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幼なじみを庇ったら幼なじみと親友の娘になりました  作者: ふきゆきのした
序章 幼女としての生活
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第3話 お墓参り


 俺たちは車に乗って移動していた。


「イリス、そろそろママの膝に……」

「えんりょするー」

「遠慮しないで!」


 だって小鳥の裕福なブツが頭にあたってちょうどいいクッションになってるからこっちの方がいいんだよ。これに関しては巨乳派の意味を認めざるを得ないな。


 だが、俺は貧乳派だ! 巨乳に対する性的要素は一切混じってない! ちなみに小鳥はそこまで大きくない。どちらかというと美乳だ。だがアリサと比べると大きさは圧倒的に小鳥の方が大きい。

 こう見えてしまうのはアリサの胸がまな板をそのまま表現したような感じだから仕方ないじゃん。


 そういえば今さらだが、俺って女だったな。恋愛とかどうすればいいんだ? 男のブツをしゃぶる日でも来るのか? 気持ち悪いな……


「どうやら小鳥の胸をもぎ取ればイリスは帰って来るようね」

「アリサ、止めとけ。魔王には勝てないぞ」

「誰が魔王よ!」


 まあ、確かに魔王だな。何をやっても世界の記録を越えて行くんだから……おまけに凄い美人だし、異世界チートの奴ら瞬殺するし(捏造)。唯一の欠点があるとするなら、男たちが「社会のゴミ屑同然である自分とは比べものにならない」と言って、未だに彼氏が出来ず、処女のままだということぐらいだな。


「イリスちゃん? 今なんか私バカにされたような気がするんだけど?」


 鋭いな。さすがチート。


「気のせいじゃない?」

「そう? っていうかイリスちゃん顔色悪いけど大丈夫?」


 酔ったな。完全に……間違いなく……


「酔ったみたいね」

「じゃあコンビニに寄るが、何か買うか?」

「「「「◯※△×□買ってきて!」」」」


 一斉にしゃべるなよ。つーか全員パシらせる気だな。うっ! 気持ち悪っ!


「いっぺんに言うな! とりあえず悠司と朱音とアリサは留守番だ。お前らが来るとろくなことがない」


 そうだな。アリサは言うまでもなくドジだから転んで飲み物を落とす未来しか見えないし、朱音は煩そうだからな。悠司は論外だな。全身タイツがコンビニに入っていい訳がない。つまり行くメンバーは


「俺と小鳥とイリスだな。イリスはコンビニとか見てみたいだろ?」

「うん……行く、絶対行く……」


 この中に残るなんて地獄以外なんでもない。俺に残された選択肢など1つしかないのだ。


「必死だな。どんだけ車の中に残りたくないんだよ……小鳥、行くぞ」

「まあ、仕方ないよね。じゃあ3人とも待っててね」


 俺たちはコンビニに入った。


「コンビニって寒いね……」


 コンビニってこんなに寒かったのか……


「じゃあ早めに買い物を済まそう。とりあえず朱音はスポーツドリンクでいいな」


 そうだな。間違いないな。アイツスポーツドリンク以外飲まないし。


「アリサはお茶でいいか。啓介の分はコーヒーにしておこう。俺もそれでいいな。小鳥は?」


 啓介も来るのか。でも今居ないならあとで合流か?


「私もコーヒーにしようかな? 悠司は新作のお茶に炭酸水を混ぜたやつにしときましょう」


 害悪な選択だな。


「イリスはあっちだな。こっちの飲むと低温やけどするしな」


 どんだけだよ!


「ほら、ここから何でもいいぞ何がいい?」

「じゃあとりあえず……日本酒で」

「「おい幼児!!」」


 相変わらずツッコミは素晴らしいな。まあ、刷り込んだの俺だけどな。


「じょーだんだよ。よくわからないからこのお茶でいいよ」

「そう……」

「酔い止めと常温の水をかごに入れて、じゃあ買ってくるか。っとそうだった。アイツはこれだな」


 何故ビールを取り出した? お前らの中で俺は一体どんなやつになってんだ?


