか。


「撤退しようか」

「あっ、それなんだけど。イリスちゃんが言い出したら止めろって悪魔が言ってたんだ」


 読まれてたぁぁぁ!! アイツ、俺に駆除させるつもりだな! ふざけんなよ!


「もしここで戻ったら『明日のパンツが消える』って言ってたんだけど……」


 チッ! アイツ糞野郎だ! 明日のパンツとかめっちゃ大事なモノじゃねーか! それを奪うなんて……お前人間じゃねー!


「(へくちっ! なんか言われてるのかな?)」←守護霊さん



「え? え? どういうこと? 説明してよ!」


 そういえば光ちゃんは何も知らなかったな……


「音楽室って死神が居るって聞いたんだよ……っていうか見たし……」

「見たの!? どんなだったの!」


 その後、光ちゃんにたくさん質問攻めされた。


「じゃあそろそろ行こうか。音楽室に行く前にチェックポイントあるし」

「チェックポイント?」


 そんなものあったのか……


「聞いてなかったの? 4階にある2年4組に行かないといけないんだよ」


 マジか……面倒だな……そういえば音楽室ってこの館じゃなかった気がするんだが……まさか……


「ねえ、ここって音楽室から……」

「1番遠い場所だよ?」

「うっ……」

「イリスちゃん! しっかりして! 光が音楽室まで運ぶからゆっくりしてていいよ!」


 それはありがたい……


「じゃあお願い……」


 俺は光ちゃんの背中に乗る。そして2年4組に向かう。


ガラガラガラ!

「うわーーーっ!!」

「「「…………」」」


 先ほどリアルメイクしていたヤツが目の前に現れた。


「お前ら少しくらい反応してくれ……イリスは体力切れか。まあ気合いがあれば何とかなるさ! ファイト!」


 この糞野郎!! 気合いだけで何とかなると思うなよ!


「じゃあ階段降りようか。音楽室まであと少しだよ」

「全然まだまだだよ……」


 音楽室は隣の館の5階。当然渡り廊下はあるが、2階にしかないので実質意味がない。

 せめて3階にも作って置けよ……


「……なあ、この廊下ってこんなに長かったっか?」


 何そのホラー現象あるあるは?


「だってほら」


 蒼真くんが指さした方向を見ると長い廊下()()()が廊下の緊急用のシャッター1面に貼られていた。


「「写真じゃん」」

「あっ、ホントだ」


 それから音楽室までこういう下らないような代物がいくつか続いた。上から骸骨が降ってくるという定番や、皿を数える先生たちの合唱団。障子がないからと言って扉についてる窓ガラスを割って、手を出してくる先生たち……やってることが高校生レベルである。全て詰まらなかった。


 いや、皿を数える先生たちの合唱団は面白かったが……


いちまーい、にまーい、さんまーい、よ~~ん~ま~~~~い(ビブラート)


 という感じで録音して置きたかった……

 なんだか……眠くなってきた……もういいや……寝ちゃお……


「イリスちゃん? ……寝ちゃってる……蒼真くん、どうしようか?」

「引き返そうか。全く、悪魔から罰を受けるのは僕なのに……」

「へ? そうなの? まあいいや。帰ろうか」

「全然よくないんだけど」









「全く、仕方ないなぁ……今回だけだよ?」









 ん? 保健室のベッド? 


「ふにゃわっ!?」


 思わず変な声が出てしまった。全く、何でクラスメイト全員で俺のことをガン見してくるんだ……


「「「かわいい……全く、普段から寝てればいいのに……」」」


 おい今のはどういう意味だ。絶対俺が起きてたら迷惑掛けるから永遠に寝てろっていう意味だろ。


「ねえ、イリスちゃん、僕ね。君のせいでノーパンなんだ。どうしてくれるの?」


 お前がノーパンになるのかよ!? 俺はそんなこと知らん! 眠かったから寝た! それだけだ!

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