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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
1章 銀髪幼女の生活 ~~小学生編~~
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第31話 風呂の温度に抱かれて消えろっ!


 あれから数ヶ月が経ち、明日からは冬休みだ。


「それじゃあ宿題は早めに済ませて、体には気をつけるように、以上! 号令!」

「起立! 先生、さようなら!」

「「「永遠にさようなら!」」」

「永遠!?」


 悠司、お前死ぬのか……啓介の仲間入りだな。


「イリスちゃん、帰ろ」

「そうだね」

「待ちなさい! イリスちゃん! 今日という今日は逃がしませんよ!」


 最近イリヤちゃんが強気になってきてるな。


「なに? 一緒に帰りたいの?」

「えっ、いや……違っ……私は貴女のような人と帰りたいなんて思ってるんだから! あっ、間違いました。帰りたいなんて思ってないんだから!」


 そして、だんだんツンデレになって来てる……その訂正は無理があるだろ……


「せっかく同じ方向なんだから一緒に帰ろ?」

「ま、まあ貴女がどうしてもって言うなら特別に一緒に帰ってあげますよ! べ、別に貴女と帰りたい訳じゃないんですから!」

「おーツンドラのテンプラの台詞だ」

「イリスちゃん、ツンデレのテンプレだよ……」


 普通ツンドラのテンプラって言わないのか?

※言いません。


「私はツンデレでもテンプラでもありませんよ!」


 ツンドラとテンプレではあるんだな。


「まあいいから帰ろうよ」

「そうだね。行くよツンドラさん」

「イリヤです!あとツンドラって何なんですか!」


 ツンドラはアレだよ。アレ。ほら、バイオームに出てくる……そもそもバイオームってなんだっけ? まあ、気候だ! 気候! ……帰ったら復習するか。


「ところでお二人は冬休みどう過ごすんですか?」

「ん? 私は家でゴロゴロと……960時間しようかなって思ってるんだけど……」

「「それ冬休み全部!! しかも足りない!!」」


 別にそんなもんだろ? どうせ宿題なんて絵日記を含めて昨日で終わってるんだから。


「光ちゃんは?」

「光はね。にんm……家族旅行に行くの!」


 任務とはお疲れ様です。頑張ってください。俺にはこれしか言えない……


「旅行ですか。どちらに行かれるんですか?」

「と、東京だよ……」


 東京については嘘ではなさそうだが、家族旅行ではないな。


「私はこの冬休みで世界を一周してきますのでしばらくは会えませんね」

「「はい?」」


 コイツ何者だ? まさか……


「うちよりもお金持ちなんて!!」

「イリスちゃん冷静に見て、もう住む世界が違うよ……」


 はっ! 今まで気付かなかったが、言葉使いやあの服、かなりお上品! 間違いない、コイツ金持ちだ!


「では私はこっちですので、それではまた今度」

「「じゃあね……」」


 イリヤちゃんと別れたあと俺と光ちゃんは無言のまま家の少し手前まで帰ってきた。


「イリスちゃん、少しくらいは外に出ようよ……」

「ねえ、知ってる? 私たちって実はネット上で凄い知れ渡ってるんだよ?」

「え?」


 俺は光ちゃんにタブレットの画面を見せる。するとそこには『真夏の昼間にコートを着た銀髪幼女とそのお友達発見! どうやら1年中コートを着てるようだ』や『毎日コート着てる銀色ロリたんギガントカワユス』、『これは俺の嫁な。お前ら手を出すんじゃないぞ?』に『お友達も普通に美少女。二人とも子役じゃね?』とか書かれていた。


「……イリスちゃん? これ、誰のせいかな?」

「誰だろうね?」


 俺は光ちゃんに笑顔で返す。


「また誘拐なんて洒落にならないよ……」

「大丈夫。私たちにはいつもアレがついてるから」


 俺は後方の電柱を指差した。


「アレ? ……ボディーガードマンじゃん! ちょっと! 二人体勢でずっとガン見してるんだけど! しかもあの怖そうなおっさんたち、光の上司じゃん! っていうか何あの護衛中って書いてある看板は!?」


 そうなのか……初めて知ったな……でも誘拐のこと考えれば、光ちゃんのこともあるからあの人たちが出てくるのは必然だし、ゴツくて強そうだから護衛にはピッタリだな。良かったな上司たちに護衛されるなんて幸せじゃないか。


「看板ないと怪しまれるじゃん?」

「なにほっこりしたような顔してんの!? 洒落にならないよ! 絶対アイツらにバカにされる! せっかく光が築き上げてきたクールキャラが崩壊するよ!」


 光ちゃん……クールキャラやってたんだ……どんな感じだったんだ? でもあの人たちっていつも「また今日も可愛い部下の姿を見た……」って感じの顔してるんだが……もしかしてバレてるんじゃないか?


「何よその顔は……」

「んや、別に?」

「……まあいいや。また今度ね。光が暇だったら遊びに来るから! じゃあねイリスちゃん」


 来なくていい。いや、来てもいいけど女の子二人だと何すればいいか分からないから出来れば来ないでくれ……


「じゃあね光ちゃん」


 俺は光ちゃんに手を振って見送った。


「ただいまーうわっ!?」

ばたんっ!


 なにか踏んでそのまま体勢が崩れて倒れてしまった。


「いたた……また転んじゃった……今なに踏んだんだろ? なんだママか……驚かせないでよ……」


 そもそもなんでアリサがこんな所で倒れてるんだよ。ん? なんか気失ってないか? 何があったん……だ?


 俺の目に写ったのはアリスが食用油のボトルを片手に持って、アリサのパンツで興奮している姿だった。


「これだね。間違いなく……アリス? いや、キモデブ? どっちでもいいや。早く掃除しなさい!」

「よくない! 俺はアリスだ! 断じてキモデブではない!」

「口調が悪いよ。ほら、さっさと掃除する!」

「お姉ちゃん、アリスわかんなーい」


 ムカっ……コイツ……


「お姉ちゃんもママに似てドジだよね? 今日は何色のパンツ履いてるの?」

「1度死んで来い」

「残念でしたー既に1度死んでますー」


 1度殺したろうか? ……さあ、地獄を楽しみな!


「おやおや? お姉ちゃんどうしたの~?」

ガシッ!

「え? ちょっ! 何するんだ! やめろ! 暴力反対!」

「何言ってるの? 一緒にお姉ちゃんの部屋で遊びましょ?」


 俺はアリスを自分の部屋に放り込む。


「なんだここ……めっちゃ暑いんだが……」

「さて、お姉ちゃんとお風呂に入ろうか?」

「お風呂!? 入る入る!」


 ふっ、貴様の命もここまでだ。その命、神に返してきなさい!


「熱っ!!!!!!!!」


 俺はアリスをお風呂にぶちこみ、一緒に入った。


「ほら、百まで数えなさい? お姉ちゃんも一緒に数えるからね」

「お姉ちゃんの裸で興奮しててごめんなさい!! もうしませんから助けてください!! 油もきちんと掃除しますから!!熱い! 熱い!! 熱い!!!」

「だーめ♪」

「ぎやああああああ!!!」


 その後、アリスが逆上(のぼ)せてアリサたちに怒られたのは言うまでもない。でも後悔はしていない。寧ろスッキリした。

 そして、アリスが何かイタズラをすることは無くなり、少し女の子らしくなった。


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