「コーラにしときなさいよ……アイツ未成年でしょ」

「そうだな……残りはあとで悠司にでも飲ませて置けばいいか。じゃあ先に戻っててくれ」

「はーい」


 そう言って将吾はレジに行った。


「じゃあ私たちは戻ろうか」


 俺たちは車に戻った。すると俺が歩くのが遅かったのか将吾が歩くのが速かったのかわからないが、将吾が車に乗ってきた。


「じゃあすぐ着くからな。イリス、これ飲みな」


 俺は将吾から酔い止めを貰い、飲むと再び車を動かした。



 数分後……



「よし、着いたぞ」


 ようやくか……


「イリス、こっちよ」

「はーい」


 俺はアリサと手を繋ぐ。身長差がかなりあるので腕がかなり疲れる。


「やっとイリスが帰ってきた」


 ん? アリサは一体何を言ってるんだ?


「イリスちゃんは私と手を繋いでるからアリサの元には帰ってないよ」

「何だって!?」


 当たり前だよなぁ?

 俺はアリサと小鳥と手を繋いで俺のお墓に向かった。

 そして俺たちは俺の墓の前に来ていた。


「琴道、また今年も来たぞ。今年はイリスも来てるんだ。お前のおかげで生まれた命なんだ。しっかり守ってくれよな」


 一体お前らはどこにお祈りしてるんだ?こっちだよこっち。ん? 赤い猫? 地縛霊か? ……あれ? 消えた。気のせいだったか?


「待たせたな!」

シュバ!

「「「「……」」」」


 うわー、変なやつ第三号が来たよ。というか誰か1人くらい振り向いてやれよ。


「無視は酷くねーか!? まあ、いいや。お前がイリスちゃんだな。俺は啓介だ! よろしくな! 幼女か……素晴らしいな。イリスたんと呼ぼう」


 うわっ……なにコイツ気持ち悪っ……


「ママ、変な人がいるよ」

「え? どこに?」

「そこ」


 俺は啓介に向かって指をさした。


「……誰がいるの?」

「どうしたんだイリス?」

「え?」


 まさか……見えてないのか?


「いや……なんでもない……」

「そう? 変なイリスね?」


 どういうことだ? 啓介は誰にも見えてないのか? それともふざけてるだけなのか?


「ほら、イリス。こっちは二人目のお友達だよ」

「え?」


 俺は俺の隣の墓を見ると啓介の名前が書いてあった。


「え? なんで……」

「イリス? どうしたの? さっきから大丈夫?」

「え? 啓介っていう人ならそこにいるのに……」

「「「「は?」」」」


 え? 何その反応……啓介って死んでたのか?


「イリス? ここに何人がいるか数えてみな」

「え? うん……1、2、3……21、22……」

「も、もういいぞ。だいたいわかった。落ち着いて聞けよ。お前は幽霊が見えるんだ」


 え? 幽霊? なんで?


「実際はここにいるのは俺たちだけなんだよ。だからここにいるのは6人だけなんだよ」


 は? マジ? ……ってホントだ。よくよく見ると他の人たち微妙に透けてんな。啓介、お前死んでたのか。


「それで啓介がそこにいるの!?」

「うん。いるよ? さっき自分のこと名乗ってたよ。っていうか今ママの顔にめり込ん……な、なんでもない」


 うわー、気持ち悪っ……


「え"っ!? ちょっと! イリス、今すぐ追い払って!」


 やだよ。気持ち悪い……


「やっぱり見えてるんだな。なあ、イリスたん。俺は死んだから適当に琴道と世間話でもしてようかとおもったんだが、琴道のやつもう居なくてさ。どうしたらいいんだ?」


 知らん! あと俺はここにいるからな! あといつまでめり込んでるんだ! 気持ち悪いんだよ! さっさと出ろ!


「そんなことより、早く帰ろうよ。私もう眠い……」

「そうか、確かにイリスは今日初めて外を歩いたし、車の中でも酔ってたからな。疲れて当然だろ。イリス、パパがおんぶしてやる」

「いやいや、ここはママでしょ!」

「小鳥お姉ちゃん抱っこ」

「「グハッ!」」


 どんまい。お前らに抱っこされるくらいなら小鳥の方が1000倍ましだ。あっ、駄目だコイツら0だから何倍しても0だった。じゃあ+1000だな。


「フッ、ざまあないわね。イリスちゃんは貰ったわ」


 キャラが変わってるぞ。にしても抱っこ上手いな。すげー眠い……あっ、ちょうどいいクッションが……もう寝よ。


「すぅーすぅー」

「寝ちゃったね。じゃあ帰ろうか」

「そうだな。さあ小鳥、早くイリスを返せ」

「イリスちゃんが起きちゃうよ?」

「「……」」

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