第33話 新たな学年その名も6年生!!
今日から2年生……だと思ったか? 残念、実はあれから既に4年が経っていて、なんと最高学年の6年生になったのだ!
「今年も担任は俺だ! よろしくな!」
なんだまた雑菌か……ちなみに悠司のあだ名はあの日以降、男子たちが雑菌先生と呼び出し、今や学年全員が雑菌先生と呼んでいる。さらには先生にも言われる始末で、悠司本人も開き直ってる。
ちなみに俺と光ちゃんはこれで悠司と6年間同じだ。それと今年は蒼真くんとイリヤちゃんも同じクラスだ。士郎くんたちは去年一緒だったが、隣のクラスへとおさらばした。
「雑菌先生! 今日は何するんですか!」
「今日は……久しぶりに自己紹介しよう!」
「「「えー」」」
「お前らそんなんでいいのか! クラスメイトたち全員の前で出来る自己紹介なんて人生で12回しかないんだぞ! お前たち残り7回しか出来ないんだぞ! それでもいいのか!」
どうでもいいし、留年すれば何度でも自己紹介できる。しかも社会人になっても自己紹介は存在する。よってお前の作った理論は虚偽である。
「「「かまいませーん」」」
「じゃあお前らに聞く!『なんでもバスケット』って知ってるか?」
ふざけてるのか? 知ってるに決まってるだろ?
「「「何それ!? 初めて聞いた!」」」
知らないのかよ! なんで知らないんだよ!
それから悠司のルール説明が始まり5分後……
「よし、じゃあ俺から行くぞ!まずはイリスがドジで毎日迷惑掛けてくるやつだと思う人!」
ガタッガタッガタッガタ……
おい、今の問いに対してなぜ全員が立ち上がって移動し始めるんだ! おかしいだろ! そんなに俺は迷惑掛けてるのか! 悠司め……覚えておけよ……
「髪の毛が銀色の人!」
誰だ今そんなこと言ったモブは! 俺とイリヤちゃんしか居ないじゃねーか! まあ、無事回避したが…
「私ですか……じゃあ、ロリっ娘」
なんで全員でこっち見てくるだよ……やめろよ。確かに身長が小1から殆ど伸びてないから未だに105cmだけどさ! お前らだって大人から見れば十分ロリだろ!
それにそういう人が気にしてることを言うのはどうかと思うぞ! アリサだって身長が低いの気にしてたが、それでも当時は135cmはあったぞ。
それより30cmも低いなんて何か理由があるはずだ! 理由……理由……あっ、母乳の件でしたか……そうですね。はい。でもここまで小さくなるか? まさか野菜の……いや、そんな訳ない……はず……
「はぁ、なんで私が……」
結局立たされて、やる嵌めになりました。なので、まずは悠司を落とそうと思います。
「水泳の授業中に漏らした人!」
「「!?」」
悠司ともう1人モブがピクッとなったが、モブの方は事故だろう。
「あれれ? 先生? どうしたんですか?」
「お、お前何を言ってるんだ……」
動揺してるし……少しくらい隠そうとせい!
「なんで知ってると思う? それはね◯◯から……」
記憶を受け継いで転生したからなんだぜ☆
「ぬわっー!! くそっ! あの野郎許さん!」
「雑菌先生本当なの?」
「え?」
「うわー汚っ!」
その後、小学生特有の『おもらし』という言葉のコールが始まった。
「イリス……放課後居残りな」
「え"」
なぜ俺に八つ当たりしようとするんだ……
放課後、保健室にて……
「うわああああああん!!」
「よしよし、よく耐えたわね。悠司!八つ当たりなんてして! ダメじゃない!」
俺は悠司に散々八つ当たりされて小鳥に泣きついていた。
「だって……」
「だってもくそもあるか! あんたがやることは今すぐ将吾たちに謝罪と金を払うことよ!」
現実的な考え方やめろ!
「ひっく……ひっく……」
「だいぶ収まってきたわね。にしても全然成長しないわね。外観も中身も……」
「中身は退化してないか?」
「あんたは黙ってお金払って来なさい!」
「はい」
本当に行くのか。しかもそれって実質同居してる小鳥も裕福になるってことじゃね? まさかそれすら計算済みだと言うのか!
「全く、少しくらい大人っぽくなりなさいよ……」
「うん……ごめんなさい……小鳥お姉ちゃん……」
「(かわいい……もういっそ、このままでいいかな?)いや、やっぱり今のままでいいよ。無理しないでゆっくり成長していきなさい」
「うん……」
やはりこういう時の小鳥は優しくて頼りになる。
「じゃあ帰ろっか」
俺は小鳥の車に乗せられて帰った。
「ただいま!」
「イリスーー!!」
帰ってそうそうアリサに抱きつかれた。そしてそのまま俺はアリサを受け止めきれず、床に倒れた。
「ママ重い……」
「重くない! それよりも大丈夫? 悠司に虐められたんだって?」
悠司来るの早っ!? 悠司が行った後すぐに車で家に向かったのにもう家に来てたのかよ!
「悠司ならあそこに縛ってあるから好きなだけこれで叩いていいからね!」
おい、ムチを渡すな! 俺をなんだと思ってるんだ! でも数回は叩いておこう。
べしっ!
「ああん!」
喘ぐな! おっさんの喘ぎ声とか誰得だ!
「キモイ!」
べしっ!
「ああん! もっと……もっと強く!」
やべーコイツドMだ。どうする? ……逃げるか?
「小鳥お姉ちゃん、パス」
俺は小鳥にムチを投げてルーシーの元に向かう。
「逃がさないわよ!」
「へ? うわっ!」
ばたんっ!
小鳥はムチを俺の足に引っ掻けて転ばしてきた。
アイツ何者だよ……秒でムチを達人みたいに扱うなよ……さすがチート。最近影薄くて忘れやすいな。この設定……
「設定言うな! あとチートじゃないわよ!」
べしっ!
「痛っ!! なんで!?」
何故に俺が叩かれた!? 俺は何も言ってないぞ!
「小鳥お姉ちゃん、私もやるーー!!」
「いいよ、アリスちゃん」
おいやめろ! アリスには渡すな! 俺はアリスなんて見たくないんだよ! 小1の癖に俺より身長高い時点で会いたくもないんだよ!
「今度からお姉ちゃんじゃなくてイリスちゃんって呼ぶー!」
べしっ!
「痛い! やめて!」
なんでコイツもムチの扱い上手いんだよ……お前はチート設定ないだろ!
数十分後……
「えっと、アリスちゃん……もうやめてあげて……イリスちゃんのライフはもう0だよ。」
「まだだよ! まだ……もっと……もっと……」
たけもっと……
べしっ!
「…………」
もう俺は死んでいる。ただの屍のようだ。
「イリスちゃん! イリスちゃん! アリサーー!! イリスちゃんが!! 新たなる性癖に目覚める!!」
「目覚めないよ!」
「うるさい!」
べしっ!
「アリス……きさま……ゆるさな……」
ガクッ……
俺は貴様を許さない……そう、絶対にだ……覚えておけよ……アリス……